神戸市は「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」等の人気アニメを制作するシンエイ動画株式会社が神戸市内に新スタジオを開設すると発表しました。同社が東京本社以外に制作拠点を置くのは初の試みとなります。
「シンエイ動画神戸スタジオ」が開設されるのは、旧居留地・海岸通のシップ神戸海岸ビル13階です。「神戸市オフィス賃料等補助制度」の適用案件として、5月2日付けで事業認定が行われました。事業開始は今年9月1日からの予定です。
神戸市内のアニメ制作スタジオと言えば、こちらも神戸市が新長田の活性化策として開設した「アニタス神戸」があります。
少し前に神戸新聞が、コロナ禍の中で新たなオフィス拠点を置く候補に神戸を選択肢に挙げる例が増え、実際に神戸市の「神戸市オフィス賃料等補助制度」の利用案件が増加している事を報じていました。
コロナ禍で首都圏への人口流入に歯止めが掛かり、東京で人を集めるのが困難になりつつあり、地方でも学生の多い大都市に拠点を置く事で対応しようという動きが、特にIT企業を中心に出てきているようです。その中で、神戸が良好な選択肢となる理由は、①学生数が多い ②オフィス賃料が比較的安価 ③神戸市の家賃補助やサポート制度が手厚い等が奏功しているようです。また空港や新幹線、道路網等のインフラが整っている事もこれらを補完している事でしょう。
シンエイ動画も関西圏の学生や人材を獲得できる点、神戸の家賃補助やオフィス賃料に惹かれて、今回の神戸拠点開設に至ったと思われます。しかし開設された拠点が、新築の関電不動産神戸三宮ビルやGLIONアワーズビル内でなかったのは少し残念です。
既存ビルの空きフロアが埋まる事も良い事ですが、やはりステータス性の高い新築ビルに話題性の高いテナントが進出する事で、他のデベロッパーや地権者にも開発意欲をもたらすものと思います。良いビルを建てると、良いテナントが入ってくるという構図を構築しなければなりません。
やはり新築ビルのコストがネックとなるなら、まだ神戸が進出先の選択肢となる為のブランド力に欠けるという事です。企業進出が盛んになる事は非常に喜ばしいですが、真っ先に新築ビルのテナントが埋まっていく都市になる事が必要です。
シンエイ動画が神戸スタジオを開設 オフィス誘致が軌道に乗り始めている?
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市長がリノベ好きですからね。既存の旧式ビルが埋まれば大喜びするんでしょうね。まあ令和の上杉鷹山を気取ってるんでしょう。
アニメ関連の企業は人気ですがブラックなのは有名ですから助成目当てでないことを期待します。うまく舵取りしてほしいですね。
おまけですが、神戸は六甲山上にオフィスを誘致する「六甲山上スマートシティ構想」を進めていますが、バイデン大統領が唱えた「オフィスに帰ろう運動」の影響か、東京ではすでにオフィス回帰の動きが出ています。
今後、オフィスの行方はどうなるんでしょうかね?
オフィスの規模とランクが問題じゃないでしょうか?
貸室のフロア面積が、大企業や有力ベンチャーのニーズと会わず。元々想定する賃貸先が定まっていない…よく言えばフレキシブルな対応…なので、結果、中小企業向きになっているのでは?、有力企業は、いま動かず、すでに具体化しているバスターミナルビルやJR駅ビルかうめきたあたりを移転先と考えるでしょう。
神戸市は再開発は進んでいますが、他都市のように複数のビルを集約して大規模ビルに建て替えるのではなく各々のビルの単体の建替えにに留まっておりこれでは有力企業の誘致も難しいように感じます。
この10年間くらいの都市政策は間違いだらけで神戸市の可能性・成長の芽を摘んでばかりだったと思います。
コロナも収束に向かう中、今一度都市政策を練り直し将来に向けて努力すべき時だと思います。