中央卸市場跡地

中央卸売市場西側跡地にイオンモールが進出

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ビッグニュースが飛び込んできました。中央卸売市場西側跡地にイオンモールが進出します。

映画「ガンツ」のロケが敢行された同市場跡地。現在は更地となり、エリア活性化の起爆剤として市が跡地活用事業者募集を入札方式で行ったのが2月。二事業者が申込を行い、イオンモールが売却額45億円で購入することになったそうです。

イオンモールと言えば神戸阪急跡及びモザイク等、ハーバーランドの中核施設の再開発に着手したばかりです。

中央卸売市場西側跡地は37,384.82平方メートル。ここに鉄骨4階建て(延床面積9万3000平方メートル)の建物を建設。イオン直営スーパーと専門店街からなる売場面積5万6000平方メートルの商業施設を開設します。

特徴としては隣接する中央卸市場から仕入れる新鮮な食材を楽しめる店を集め、市場跡地を意識して「食」をテーマとした施設とし、神戸スイーツ店の集積も図ります。また敷地西側に面した兵庫運河沿いにはプロムナードを整備、オープンカフェも併設され、地下鉄海岸線沿線の目玉施設となる予定です。

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市場跡地の活用と再開発を巡っては、市は食をテーマとした商業施設誘致の方向で検討を行なっていましたが、まさかここまでの大規模施設であり、イオンのショッピングモールとなることは予想外でした。利用客の伸び悩む海岸線の利用増を図るために大型集客施設を誘致したいという市の思惑が明確に表れた計画です。これを機に周辺エリアの開発が大きく進み、沿線人口の増加も大いに期待できます。

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和田岬地区では地下鉄開通後も期待程のエリア活性化は進まず、ましてや最近では工場撤退や閉鎖が相次いでおり、今後の在り方が問われている状況です。ホームセンターのコーナンも昨秋、バンドー化学神戸工場跡地に大型商業施設を開業を決めました。

今回、イオンモールが進出するのはI期地区と設定されており、南側にII期地区がまだ残されています。恐らくここは集合住宅の建設が行われるものと推測しますが、利便性向上によって地区の人気が高まることも期待できます。

こうした大きな影響を与える可能性を持つ今回のイオン進出ですが、ひとつ気になるのは目と鼻の先にあるハーバーランドとの関係です。イオン側はハーバーを非日常を提供する施設に、旧市場跡を日常をメインとした施設にする事で、棲み分けは可能としています。しかし売場面積が5万平方メートルもある施設が日常用品のみを販売するには面積が大き過ぎます。産経新聞には高齢者向けという報道もされていますが、数年前に同じくスーパー準大手のイズミヤがハーバー店とポーアイ店をほぼ同時開業したことが頭を過ぎりました。

こうした郊外型モールはファミリー層の集客を得意とします。ハーバーの活性化の方向性の一つがファミリー層へのアピール拡大とされている事を考えると、競合してしまうのではないかと心配です。

市として海岸線沿線の活性化策を講じるのは当然ですが、本格的な再生を遂げようとしているハーバーに水を差さないようイオンとの調整をしっかりと行なって欲しいと思います。イオンも勝算あっての今回の投資かと思いますので、棲み分けに対してどういった工夫が行われるのか注目です。

しかしながらイオンの出店拡大は留まることを知りませんね。



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POSTED COMMENT

  1. 淀屋 より:

    早速詳細な計画を載せていただき、ありがとうございます。
    予想より規模が大きく、300億近くの売り上げ目標のSCですから、ハーバーのみならず中心部にも影響を及ぼすでしょう。なにせ車アクセスがハーバーより格段に良く、ダイレクトパーキングの無料駐車場となれば、尚更です。※日経では960台と少ないので有料にするのかとも思う、5万クラスなら3000台である。その点で失敗の可能性もある。あの場所は車中心である。横は新長田より西の方が商圏が良く、縦は海側なしで、地下鉄より山側が主力商圏。いずれも車しかアクセスはない。地下鉄も新長田から中央市場前が商圏でハーパーから東は来るはずがなく、沿線人口は少なく高齢化でSCの対象客数は少ない。その辺をどうとらえているのか注目したい。300億の売上で食品で50~60億、他は衣料、雑貨、飲食でスポーツや電機の大型店が入るケースがあっても中心は流行の衣料・雑貨です。当然客層は20台後半、30代、40代前半までのファミリーです。高齢者は広い売場は敬遠します。兵庫区は高齢化の一方、マンションにヤングファミリーが流入しており、都心への流失からイオンモール利用に変わる可能性が大です。但し市の思惑とは別に車客が当然中心です。地下鉄は大して増えないでしょう。電車なら三宮に行きます。兵庫区、新長田区全域と須磨区の旧市域が商圏となり、SC空白地帯ですから車アクセスを主とすれば大成功とみます。イオンモールなら一日ゆっくり過ごせます。但し日経の記事の駐車台数が真実なら厳しい。

    ハーバーに関してはイオンモールはヤング主体と発表していましたので、イオンのリーシング力を信じるしかないでしょう。またヤング中心のコムサが健闘していますから、ヤング対象の個性的な有力店を集積し、神戸一の売場にすれば復活するのではと期待する。
    それ以上に地元商業の新長田地区などは大変です。時代の流れとはいえ、再開発の失敗の上に更にダメージですから気の毒です。

  2. うべっち より:

     あそこにできますか。買い物客の立場なら、ものすごく楽しみです。昔、つかしんができた時何回か行きましたが、あの衝撃は今も覚えています。例えが、古すぎますかね。
     ロードサイド店も、近辺に色々と出店するでしょうから、街並みが一変しますね。 ただ、全国どこにでもある画一的な街並みになるかも。車で来れない客にはネットスーパーで当日配送もするでしょうから、既存の商店街、スーパーから客を奪うのは目に見えています。イオンモールだけ栄えて、地元商店街が陥没する事が心配ですね。
     また、ハーバーランドの観光以外の商業施設としての存在理由も無くなってしまうと思います。交通の利便性はこちらが圧倒的に便利ですし、施設の規模も違いますから、わざわざハーバーランドに行く意味が無くなるのでは。そのためのアンパンマンミュージアムだったのかなと思ってしまいます。
     

  3. まとめtyaiました【中央卸売市場西側跡地にイオンモールが進出】

    ビッグニュースが飛び込んできました。中央卸売市場西側跡地にイオンモールが進出します。映画「ガンツ」のロケが敢行された同市場跡地。現在は更地となり、エリア活性化の起爆剤と…

  4. 翔@KOBE より:

    これは僕もびっくりしました。ハーバーにつくるのにこの規模はでかくないかと。
    新長田はただでさえダメなのにとどめをさされそうですね。
    それはそうと数日前に神戸市営地下鉄で自動放送が導入されました。地下鉄では珍しい肉声放送だったので残念でもありますが、聞き取りやすいし、英語放送も流れるしなんか新鮮です。

  5. しん@こべるん より:

    淀屋さん

    設置駐車場台数は地下鉄利用客増加の市の思惑によって条件が規制されているのかもしれませんね。沿線直結となる新長田はやはり厳しいです。このタイミングで大丸が撤退するのはイオン進出を見越してという点もあったのかもしれません。退店跡の後継テナントがこれをどう読むのか。一部高齢者向けと報道されていましたが、5万㎡の店舗ですから恐らくファーストリテイリング系アパレルやABCマート、ライトオン等は当然出店するでしょうし、ワールド系ブランドはどう出るか。無印なんかも入居するのではないでしょうか。沿線のマンション開発には拍車が掛かるかもしれません。岬公園周辺の分譲マンションの売行は好調です。富士通テンが購入した広大な土地も売却されて大規模住宅開発の対象になるかもしれません。ハーバーとの共存方向でエリアが発展してくれればと思います。

    うべっちさん

    地元商店街は大きく影響を受けるかもしれませんね。新長田もさることながら一定の集客を得ている湊川エリアも今後、街の高齢化が進むと厳しいでしょうし。ただこれも時代の流れか、淘汰を受けて初めて新たな開発に着手できるという道もあります。あの市場的な昭和な雰囲気は代えがたい物がありますが・・・。

    翔@KOBEさん

    自動音声になったんですね。新神戸に行く以外、滅多に地下鉄に乗らないので知りませんでした。海外からの観光客には嬉しい配慮ですね。

  6. 淀屋 より:

    地下鉄終点直結の大阪府大日イオンモール売場8万㎡で2200台の駐車場がある。終点だからバスターミナルがある。それでも駐車場待ちで道路に車があふれ大混雑。大日と違い商圏は半円だから客数予測も少ないし、都心が近いので売上予測は標準以下の200億くらいとみての判断か、神戸市の要請を受けての判断か。
    県内ではイオンモール明石店5万㎡はJR大久保駅直結の駅前であるが3200台の駐車場がある。乗降客数は大久保駅の方がはるかに多い。
    和田岬ではオープンと土日は大変なことになりそうである。旧サティジェームス山店売上100億で1500台駐車場に仮設駐車場があっても、オープン時は何時間待ちであった。オープンをどうさばくのか、和田岬ニトリは別の仮設駐車場も準備したが、当然二期用地は仮設駐車場とするしかない。
    その後の土日も問題である。一気に大渋滞の道路に変わる。環境問題が噴き出る。そういう問題がわかっていての計画かもしれない、そうでないとあまりにもおかしい。

    オープン後の業績と来店手段次第で二期もイオンが取得する可能性もある。そのために同時開発しなかったのではないか。
    いずれにしても周辺は住宅地として注目されるのは間違いがないので、神戸市としては良い。そして思い切って運賃はJR並みにするのと将来大阪市同様民営化して山手線は阪急と、海岸線は阪神か北神急行と乗入すればさらに価値が高まる。あるいは新長田での山手線、海岸線の相互乗り入れとか。とにかく今の海岸線は利用しづらい路線である。ハーバーから東はJRの駅から歩けばよく、西はサッカー場以外山手線やJRから乗り換える目玉はない。イオンモールが乗り換えさ目玉であるかといえばノーで三宮に行く。それは都心に近い京都五条や広島府中で証明されている。当然車客が中心となる。車で行けるからモールは値打ちがある。

  7. しん@こべるん より:

    淀屋さん

    モール利用者の大半が車で乗り付けるファミリー層であることは確実であるが故、ハーバーとの競合も考えた上での措置とも考えられるでしょう。規格が異なる海岸線と山手線の乗り入れは難しいと思います。和田岬線の廃線でどれだけ通勤客が増加するかにも要注目です。沿線は三宮/元町への通勤には非常にアクセスが良いエリアではあります。沿線の利便性向上による住宅地としての価値が高めることで、沿線人口を地道に増やしていくしか道はありません。

  8. 大阪淀屋 より:

    こべるん様

    教えてください
    地下鉄西神線と海岸線はウィキを見る限り、軌間1435mm、電圧1500V架空電車線方式直流は同じですが、なにが違うのでしょうか。

    ただ神戸市の計画には海岸線の新神戸への延伸はあっても西神線への乗り入れはなく、西神線の単年度黒字に対して大幅赤字ですね。
    神戸市内の山電沿線の海側や垂水、舞子周辺の各駅停車駅でもJR駅へ流れており、海岸線も同じ現象で沿線にマンションが建っても抜本改革がない限り単年度黒字化は至難と見ます。

  9. mira より:

    横槍失礼致します。
    仰る通り軌間等は同じですが、海岸線は鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄(大阪ですと長堀鶴見緑地線・今里筋線が同様の方式です)、
    となりまして山手・西神線に比べてトンネル断面積が小さく、
    また車両の高さ・幅なども地下鉄と比べると一回り小さいです。
    この為、相互乗り入れは技術的に不可能かと思われます。

  10. しん@こべるん より:

    >>miraさん

    ご解説ありがとうございました。

    >>淀屋さん

    miraさんの解説の通り、海岸線は大きさが異なるどちらかと言えばフル規格と比較して建設コストの安い地下鉄ですが、それでも赤字ですね。。。東方向はそのまま直進して、HAT神戸経由で快速停車駅の六甲道に乗り入れたらそれなりの利便性は増すのでしょうが、新神戸延伸は??な構想ですね。

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