三宮再整備

こどもの本の森 神戸が開館 東遊園地再整備の先駆けプロジェクトが完成!



東遊園地の南区域で建設・開館準備が進められてきた「こどもの本の森 神戸」。建築家安藤忠雄氏が私費で設計、竹中工務店の施工で完成させた後、神戸市に寄贈した公共施設で、大阪・中之島にある「こどもの本の森 中之島」に次ぐ子供専用図書館として、3月25日に開館を迎えました。



女優の竹下景子さんが名誉館長を務める同図書館は、現在、完全予約制でのみ利用が可能なシステムになっています。北東側に設けられた図書館のエントランスです。



鳥が翼を広げるように両側に弧を描いたコンクリート打ちっ放しの低層建物は周囲を取り囲む高層建築との対比が非常に印象的で神戸の新しいシンボリックな景観を生み出しました。



建物の前には元々この場にあった曲線型の階段をウッドデッキ階段に変更しています。



大きな軒屋根は強い陽射しを遮ります。建物の形状は基本的にこどもの本の森 中之島と共通です。



館内の中央に位置する大階段と天井まで続く巨大な書架の前はアルミカーテンウォールを採用して、明るい開放感のある空間を創出しています。中央に飛び出た部分を柱で支えています。内部のデッキが誘うミニ展望台といったところでしょうか。



コロナ禍や開館後の人気が落ち着いて、予約制ではなく、自由に利用が出来るようになると、多くの子供やファミリーがこのデッキや花時計周りで本を片手にのんびりと過ごす光景が日常になるのではないかと思われます。



図書館前に新たな植えられたのは桜の若木。図書館の成熟化と共に大木へと成長していくでしょう。



今はまだ利用のあまり進んでいない駐輪場も将来は子供が自由にやってくるようになるのでしょうか。



建築としても非常に優れた建物かと思います。その景観の完成度はいつまで見ていても見飽きません。



花時計との景観的コラボも非常にマッチしているかと思います。どこまでが計算された上でこういう形に落ち着いたのかは分かりませんが、結果的には最高の組み合わせが出来たのではないかと思います。



エントランス前に広がる軒下の吹き抜け空間も非常に印象的です。



既存の公園管理棟とも渡り廊下で接続し、2階は図書館施設の一部として改造されました。



この図書館を巡っては賛否両論あるようです。しかし私費を投じて、街の活性化と子供の教育に貢献する公共施設を建設するという行為は誰にでも真似できる事ではありません。



この図書館の開館によって東遊園地再整備の第一段階が完了しました。現在、北区域の再整備は工事の真っ最中であり、また南区域の一部と連絡する税関線歩道橋の再架橋工事も進行しています。



これらの一連の工事が完了すると、フラワーロードを中心に南北に渡って人の流れが生まれると共にウォーターフロントへの回遊力が増し、都心部が活性化される事も期待されます。今後、落ち着いてきたら、館内の様子もレポート出来たらと思います。

こどもの本の森 神戸

所在地 神戸市中央区加納町6丁目1番1号
建築面積 約650㎡
延床面積 約570㎡+200㎡(公園管理棟の一部)
階数 地上2階
用途 図書館
構造 鉄筋コンクリート造
設計者 安藤忠雄建築研究所
施工者 竹中工務店
開館 2022年3月25日

https://kodomohonnomori-kobe.jp/
こどもの本の森 神戸 特設サイト

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