こべるん ~変化していく神戸~
三宮バスターミナル計画

宇都宮東口再開発事業から考える三宮バスターミナルビル

utsunomiya01.jpg

餃子の街としても有名な栃木県の県都である宇都宮市。関東地方ではありますが、北関東は南関東のような首都圏としての一極集中の恩恵は受けていないので「衰退」という全国他地方都市と同じ問題に直面しています。人口は北関東最大の約52万人。また宇都宮都市圏は政令指定都市を除く都市圏として日本最大である他、同市は「住みよさ」を順位付けする「東洋経済新報社」の調査で、人口50万人以上の全国28市のうち5年連続で1位を獲得しており、積極的に都市開発を進めて、衰退問題に取り組んでいます。特に新規敷設としては全国初の路面電車、いわゆる「LRT」の導入を進めており、その攻めの姿勢は中心駅となるJR宇都宮駅前の再開発にも表れています。

前月、宇都宮市が計画を進めてきた宇都宮駅東口地区整備事業の民間事業協力者として優先交渉権者が野村不動産を中心とする企業グループ「うつのみやシンフォニー」に決定したと発表されました。

宇都宮駅東口地区整備事業はJR宇都宮駅前の一等地である敷地面積2.3ヘクタールの中央街区と南街区0.4ヘクタールを併せた計2.7ヘクタールの大規模再開発事業です。現在は駐車場(一部店舗)として暫定利用されています。

LRTの起点駅はこの再開発エリアに開設されるので、LRTとセットとなった宇都宮市最大の肝入りプロジェクトとなります。

優先交渉権者への公募型プロポーザルにはうつのみやシンフォニー以外にも3グループから応募があり、最終的には3者コンペになりました。プレゼンテーション審査を経て、選定委員会で最終的にうつのみやシンフォニーが選出されました。

utsunomiya03.jpg

こちらがうつのみやシンフォニーによって提案された計画概要です。商業、業務、宿泊、コンベンション、住宅、公共施設、高度医療施設、交流広場等、複合機能を有した複数の建物を配置する内容です。事業方式は民間の企画力や資金を活用するPPP(公民パートナーシップ)で実施されます。

これにバスターミナル機能を足せば、三宮で計画されている雲井通地区再開発にかなり類似してきます。事業敷地面積も中央街区のみであれば肉薄しています。

超高層ビルとなる中央街区の25階建て複合棟の上層部には都市型ホテルの誘致を検討していますが、タイの大手デュシット・インターナショナルの最高級ブランドあるデュシタニの誘致を調整中。14階建ての中層棟上層部にもカンデオホテルズが誘致され、再開発エリアに2ホテル体制が構築されます。

utsunomiya02.jpg

この事業の最も特筆すべきは中央街区のど真ん中を陣取る公共施設です。

地上4階建てのコンベンションホールには2000席の大ホールや700席の中ホール、大中小会議。加え3階建ての交流広場はコンベンションホールと連続性を持たせ、バスケットボール大会や新車展示会などの屋内外を活用した一体的なイベント開催を行う事が可能となります。また駅から伸びる東西自由通路や新設されるLRTの停留場にも直結。巨体な水盤整備や広場の緑化も行われて、立体的な賑わい空間が出現する事になります。この広場の設計にはあの東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場を手掛けた隈研吾建築設計事務所が参画。

交通・交流・商業・業務を組み合わせた一大拠点となる宇都宮駅東口地区整備事業は宇都宮の都心活性の切り札として来年度2019年に始動、2022年に供用開始を予定しています。全体の事業費は387億円(土地取得額を含まず)。

翻って三宮ですが、バスターミナル1期ビルが建設される雲井通5丁目では準備の為に再開発会社が設立されました。

https://kumoi-redevelopment.jp/topicslist/106
雲井通5丁目再開発株式会社公式サイト

民間事業協力者の公募型プロポーザルの募集はもうまもなく締め切られ、約1ヶ月後の9月上旬には優先交渉権者が決定予定です。

バスターミナルビルの低層部屋上も緑化や庭園整備が期待されており、三宮図書館や文化ホール等の公共施設との連携性をどう図るか、どのような独自性や先進性を付与するのか。

都市間競争が熾烈を極める中、中核市の宇都宮にこれだけ内容の充実した再開発ビルが出来るのですから、三宮では規模だけでなくその内容についても素晴らしい事業提案のある事を願いたいですね。三宮に誘致する外資ホテルも欧米系だけでなく宇都宮のようにアジアの有力ホテルも視野に入れたいところです。できればシャングリラやマンダリンオリエンタルの関西初進出の実現も選択肢として欲しいです。ホテルの存在がインバウンド需要を高める側面もありますので。

以前にも一度取り上げましたが、バスターミナル整備を中核とした熊本の桜町地区再開発もデザイン性、インパクト、規模を含めて素晴らしい内容です。

https://www.kyusanko.co.jp/sakura_redevelopment/
熊本 桜町地区第一種市街地再開発事業

完成後には宇都宮も熊本もぜひ一度、見に行きたいものです。宇都宮はみんみん餃子を食べに行くだけでも価値があるかと思います。



関連記事

POSTED COMMENT

  1. 国道電車 より:

    神戸市東灘区出身、現在、栃木県在住の者です。
    神戸と比べると栃木県、宇都宮市など比較対象外の田舎だと思っていましたが、近年の神戸の元気のなさを見ると宇都宮駅東口の再開発程度でも三宮再開発の参考になってしまうのか?複雑な気持ちです。
    私の高校生の頃からほとんど変わり映えのしない三宮(それでも宇都宮の中心街に比べればはるかに賑わっていますが・・)、やはりダイエー等の三宮を牽引していた企業がいなくなったのが大きいのでしょうか?

    東播の友人が「最近の若い連中は、神戸を通り越して大阪に遊びに行く」と話してましたが、神戸の金城湯池である東播までがそんな状況とは、本当に寂しい限りです。
    神戸市のお役人は、時代錯誤の規制などやめて、もっと危機感をもって、街づくりに取り組んでほしいものです。

  2. しん@こべるん より:

    栃木にもこのような開発が進むのですから、神戸は余程、気合い入れてやらないと、違いを出さないですね。他所から来てもふーんで終わってしまいます。神戸以西の人々が神戸パッシングを始めたら神戸は終わりですね。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です