最終的には関西エリア最大級のバスターミナルへと成長する計画を有する雲井通5・6丁目の再開発事業。I期計画である5丁目街区内の既存建物解体がいよいよ佳境に入りつつあります。今夏7月より再開発ビル本体の建築工事を開始する為、あと2ヵ月弱で更地化を完了させなければなりません。
最初に解体に着手した街区内最大の建物だった再開発ビルの「サンパル」の地上躯体解体撤去完了もすぐ目の前にまで迫っています。
防音パネルと足場はまだ建物3階レベルの高さがありますが、内部ではもう殆ど建物は姿は残っていない状況にまで工事は進んでいます。
そして街区内では最後に閉館且つ最も新しい建物だった「東横INN神戸三ノ宮II」については、最も小さな規模だった事もあり、既にその姿は完全に消滅しました。
かつて東横INNのあった場所には新たなゲートが設けられました。
遂に葺合南146号線と148号線の間に更地で繋がった状態が完成しました。
複数の油圧ショベルを使ってサンパルの残った低層部を瓦礫化しています。ほぼ外壁部のみと化しています。
この外周の壁の撤去が終わると、旧中央区総合庁舎を残して、都心に大きな更地が誕生します。
ようやくここまでに至りました。4年後にはこの部分に新しいバスターミナルが完成し、高速バスが発着するようになります。
最後に残る旧中央区総合庁舎も残り2ヵ月足らずで完全にその地上躯体が消滅する事になり、1ヘクタールに及ぶ広大な更地が生まれるまでもうあと一息です。
仮囲いに掲示されているI期ビル基端部の断面図です。地域住民が利用する図書館、多目的スペース、来街者と地域住民の双方が利用する商業機能、大ホール、バスターミナル、更には上層部のオフィス就業者やホテルの宿泊客が水平・垂直方向に回遊する動線の確立が非常に重要です。
本日の別記事で取り上げている熊本市の「熊本桜町バスターミナル」は、巨大な施設でありながらもこの点を上手く処理しています。
既に公開されている新バスターミナル階の平面図によると、雲井通5丁目のI期ビル完成時に供用が開始されるバース数は5箇所に留まり、最終的に整備される計画バース数は全17です。よってI期ビルのみでは全体計画の1/3以下の規模であり、II期計画が完成するまでは高速バス乗り場の集約という最終目的にはまだ程遠い状況かと思います。
JR神戸線高架下の神姫バスの「神戸三宮バスターミナル(8バース)」もI期ビルの完成のみでは廃止・移設するには至らず、劇的な改善とはなりません。
従ってミント神戸1階の三宮バスターミナルも雲井通6丁目のII期計画が完成するまでまだまだ現役で高速バスの発着運用が行われる事になります。
既に開業から早18年が経過した「三宮バスターミナル」。三宮では初の本格的な近代設備を備えたバスターミナルです。
鉄道各社の駅に近接し、利便性は非常に高いバスターミナルで、自動ドアの付いた間仕切り壁によって待合スペースや歩車の完全分離を実現。
しかしながら施設内の設備は近代的ですが、ターミナル内のスペース不足は否めず、待合空間も最低限の大きさに留められています。
バスターミナルに対する概念は2016年に開業した「バスタ新宿」によって大きく変化しました。空港や鉄道のターミナル駅は年々、その施設内容の充実度が高まってきましたが、高速バスターミナルはあまり重要視されていませんでした。
バスタ新宿が全国的に注目を浴び、その後、各都市で中心市街地における大規模再開発プロジェクトを進める際、バスターミナルの更新と施設の充実性を高める動きが活発化しました。
現在は、国土交通省が後押ししている事もあり、全国で複数の巨大バスターミナルの整備計画が進行しています。
雲井通6丁目のII期計画が完成すると、現在の三宮バスターミナルは、降車専用バースとして活用される予定です。バスで来た来街者は往路の降車場所と、復路の乗車場所が全く異なる建物である場合、迷う事はないのでしょうか。
II期計画の雲井通6丁目の再開発を、OPA2の入る商業施設「サンシティ」のみに留めず、南側のホテル2棟も再開発に参加して貰えるよう交渉は継続していくべきかと思います。そうなれば、より大きな床面積をバスターミナルに充当する事が出来る為、新ターミナルでの一体運用が可能となり、ミント神戸のターミナルは、三宮を起点とする路線バスの停留所集約に活用できるのではないでしょうか。
神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業 街区内建物の解体はいよいよ大詰めに入る 新バスターミナルと既存バスターミナルの運用について考える
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク