その他都心プロジェクト

播州信用金庫三宮支店跡地の再開発について考える

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三宮町1丁目・三宮中央通りにあった旧播州信用金庫三宮支店。向いに神戸本部ビルが建設され、移転開業後、同支店ビルは解体されて駐車場として暫定利用されています。元々は大和銀行の店舗ビルだったこの地。北は三宮本通り、南は中央通りに面した一等地です。

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この低利用地の再開発と有効的な活用策を早急に模索し、都心商業の活性化をぜひとも早期に図りたいものです。土地の敷地面積は近接するクレフィ三宮の同規模でしょうか。この場所にはやはり商業ビルの建設を望みたいところです。

有力な候補してはJフロントリテイリング傘下のパルコが運営する小中規模商業ビル「ゼロゲート」。

パルコによると、”「ゼロゲート事業」は、国内店舗開発における事業戦略の一つで、都心部一等地の中低層商業施設において、その立地の良さを活かし、事業規模に応じた効率的運営を実施する、当社の新たな事業モデル”とのこと。

現在、同社はパルコ進出済へゼロゲートの新規追加投資を強化しています。2011年の渋谷店を皮切りに、昨年、心斎橋PARCO跡地を再開発したゼロゲート心斎橋の他、道頓堀、広島と一気に3店をオープン。

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今年は名古屋PARCO西館向かいに名古屋ゼロゲートを開業する予定です。延床面積7500平方メートルとこれまでのゼロゲートの規模では最大となります。

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更に今後、札幌パルコ新館を再開発し、ここにゼロゲートを中核とした新たな商業ビルの建設を計画。2016年の開業を目指しています。

2014~2016年度のパルコ中期経営計画によると、国内の店舗開発においては首都圏、関西圏の未出店エリアの拡大を掲げています。ゼロゲートのみならず、パルコ本体の投資強化も推進しており、福岡パルコの開業に続いて同店の増床、新館の追加、仙台パルコ新館等、積極的な出店攻勢を計画しています。商業ビル開発でここまで攻めの経営方針を貫いているのは他にイオン位でしょうか。

2014-2016年に設定された目標を読み解くと・・・

≪3年間の開発目標≫
・パルコ型・新業態(増床・別館) 4件
[福岡パルコ新館(仮称)・福岡パルコ増床・(仮称)仙台パルコ新館ほか]
…開発エリア:未出店政令指定都市(特に都内・横浜・京阪神)・都心型店舗周辺
・ゼロゲート事業7件
ゼロゲート:5件(名古屋・札幌ほか)] [PM展開:2件]
…開発エリア:都心一等地・パルコ基幹店周辺・都心生活圏
・既存商業施設の業態転換による店舗開発についても検討

とあります。

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未出店政令指定都市である神戸はゼロゲートではなく寧ろパルコ本体の出店可能性をより持っていると言っても過言ではありません。ちなみにパルコの未出店政令指定都市が今、どれだけあるかと言うと・・・

横浜、川崎、新潟、浜松、京都、神戸、堺、北九州の計8都市ですが、特に特に都内・横浜・京阪神という注釈に限定すると横浜、京都、神戸、堺に絞られます。この中で堺への出店は考えにくいので、横浜、京都、神戸が選択されます。神戸は同じく関東地盤のファッションビルであるマルイが関西進出の足掛かりとして選らんだ地。京都への出店可能性も色濃く残りますが、どちらが先にしてもマルイと同様にいずれは関西三大都市への出店が想定されます。

但し、まずパルコ本体が進出となると、この土地の敷地面積ではいささか役不足かもしれません。となると、本命は中央通りを挟んで向かいのダイエーリビング館跡地(現コインパーキング)。これまでゼロゲートは既存のパルコ基幹店の隣接地に追加投資の形で出店しています。従ってダイエー跡にパルコ、播信跡にゼロゲートといったセット型が理想の進出の形かもしれません。

とまあ、勝手に妄想を語った訳ですが、数年前の新聞記事でもパルコの神戸進出構想は示唆されていましたし、進出場所は違えど、あながちそう遠くない未来に現実になるかもしれません。伏線は阪急新駅ビルの商業フロアにゼロゲートかも?

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おまけですが、三宮中央通りの宮内三宮ビル1-2階部分が解体されて長らく手付かずの状態でしたが、いつの間にか新しいお店が新装開業していました。

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出店したのはカンタベリーショップ神戸。2号線沿いの近代建築「海岸ビルヂング」に入居していた同店がより利便性の良い中央通りに移転開業しました。



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POSTED COMMENT

  1. 夢想家 より:

    中央通は立地、道幅とも神戸のファッションストリートとしてのポテンシャルは十分備えていると思いますが、センター街や旧居留地に挟まれその影はやや薄いといえるかもしれません。ケーニヒスクローネのホテルができ、華やかさが少しできたように思いますが、やはりラウンドマークになる様な大型商業施設がほしいところです。
    特に、トアロードと鯉川筋に挟まれた三角州のような地帯は、小規模な商店が連なり神戸らしいといえばらしいいのですが、高度利用がされておらす大丸前という一等地にもかかわらずもったいないです。
    一体開発でHEPナビオのような、船をモチーフにしたシンボリックな大型ビルを建てたらあの界隈の景観も一変するでしょうね。

  2. しん@こべるん より:

    夢想家さん

    あの大丸前の三角州ではかつて一度、再開発が試みられたようですが、一地権者の同意が得られず、流れてしまったそうです。日本の再開発は難しいですね。ナビオのような建物ができると素晴らしいと思います。大丸前のスクランブルは神戸の顔の一つですね。

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