旧そごう・神戸阪急

神戸阪急のリモデル完了後の初年度売上高最終着地値は?地域一番店を目指す上での課題とは



2022年秋から開始された神戸阪急のリモデル。80億円を投資した20年ぶりとなる大規模改装は、フロアの9割を改装する一大リニューアルで、4月末に本館6階にアウトドア売場がオープンした事によってすべての事業が完了を迎えました。



阪急らしい内装と拘りを感じるフロア・売場・テナント構成によって、リニューアル効果が着実に反映された売上高は、リモデルを開始したのと同時に毎月のように前年度比増を記録してきました。



エイチ・ツー・オー・リテイリングのリーシング力とターミナル百貨店である事の立地環境も手伝い、話題性のあるテナントが本館、新館共に出店。昨秋に同グループが発表した神戸阪急の23年度の売上高予測は強気の440億円を想定していました。



22年度の全館売上高は前年比16.2%増の332億円でしたので、前年比32%アップを想定していた事になります。屋号を変更する前の2017年のそごう神戸店の売上が451億円でしたので、まず原点を回復するスタート地点に辿り着く事が急務でした。



エイチ・ツー・オー・リテイリングが5月中旬に発表した決算資料によると、最終的な神戸阪急の2023年度の売上高は404億2900万で、前年度比121.7%増。来館者数は1,651万人という結果でした。予測より36億円程低い結果となり、改装効果は確実に出ているものの、後半は伸び悩んだようです。



一方、阪急本店、阪神梅田本店、そして博多阪急のインバウンド需要の高いグループ内ターミナル百貨店のいずれも前年度比120%前後の伸びを示しており、やはり訪日客効果の強みが顕著に表れているようです。



神戸阪急でもインバウンド需要による免税売上は伸びてはいるものの、他都市程の効果は得られていません。最終的に404億円に留まったという事実をエイチ・ツー・オー・リテイリングはどう理解しているのでしょうか。一方、ライバルである大丸神戸店は900億円台の売上を回復し、来年には1,000億も射程圏内に入っているようです。



従って神戸での都心でも根強い百貨店需要がある事はしっかりと証明されているにも関わらず、今回の最終着地は、神戸阪急が想定程、その需要を取り込む事ができていないという結果なのではないかと思われます。



神戸阪急の当面のライバルは、大丸神戸店ではなく、グループ内の博多阪急と考えた方が良さそうです。因みに博多阪急の23年度の売上高は623億円。神戸阪急との差は約220億円です。営業面積は神戸阪急が4.5万平方メートルを確保している一方、博多阪急は4.1万平方メートル。



今回の結果は、裏を返せば、まだ神戸阪急がターミナル一等地の立地環境やポテンシャルを十分に活かし切れておらず、大きく伸びしろを残しているとも言えるでしょう。三宮の駅前は再整備によって今後、交流人口を大きく増やしていく事が予想されます。商業床も増えますが、集客力は着実に高まります。24年度以降の売上高をエイチ・ツー・オー・リテイリングがどう設定するのか次第で、同グループの神戸阪急に対する評価を知る事になるでしょう。ただ一つ言える事は、現在のハードではやはり最大限に力を発揮できない可能性も示唆されたという可能性もあるのではないでしょうか。大丸神戸店から地域一番店を奪取するには建て替えしか選択肢はないのではと思われます。

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POSTED COMMENT

  1. kingi より:

    建て替えがベストなのはもちろんですが
    それが今すぐ出来ないならせめて外観を変えて欲しいですね
    今のままだと所詮は旧そごう丸出しですから

  2. Sannomiya Worker より:

    ハイブランドのブティックを多数誘致しましたが、どれも小ぶりで品ぞろえも十分とは言えず中途半端になってしまいましたね。
    これが本当に神戸市民の求めるものだったのでしょうか?
    ハイブランドは元町、旧居留地へが定着してしまっています。
    阪急の1階には平場もほとんど無く、細切れのパーテーションで見通しも悪く実際の床面積以上に狭く感じます。
    阪急もプライドが有るでしょうが、駅前立地を生かしてデイリーに立ち寄れる「阪神百貨店化」を目指すべきだったのかもしれません。
    5年後に訪れるJR三ノ宮駅ビル竣工が追い風になるか、逆風になるかは微妙です。
    現状を打破するには、今の規模で阪神化するか、建て替えで地域ナンバーワンを目指すかのどちらかでしょう。
    阪急阪神ホールディングスの開発優先順位があるのでなかなか難しい選択ですね。

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