神戸市は現在進めている新港町の再開発に続く第二弾として、第2突堤及びその基部の再開発を予定しています。この開発も神戸市が土地を一旦、取得した上で民間事業者に事業提案を求め、最優秀提案者に土地を譲渡する事になります。
今回、神戸市は、新型コロナウィルスの影響等、最近の社会経済情勢も踏まえ、先行してこの再開発に関してサウンディング型市場調査を実施を発表しました。
その対象は突堤部約19,340平方メートルと基部約8,200平方メートルです。
既に神戸市は第1突堤と第2突堤間にある水域の活用についてサウンディング型市場調査を実施しており、民間事業者からは最上レストランやマリーナの整備案が提示されました。
グランドデザインにおいては突堤を「観光・集客複合エリア」、突堤基部 を「文化・創造産業複合エリア」と位置づけています。この用途を元に考えるこれらの活用はどうあるべきでしょうか。
これまで中突堤も第1突堤も宿泊施設を主体とした開発が行われてきました。海に迫り出した立地から270度オーシャンビューを売りに出来るので、ホテルとしては申し分ない環境です。進行中の第1突堤基部の開発には宿泊施設が含まれていなかったので、第2突堤の開発はその規模を活かせる民間事業者による計画が望ましいと言えます。
基部には巨大な住友倉庫が鎮座します。フェリシモやGLIONのようにこの場所に本社を移転し、文化・集客施設を併設した新本社屋を建設する企業があると新港町の業務地区としての集積も高まります。できれば先例2社のように神戸の都心に本社を構える企業の移転ではなく、市外からの誘致に成功できるとベストです。ただ企業におけるオフィスの存在が今後どうなっていくのか次第で内容は大きく左右されるのではないかと思います。
神戸市としては今年度には事業者を決定し、再開発の始動に先鞭を付けておきたかったのだと思いますが、昨今のコロナ禍による景気後退期に思い切った投資を行う民間企業は稀です。プロポーザルを広告しても提案事業者が無かったり、その内容が著しく不適格となる事も考えられます。従って事前に今回の調査を実施して、企業側の温度を測る事は公募を行うべきタイミングの見極めになるでしょう。
第1突堤はメリケンパークに面し、4突堤の中ではベストポジションにあり、リーマンショック前に計画された構想では300室のホテルとシネコンを誘致する予定でしたが、白紙撤回となり、最終的に現在のラスイートの進出となりましたが、他事業社からの提案はありませんでした。これも開発を仕掛けたタイミングが良くなかったのではないかと思われます。三宮新港町は良いタイミングだったので、充実した内容の開発計画となりました。今回の二突開発では同じ轍は踏まないようにうまく事を運んで貰いたいと思います。まずは市場調査の結果発表となる8月末を待ちたいところです。
新港第2突堤・その基部の再開発に関するサウンディング型市場調査の実施
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク