外観の完成に向けて三宮中央通りで着々と工事の進む関電不動産神戸三宮ビル。建物中央部に残っていた鉄骨の空白部も埋められて、通りに対して完全体の躯体が出来つつあります。
プロジェクト概要
(仮称)三宮町一丁目オフィス
敷地面積 1,007.62平方メートル
建築面積 829.02平方メートル
延床面積 8,406.54平方メートル
高さ 56.1メートル
構造 鉄骨造
階数 地上12階
用途 事務所(3-12階) 店舗(1-2階 5区画)
設計 高松建設
施工 高松建設
竣工予定 2022年2月
https://sannomiyacho-1chome-office.jp/
物件公式サイト
建設状況の様子
鉄骨建方は既に12階に達しているものと思っていましたが、更にもう1フロア分の鉄骨を継ぎ足しています。
これまでの赤茶けた重量鉄骨と異なり、シルバーの軽量鉄骨です。塔屋でしょうか。それともこの部分が12階でしょうか。
この建物のファサードの構築には様々な仮設部がパッチワークのように入り乱れています。左側低層部は従来の足場、養生ネット、落下防止の朝顔。右側は薄いネット、上部は白いシートで覆われています。
特筆すべきは既に取り付けの終わっているカーテンウォールの上の部分です。新たなカーテンウォールの取り付け作業を行う為の特殊な足場を組んでいる様子です。この足場が上部にスライドしてカーテンウォール取り付け完了エリアが拡大していくのでしょうか。
CBREの報じた神戸の賃貸オフィスビルの2021年3月期の空室率は2.8%でした。
神戸における2021年3月期の空室率は、前期(前年12月期)からは変動なく2.3%であったが、前年比では0.8ポイント上昇となっており、徐々に空室が顕在化している。テナントの動きとしては、コロナ禍でオフィススペースの見直しによる面積縮小が多く見られ、新規開設については方針決定までに時間を要している。今期の大きな動きとして「神戸三宮阪急ビル」と「GLION Awa-s BuildinG」が竣工した。これに伴い、複数のテナント移転による空室の顕在化が今後予想される。
https://www.cbre-propertysearch.jp/article/market_trend-3-2021-kobe_kyoto/
やはり新築オフィスビルの需要は、都心部内の別ビルに入居中の企業の移転が主になっているようで、他都市からの移転が起きないと、新規供給の消化は2次空室を生む事になるようです。
来年2月にこのビルの竣工やその翌年にも大和証券ビルの建て替え計画も控えていますが、その段階での経済情勢がどこまで回復しているか。
また2025年以降は2号館跡の新庁舎が完成すると、現在、民間ビルに移転中の市の各部局が出戻る事になる他、雲井通5丁目の再開発ビルが完成し、これらによって生まれる大量の空室がスムーズに消化されるのかどうかによって、それ以降のマーケット動向に大きく影響します。
やはりオフィスビルの市況好転の鍵を握るのは他都市からの企業誘致ですが、今後、大阪の都心部でも大量の新築オフィス床が供給される予定です。神戸のオフィスビルの競争力を高めるにはやはりもっと供給量を増やして注目度を上げ、選択肢を広げさせる必要があり、この為には民間再開発や建て替えが促進されるよう福岡市のように行政による大胆な規制緩和が必要とされるのですが、一向に天神ビッグバンが神戸で起きる気配はありません。