「神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)」は、かつて神戸国際フロンティアメディカルセンターとして開院した肝臓疾患及び消化器疾患の高度先端医療・サービスを提供する専門病院の建物を引き続き、神戸大学医学部附属病院が、運営するがん医療の研究施設として活用されています。
がんに対する先進的外科的・内視鏡的治療の推進策として、国産手術支援ロボットhinotoriを導入し、遠隔手術の研究も進められています。
また神戸市と神戸大学が共同で進めている内閣府交付金事業の神戸未来医療構想についてもこのICCRCを実証拠点として活用している他、国際診療も同センターで行われており、海外患者受け入れによる医療ツアリズムを産業化する目標も掲げている神戸医療産業都市の方針にも沿った施設です。
このセンターの敷地南側は現在、駐車場として利用されていますが、ここに新たな研究棟の建設が計画されています。
計画中の建物は鉄骨造地上7階 延床面積3,105平方メートルと既存建物とを連絡する渡り廊下を設置するというものです。設計は内藤建築事務所が担当。
神戸大学が、「神戸大学(ポートアイランド2)国際がん医療・研究センター研究棟新営その他工事」の一般競争入札を公告しており、23年度の着工、24年度の完成を目指しています。
ICCRCの周辺ではメディカルクラスターに相応しく、多くの大規模医療センターが集積していますが、ここ数年は新たな医療関連施設の建設は抑制気味でした。
新研究棟の建設予定地の向かいにはBMWジャパンの正規ディーラーの経営陣、セールス及びアフターセールス・スタッフ向けの研修施設である「BMW グループ・アカデミー神戸」があります。
国内最大級の医療産業クラスターに成長した神戸医療産業都市ですが、現在の進出企業・団体は367。2021年には376まで増えましたが、近年はコロナ禍が水を差した事もありますが、2016年頃から進出増加数が鈍化し、伸び悩んでいます。早期に目標である500社・団体を到達するには、神戸空港の国際化は大きな後ろ盾になるのではないかと期待されています。空港の国際化で医療ツアリズムの促進や医療関連の国際会議や学会、イベントも今以上に誘致が容易になるでしょう。そんな環境向上を見越した神戸大学の投資でしょうか。
神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)が敷地内に新研究棟を計画
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