芦屋

JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業

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ウォーターフロント地区では豪華リゾートホテル「芦屋ベイコート倶楽部」が完成している芦屋ですが、その中心市街はJR芦屋駅周辺に位置しています。駅北側を中心に早くから再開発が進みましたが、南側はご覧の通り低層建物が密集し、高級住宅地として名高い「芦屋」のイメージとは程遠い駅前です。

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数十年前から再開発の必要性が叫ばれていましたが、実現せずに放置されていました。駅前には小さなロータリーも併設し、一応、タクシー乗り場があります。

この北側とのギャップを打開する為、地元地権者と芦屋市はJR芦屋駅南地区まちづくり研究会を発足。更にはJR芦屋駅南地区まちづくり協議会に組織改編して、本格的な再開発を進める準備を整えてきました。そして昨年9月に再開発の事業協力者を公募したところ、大手ゼネコン・デベロッパー各社から成る7グループからプロポーザルがあり、最終的に竹中工務店と東急不動産のJVが協力者に決定しました。

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同JVが提案した計画が上記のイメージパースです。低層部に商業・公共施設を共有した地上11階建てのツインタワーの共同住宅をメインとする延床面積15,000平方メートルの複合再開発ビルで、駅舎とは円形型のペデストリアンデッキで接続し、歩車分離を行います。駅前広場や周辺道路も再編して開放感のある駅前空間を創出。この提案をそのまま採用するわけではないとしていますが、基本形は大きく変わらないと思われます。

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南側の再開発と合わせて芦屋市はJR西日本に芦屋駅の改良を要望してきました。JRもこれを受け入れ、大規模な改良工事を実施する計画です。

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ホーム上に新たに橋上駅舎を増床し、現在、北側から南側を一直線に抜ける駅舎内の自由通路を反L地型に変更。駅長室や店舗、駅後方施設の配置を再構成し、駅ナカを充実させます。また南北の階段やホームと駅舎を結ぶ階段にエスカレーターを新設。駅舎内外の美装化を図り、利便性の向上と賑わいを高めます。

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芦屋駅の北側は80年代から再開発が始まり、駅前には次々と再開発ビルが建設されました。

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ラポルテと名付けられた複数のビル群は商業施設と共同住宅から構成されています。

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大きな駅前広場が整備され、駅舎と再開発ビルは全て縦横無尽に広がるペデストリアンデッキで接続されています。

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またJRも再開発に合わせて本格的な駅ビル「モンテメール」を建設。大丸芦屋店が中核テナントとして営業しています。

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いささか建物の老朽感は否めませんが、市域が狭く、人口も10万人に満たない都市の玄関口とは思えない程、風格ある駅前空間が広がっています。

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再開発ビルも山手に向かって複層に渡って建設されています。町田や立川等、首都圏のベッドタウンの駅前を彷彿とさせる景観です。

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駅前の商業地区を離れると落ち着いた街並みが広がります。

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JR芦屋駅の一日の乗降客数は約56,000人。新快速、快速停車駅として多くはありません。しかし尼崎-三ノ宮間の普通電車のみ停車する駅の利用者の乗り換えは多く、戦略的な新快速停車駅です。

兵庫県内の各都市での中心駅前再開発が活発です。姫路や明石等、播磨地区が先行していましたが、阪神間でも芦屋、西宮で新たな再開発プロジェクトが始動します。



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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    JR芦屋は線路を挟んで山手と浜手で差があり過ぎましたから良い事とは思いますが、この都市計画が芦屋市行政の限界を表しているんじゃないでしょうか?
    もちろん都市計画には各都市の個性があっても良いと思いますが、駅南には既に同規模のマンションも複数点在しており11階建では眺望も今一つでしょう。
    ここは都市計画を変更してでも超高層化すべきであったと思います。あまり知られていませんが、JR芦屋付近はウォーターフロントからみると結構な高台で大阪湾を眼下に神戸市域から大阪市域をへて対岸の空港付近まで見渡せる大パノラマを楽しめます。
    どうせなら駅前で将来の芦屋市にとりシンボリックな開発を目指しその土地の持つポテンシャルを最大限に引き出すような開発をして欲しいと思います。勿体ない、それが正直な感想です。

  2. ハコモノ行政 より:

    狭い敷地に紋切型の駅前再開発を無理矢理押し込んだように思えますね。
    1階が店舗なのはいいとして、2・3階の店舗公共は必要でしょうか?
    駅の北側では足りないのかな?
    ペデストリアンデッキも、わざわざ輪っかにせず「陸橋」レベルでいいのでは?
    そういうコストを住宅部分に振って、「駅前低層高級マンション」にする方が
    駅北と棲み分け出来ると思うのですが・・・

    まあ、地権者持ち分住宅の絡みで制約があるのかもしれませんが。

  3. ロッコーマン より:

    芦屋市は市役所ロゴの標識まで広告条例に引っかかると取り外そうとする都市なのでこの再開発案が限界でしょう。
    山手市民は私たちとは違う人種だし、海岸部ぐらいしか大型開発はできないでしょうね。
    JRの新快速停車駅なのにデベロッパーは残念がっていることでしょう。
    わたしは灘区の住民ですが、JR六甲道駅にはメイン六甲という駅ビルがあるのをご存知でしょうか?4年前に耐震工事をしていますが、もう築45年です。
    駅周辺は副都心として再開発されてウェルブ六甲道など2棟のタワマンが建設されています。
    新長田とは違い、六甲道駅周辺は賑わっていますし、高度地区規制がないので、ぜひこのメイン六甲を建て替えてトリプルタワーにして欲しいです。

  4. なあ より:

    芦屋はあほな成金のせいで廃れていくだけ。
    住みたい街一位からもとっくに転げ落ちて、西宮や三宮にも負け、それでもプライドだけは高いまま。
    保育園などの建設も反対するから、若い夫婦は敬遠する。
    あかんでしょ、ここは。

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