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遂に神戸市は神戸市役所本庁舎2号館再整備事業者の公募を発表しました!コロナ禍によって、一旦は策定された基本計画の内容見直しを目的として、有識者による神戸市役所本庁舎2号館再整備事業者選定委員会が設立されました。同委員会で1年・計6回の協議が行われましたが、この間に音楽専用中ホールの2号館跡での整備を断念し、代わりに雲井通6丁目のバスターミナルII期ビルに多目的中ホールを整備する形に計画が変更されましたが、これは選定委員会で決められた事ではなく、神戸市が別途に方針変更を行なったものです。よって1年を費やしたアフターコロナにおけるこの再開発の在り方についての協議は特段といった成果もなく、悪戯に時間を浪費しただけと言えます。兎にも角にもようやく民間事業者の公募に至る事で、神戸三宮阪急ビル、バスターミナルビルに続く第3の起爆剤として、JR駅ビルの建設中断によって停滞感の強まった三宮再整備の勢いを再び盛り返して欲しいところです。
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再整備基本計画のおさらい
公募内容
庁舎機能について、市が求める機能確保及び効率的な計画とともに、市への譲渡価格の提案を求める。また、⺠間事業者の創意工夫のもと、周辺まちづくりに寄与する魅⼒的な施設計画や、自ら運営するにぎわい機能の具体的な提案を求める。
<庁舎機能にかかる提案>
・庁舎機能部分の施設計画及び価格提案(残存施設解体業務含む)
<施設全体及び⺠間機能にかかる提案>
・「新庁舎・にぎわい施設」の全体施設コンセプト及び計画の提案
・⺠間が運営する集客機能及び商業機能の提案
・市営三宮駐車場歩行者通路(地下)の再整備にかかるコンセプト提案
規模
庁舎機能は約15,000 ㎡(機械室・駐車場等を除く)を確保するとともに、⺠間機能については、法令に基づく規定及び下記数値を参考にしながら、適切な規模・配置の提案を求める。
<想定規模>
公共庁舎機能(市⺠利用空間を含む) 約15,000 ㎡
⺠間 にぎわい・集客機能 約21,000 ㎡
にぎわい・商業機能 約 7,000 ㎡
共用等 駐車場・機械室等 約12,000 ㎡
・国内外からの集客・交流の促進に寄与する⺠間機能を導入する。
・低層部では、周辺ににぎわいが滲み出るような機能を導入する。
・税関線側は、歩行者のメインエントランスを配置するとともに、屋外との一体的な利用を想定し、街とのつながりやにぎわい形成を図る。
・市⺠や来街者が利用しやすい場所にフレキシブルで多様な使い方ができる居⼼地のよい屋内公共空間を新たに設け、市⺠の交流促進や情報発信等を図る。
・旧居留地の景観まちづくりと協調し、税関線沿道の景観形成を牽引するような施設デザインとする。
・都⼼三宮を象徴するシンボリックな「顔」となる建物外観をつくる。
・市営三宮駐車場の地下歩行者通路と適切に接続し、駅方面から地下レベルで円滑に施設へアクセスできるようにするとともに、連続性を持ちながら施設からの賑わいを感じられるよう地下通路の設えを更新する。
長い間、基本計画策定とその改変に時を費やしましたが、結局は民間事業者のプロポーザルの質の高さに全てを委ねる事になります。商業施設や集客施設の内容や規模、そしてシンボル性を備えたデザイン力。大手デベロッパーやゼネコン、建築設計事務所の企業グループによる提案が期待されます。バスターミナルビルのアドバイザリー公募や新港突堤西地区の再開発事業者公募を彷彿とさせるワクワクする提案が示される事を楽しみに待ちたいと思います。来年5月に事業者が決定し、事業案が明らかになります。
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やっと民間事業者に任せることが決まった。いったい何年かかっているんだと言うのが率直な感想です。
奇しくも福岡市では天神のシンボルビルの一つイムズが本日閉館し建て替えへと進みます。
そして9月には天神ビジネスセンターが竣工します。
https://tenjinbc.jp/
ワンフロア―約715坪の無柱空間、延床61,116㎡ 地上19階地下2階建のオフィスビルで設計は日本設計ですが、デザイン設計はレム・コールワースの設計事務所OMAのニューヨーク代表の重松象平氏が手掛けています。このビルは早くも最先端の感染症対策を導入してOPENするようです。
天神ビッグバンは国家戦略特区の特例措置を用いて大幅な規制緩和を行い2015年から10年間で約30棟のビルを建て替えることを目標としていましたが、エリア内では現在までに既に47棟が建替え申請を行い35棟が建替え完了。最終的には約70棟が建替えを行うようです。この開発の目玉の大規模ビルは今後順次竣工を迎えます。更に福岡市では、ビッグバンの博多駅前版として、博多コネクティッドを本格始動しています。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/kaihatsu/toshi/HAKATA_CONNECTED.html
福岡市の素晴らしいところは、有名建築家に拠るデザイン性の高い建築物に対して容積の更なる割り増し等の緩和を行っているところです。神戸市に必要なところはまさにこのような良い物を創る仕組み作りであり、行政の事業への介入ではないと思います。
久元市政により神戸はスピード感を失い伸びやかで先進的であったまちづくりは影を潜め縮んでしまいました。折角の魔法の杖(戦略特区)も指揮者が悪いと効果に大きな差が出来る事をまざまざと見せつけられています。
福ビル街区建替PJ…延床145,000㎡ 日本設計、デザイン設計 Kohn Pedersen Fox Associates(KPF)
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2020/20_021.pdf
旧大名小学校跡地活用事業|天神ビッグバン 開発計画
https://www.cbre-propertysearch.jp/article/fukuoka_business_area_guide-vol5/
神戸も大きな未来絵を描かないと縮むばかりだと思っては、市長選が間近に迫る中、選択肢の無さを見て政治家に恵まれない都市の不幸を嘆く今日この頃です。