ポートアイランドII期

ポートアイランドII期エリアのプロジェクト近況

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久しぶりのポートアイランド関連です。先日、ポートアイランド2期エリアで計画されていた「神戸低侵襲がん医療センター(仮称)」が着工となった報道がありましたので早速現場の確認に行って参りました。

「神戸低侵襲がん医療センター(仮称)」はがんを切らずに治す、つまりは外科的手術を施さずに放射線と化学療法のみのでがん治療に特化した専門医療センターです。

事業主体は神戸がん医療推進合同会社でこれは財団法人民間都市開発推進機構や上組等が出資したSPC(特別目的会社)で神大医学部付属病院が舵取りを行います。また都市再生特別措置法にもとづく民間都市再生整備事業計画として認定されました。事業費は60億円です。

新病院の施設概要

規模:地上5階
高さ:20.96m
敷地面積:8,546.06㎡
建築面積:3,636.78㎡
延床面積:9,188.93㎡
病床数:80床
設計・施工:大成建設
竣工時期:2013年2月
開院時期:2013年4月
住所:神戸市中央区港島中町8-5-1

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建設現場の様子です。建設地は神戸国際展示場の南側。神戸市の市有地でポートアイランド南公園の西側一部だった場所です。すでにクローラークレーンや三点式パイルドライバー等の重機が導入され、掘削工事の真っ最中でした。

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敷地は一つの街区として整備され、北側は神戸国際展示場、南側は中央市民病院と接しています。神戸低侵襲がん医療センターはその敷地の北側半分に建設されています。完成予想図でも描かれていますが、中央市民病院同様に建物2階部分へ空中デッキが接続し、デッキはポートライナー軌道側のプロムナードと直結します。最寄駅は市民広場前駅となりそうです。

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こちらは敷地の南側半分です。整地されており、建物の着工に備えている感じです。ここにはNPO法人「チャイルド・ケモ・ハウス」による小児がんの専門治療施設と患者の家族が滞在できる宿泊施設が計画されています。施設の詳細はまだ明らかではありませんが、開業時期は来春を目指しています。

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ここで再度、周辺地域の各施設と今後のプロジェクトの位置関係を把握してみましょう。上でご紹介した二施設は中央市民病院の北側で計画されています。またこれらの他、更に二病院の建設が周辺地区で予定されています。一つは「神戸国際フロンティアメディカルセンター」そしてもう一つが「兵庫県立こども病院」です。

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兵庫県立こども病院は現在、須磨区にありますが筑後40年を経て老朽化が進み、建替が必要とされています。また立地条件からも移転という選択肢が検討され、三つの候補地の中から、国内の最大の医療クラスターであるポートアイランドが最終候補地となりました。具体的には中央市民病院からはポートライナー軌道を隔てて向かい側となる敷地で現在は中央緑地としてせせらぎや公園が整備されている場所です。やすらぎ感のある市民の憩いの場所ですが、東日本大震災以降、沿岸部の危険性が危惧される中、ポーアイの中でも多少の勾配があって高台となり、阪神大震災の際は液状化現象も起こらなかったことも最終的にこの場所が選定された要因のようです。

26,000㎡の敷地面積に延床面積35,000㎡の施設を建設。290床を備え、213億円の事業費が投じられる予定です。開院は2015年を目指します。

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最後は国際医療開発センター横の敷地で計画されている「神戸国際フロンティアメディカルセンター」。元京都大附属病院長で現先端医療センター長であり、生体肝移植の世界的権威としても知られる田中紘一氏が中心となって進めている世界に開かれた高度医療センタープロジェクト。一時はアラブ首長国連邦のアブダビ政府系ファンドが投資するという話もありましたが、リーマンショックで立ち消えとなりました。また、200床での計画で進められていましたが、神戸市保健医療審議会の部会協議によって最終的に病床数は計画の4割減である120床として認証されました。紆余曲折の末、こちらも2013年の開院を目指しています。

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これら計画が順調に進行すると来年には、先行開業している中央市民病院と合わせて周辺に5病院が稼働する一大医療地区が誕生し、隣接する先端医療センターや関連企業との相互連携にもますます弾みがつくことになるはずです。スパコン京の本格稼働も控えており、関西イノベーション国際戦略総合特区の指定を活かしてますます発展に拍車を掛け、今後は世界に向けて具体的な研究成果を発信し、医療学会、コンベンション、医療観光等が神戸の産業の柱の一つになるよう更なる企業の集積と神戸の街への経済効果拡大へと繋がっていって欲しいと思います。もちろん市民や神戸を訪れる人々がこうした先端高度医療を分け隔てなく受けられるようになるとが大前提の上です。



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POSTED COMMENT

  1. tam より:

    こども病院は南公園の南の場所なのですね.これは少し残念です.
    ここまで医療の集積がすすむと海外の富裕層をターゲットにしたホテルが1つ欲しくなりますね.ポートアイランドの客船で接岸して,検診・検査,一部治療を行って,宿泊.その後,次の都市になんていうのもおもしろいですかね.

  2. 翔@KOBE より:

    知らぬ間にこんなにすすんでいるとは。医療産業都市が実現できれば、世界へ羽ばたくことはもちろん大事ですが、何らかの形で先端医療が市民に還元される形とっていってほしいですね。
    あと他の方がかいておられる医療のツアーですが、徳島でやってた気がします。神戸でできればもっと大きなものになりそうですね。

    阪急撤退後のイオンのテナントの大まかな内容が神戸新聞の記事に載ってますね\(^o^)/
    なかなか面白くなりそうです。メンズ無視的な感じは否めないですが、、、オープンは来年のGWってことでこれまたかなり先ですが楽しみです。

  3. 旅人 より:

    皆さんが書かれているように医療産業都市構想はかなり進んできてますね。
    今後の日本に大変重要な産業になることは確実なのでこれからの発展が楽しみです。

    でも多くの人を呼び込むためにはすでにいっぱいになってしまっている
    神戸空港の発着枠の規制緩和などやるべき課題もたくさんありますよね。

  4. うべっち より:

    神戸低侵襲がん医療センターの敷地は、子供の少年野球でお世話になりました。私事ですが、妻が癌で死ぬ3か月前に最後に野球を一緒に見に行ったりと、いろいろと思いでもあり残念ですが、癌の治療施設ができることで、癌の完治や、そこまでいかなくても体の負担が少ない延命治療が出来たらいいですね。
    しかし、これらの施設が完成すると、日本でも有数の医療研究、治療エリアになりますね。今後が楽しみです。

  5. モアイ より:

    この病院の集積度はすごいですね。見ているだけでもワクワクしてきます。おそらく日本一の医療クラスターの座は確定でしょうね。ですが、2期エリア内に高層ビルが建つぐらいじゃないと世界レベルは狙えないんでしょうね。僕は神戸ならできると信じたいですけど(笑)

    それと、ポーアイ関連なんですが、湾岸線の建設っていったいどうなってるんでしょうね。個人的に、いま一番期待しているプロジェクトです。ただ橋を造る場合、ポートターミナルなどに入る大型客船の事もあり、高さの問題などいろいろクリアしないといけないですね。
    橋の途中だけ可動橋にして、客船が通る時だけ動かせばいけるんじゃ…とか考えてるんですが(^^;
    もし建設されれば、六甲山からの夜景がもっとキレイになるでしょうね。

  6. 淀屋 より:

    こべるん様いつも拝見しています。ありがとうございます。
    ボーアイ二期かわってきましたね。しかし、医療クラスターとしては世界レベルは何千社の集積ですね。その点では少し歩みが遅いかと心配しています。
    更に問題は二期と空港島の完全売却や完全活用がいつになるかです。
    ※完全活用とは定期借地であれなにであれ活用されることとした
    今計画中も含めてボーアイ二期はどのくらい埋まったのか、まだ30%くらいなのかと推定するが、一方神戸空港島は5%位と報道されており、全く用地売却の目途は立っていない。
    大阪市でも橋下市長になってバス事業の赤字対策には着手しているが、巨大赤字のためか人口島の収支は発表がない位なので、神戸市に期待するべきでないが、一市民としては二期や空港島は本当に何のためにつくったのかいまだに疑問である。神戸市はきちんと市民に収支と今後の見通しを発表すべきである。
    ※大阪市は経済団体や橋下市長は総合リゾート構想を推進するようであるが、それで収支は取れるとも思わないが。

    何はともあれ、病院の大集積は歓迎すべきであるが、肝心の医療研究所や企業のほうは、進出もあれば、撤退もあり、200社からあまり伸びていないと感じるが。
    京の完成等で、進出ラッシュが起こり、早く世界レベルの医療クラスターになることを願っているが、そうならないなら次なる施策も必要である。
    例えば、神大医学部が研究所だけでなく、医学部全体と病院もうつり、中核施設として企業支援体制を強化するのはどうだろうか。
    こべるん様更に情報があればお教えください。

  7. しん@こべるん より:

    tamさん

    そうですね。ポーアイにはポートピアホテルを初めホテルが幾つかありますが、医療観光を前提にした専用ホテルがあっても良いかもしれませんね。更なる集積が進めば、そういった話も出てくるかもしれません。

  8. tam より:

    湾岸線については,私も非常に興味のあるところですが,大学が建ち並ぶきれいな町並み,さらには集積される医療機関群の側を高架の高速道路が通るというのはいささか前時代的ではないでしょうか.

    橋はデザインさえよければいいランドマークになるとは思うし,湾岸線の効果は非常に大きいと思うのですが.
    ただ,これからルートを考え直すというのも時間的に問題外なんでしょうね.

  9. しん@こべるん より:

    翔@KOBEさん

    私も徳島で医療観光が盛んであるというのは何かの番組で見ました。なぜ徳島だったのか理由は覚えていませんが、神戸の場合は関空→医療+観光→関空がスムーズに行くはずですね。豪華客船で来るというパターンも検討できますね。

    旅人さん

    発着枠が埋まることがまずは国交省に枠撤廃を訴える最低減のハードルだったはずなのでようやくそのスタートに立てたのではないでしょうか。今後は粘り強く交渉していくしかないですね。LCCの台頭は神戸空港にも追い風になるかもしれません。

    うべっちさん

    個人的なお話をシェアして頂いてありがとうございます。癌は日本人にとって誰もが患う可能性を持っているので人ごとはありません。生存率は高まっているもののまだまだ早期発見できなければ根治は難しい病気です。神戸で世界最先端の治療が可能になる日が来ることを願いたいですね。

    モアイさん

    一番最後の空撮の写真の大学エリアとポートアイランド病院の間にある敷地が湾岸線の通るルートです。ミッシングリンクの早期解決は国の最優先事項に挙げられていますので、これから10年が勝負かと思います。高架橋の高さは50m以上の設定であれば大型船の航行も可能のようです。

    淀屋さん

    神戸空港島は土地の売却で建設費を充当するはずでしたが、ポーアイ2期の売却が進んでいなかった時点で行先は見えていたはずなのであれほどの敷地まで埋め立ての拡大を継続する必要性は無かったかと思います。神大病院の移転が実現すれば医療産業都市には大きな前進になるでしょうね。このレベルにまで集積が進んだのですから国策では無いにしてももっと国の後押しがあって良いかと思います。

    tamさん

    コストは嵩みますが、ポーアイルートは地下化という選択肢もあります。その方が土地の有効活用も可能です。3号線の渋滞解消は湾岸線開通によってのみ実現するので、早期の目処は必要ですね。

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