県庁に程近い中山手4丁目の安田不動産中山手ビル跡地で建設中のプロジェクト「中山手4丁目計画」。安田不動産は同社所有のオフィスビルを新しいコンセプトを採用した賃貸住宅へと建替える計画です。これまで旧ビルに置いていた同社神戸支店は旧居留地の新クレセントビルに移転し、関西支店に名を改めています。
安田不動産はここに地上14階建ての賃貸マンションを計画していますが、その街の活性化を考えている安田不動産のような会社がごく普通の賃貸マンションを手掛けるはずがありません。『音楽好きな人のためのコミュニティ賃貸マンション』 をコンセプトとしたオリジナリティ溢れる賃貸住宅となる予定です。
各個室は通常の賃貸マンションと同様にプライバシーが確保されていながら、充実した共用部を設けることで共通の趣味や仕事を抱える居住者同士の交流が広がる事が期待されます。ジャンルは違えど、ある意味、現代版トキワ壮のようなコンセプトです。
共有部の詳細は以下です。
『音楽スタジオ』1 室 約 15 ㎡
防音室を完備し、スピーカー等の設備を備え、楽器の個人練習や複数人での練習、バンド演奏ができる部屋。
『AV ルーム』 2 室 各約 10 ㎡
プロジェクターを完備し大音量で映画やライブ映像等を楽しめる防音室。楽器の個人練習の場所としても使用可。
『ラウンジ』 約 80 ㎡
ソファや大型 TV を設置し、入居者が気軽に集まり団欒できる場所。IH の簡易キッチンを設置し、入居者同士のパーティーや音楽関係の各種イベントが実施できる場所。
建物概要
用 途: 共同住宅(賃貸マンション) 84 戸
建築面積: 292.29 ㎡(88.41 坪)
延床面積: 3,157.58 ㎡(955.16 坪)
階 数: 地上 14 階建
構 造: 鉄筋コンクリート造
設 計: 松田平田設計
施 工: 松村組
竣工予定:2015 年 9 月(予定)
新ビルの建設工事は順調に進行していますが、まだ上棟には至っていません。
同社が保有するオフィスビルを賃貸マンションに建て替える背景には神戸都心におけるオフィス市場・需要の縮小があります。JR線駅から離れた中山手地区でのオフィスビル経営はかなり厳しいようです。同様の街の用途変換はこの10年、栄町通、加納町、布引町、磯上通で顕著になってきました。山手エリアにも波及し始めているという状況です。ごく最近でもトアロードにあった明治安田生命三宮ビルが和田興産によって取得され、分譲マンションに建替えられています。
しかしながらこうした特徴のある賃貸マンションが増えれば、色々な輪が広がりそこから文化的に何か面白い事が起きる可能性も高まります。音楽に限らず様々なタイプの趣味を持った人同士の交流が深まる賃貸マンションのシリーズ化が可能であれば、神戸の新たな街の魅力として注目を集めそうです。
中山手4丁目計画
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松田平田設計の大阪支店は随分前からありますが、大阪ではレジの設計はほとんどやっていないと思うので楽しみですね。
ところで中山手通では、生田神社隣のホテルモントレアマリーが解体中です。3月に閉館して、建替えて「ホテルモンテエルマーナ神戸」として、来年秋のオープンとなっています。
事業主・運営者も変わるようですね。パースが掲示されていましたがビジネスホテルのようです。設計施工は、ホテルケーニヒスクローネを手掛けた大本組ですね。アマリーの壁の雰囲気が好きだったので少し残念な感じもします。
sirokumaさん
ホテルモントレアマリーの解体工事はGW中に確認してきました。近日中に取り上げたいと思います。事業主の山王エステートはマルイトのグループ子会社のようですね。
情報ありがとうございます。
HPに、”MONTEREY(モントレ)とは、スペイン語で「山の王」を意味します。”って書いてありますね。
山王エステートで、西成の山王を思い浮かべたトホホな想像力です。(笑)