隣接するビルにクレーンの接触事故があったものの、その後は順調に建設作業が進む神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業。一つ心配として残っているのは、未だバスターミナルのコンセッションが成立していない点です。国が保有する再開発ビル内の新ターミナルと、神戸市が保有するミント神戸1階の三宮バスターミナルを一体的に運用する事が事業条件になっていますが、昨年の入札は不調に終わり、その後、現状もまだコンセッションに向けた再入札の動きは表面的には見られません。
この新バスターミナル施設の中でも特筆すべき点は2-3階に整備される吹き抜け空間です。スタジアム型の待合として、開放感に満ちた国内の他バスターミナルでは見られない先進的な設計に期待が高まります。
この吹き抜けは建物のほぼ中央に配置されています。商業店舗に囲まれる中央のバスターミナル施設の中に両側を階段とし、中央をより緩やかで段高を抑えた階段ベンチを設け、バスターミナル利用者のみならず、来館者が寛げる滞留空間としての活用が予想されます。
このスタジアム型の吹き抜けは、バス乗降エリアとなる1階へのアクセス動線とは別に造られます。バス乗降場にはエスカレーターが設けられ、バリアフリーの動線が整備される事になります。
イメージではエスカレーターの横に階段も整備される想定が描かれています。天井には木材が採用され、デジタルサイネージが多用されます。待合と乗降エリアはガラスサッシで仕切られており、バスからの排気ガスが内部に入らないように設計されています。
エスカレーターのみでなく、エレベーターも配置されています。バス乗降エリアには5バースが整備される計画です。ミント神戸周りの三宮バスターミナルには乗車8バース・降車3バースの計8バースが稼働しています。新バスターミナルの完成時にはこの13バースを再編しての活用が予想されます。
II期ビルの完成時には12バースにまで拡大する計画です。JR三ノ宮駅高架下の神姫バスの三宮バスターミナルには8バースが備わります。II期計画の完成後には神姫バスも発着を新ターミナルへと移すものと予想されます。
ターミナルのコンセッションについては、今年9月に事業者からの提案を受け付け、11月に選定を行うというスケジュールが設定されています。ちなみに全国にある最新バスターミナルの例としては、バスターミナル東京八重洲は京王電鉄バス、熊本桜町バスターミナルは九州産交ランドマーク、バスタ新宿は乗り入れるバス会社が出資した合弁会社の新宿高速バスターミナル株式会社が運営管理を行なっています。神戸でも一社が担うより、合弁企業による運営が適しているのではないかと思われます。
神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業 スタジアム型待合空間に高まる期待 バスターミナルコンセッションの行方は?
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