JR西日本、都市再生機構(UR都市機構)、JR西日本不動産開発が竹中工務店・大鉄工業共同企業体(JV) の施工で進めているJR三ノ宮駅ビル開発。敷地全体で大規模な躯体工事が進行していますが、悠然と立ち聳える神戸三宮ツインゲート1期ビルの建設工事と比較するとまだ地味な工程が続いています。

しかしながら着実に建設工事は次の工程へと進み始めています。現在は中央部にクローラークレーンやラフテレーンクレーンが集中して稼働しています。

上空から見てみると、中央分が大きく掘削されています。西側の1階床がまるで乗り入れ構台のようになっています。

まさにこれが逆打ち工法を如実に表している光景です。逆打ち工法とは、建物の基礎や地下構造物を施工する際、通常の「上から下へ」ではなく、「地上階の施工と地下階の掘削・躯体工事を同時に、または上階から下階へと順に進めていく」建築工法のことです。英語では「トップダウン工法(Top-down method)」と呼ばれます。
通常の順打ち工法では、地下をすべて深く掘削し、底からコンクリートを打って上に向かって建てていきますが、逆打ち工法では以下のような手順をとります。
1. 柱(主柱)の先行設置: 地下を深く掘る前に、あらかじめ地中に建物の柱となる鋼管柱などを埋め込みます。
2. 地上と1階(または地下1階)の床の構築: 地盤面(1階の床など)を先行してコンクリートで作り、その床を支えにします。
3. 同時進行の掘削と構築: 1階の床を支えにしながら、その下を掘り進め、上から順に地下の梁や床(2階、3階の地下など)を作っていきます。同時に、地上の高層部分の工事を進めることも可能です。

1階の床に接合された柱の下に鉄筋が配筋が進められています。地下階は鉄骨鉄筋コンクリート造の強固な造りです。このまま地下階を構築していく事になります。
この工法のメリットは、地上の工事と地下の掘削・躯体工事を並行して進められるため、全体の工期を大幅に短縮できます。また地下を大きく掘りっぱなしにする期間が短く、先行して作った床が「土留め(山留め壁)」の支え(切梁)の役割も果たすため、周辺地盤の沈下や変形を防ぎやすくなります。更に早い段階で1階の床面がフラットに出来上がるため、資材置き場や作業ヤードとして有効活用できます。

南側も掘削が進められています。地上階の躯体工事も何処かのタイミングで同時に進めていくのではないかと思いますが、地下1階の躯体構築が終わった段階で、タワークレーンが投入されるとメリハリが出てきます。

駅ビル本体の工事に軸足が移り、ひとまずは小康状態の東側。美しくコンクリートが打設されていますが、北側はその上に大規模な地上3階建ての仮設の現場事務所が建築されました。しかし全く次の工程を進めないという訳でも無さそうです。

作業の方が測量を行なっていました。左の には床の真ん中にポッカリと二つの四角い穴が開けられています。床の上空に人工地盤のデッキと低層店舗棟が建築される計画の為、この準備を進めている模様です。

人工地盤は、単なる平らな床ではなく、地上階の商業施設・オフィス・ホテル、地下の交通網、そして周辺ビル(ミント神戸など)を結ぶペデストリアンデッキ(歩行者デッキ)が立体的に接続されます。そのため床スラブや大梁には、荷重や歩行者の往来、将来的なイベント利用などに耐えられるよう、極めて強度の高いプレキャストコンクリートや鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC造など)が適材適所で使い分けられていくでしょう。

JR大阪駅ビルのノースゲートビルの高層オフィスフロアは伊藤忠商事が全フロアを借り切って新本社を構えました。JR三ノ宮駅ビルのオフィスフロアは、地上12-17階の6フロア・6,000〜7,000平方メートルですが、数百人規模の企業本社であれば十分な広さと言えます。最高の一等地に供給されるオフィスフロアなので、水面下では既に引き合い合戦が繰り広げられているかもしれません。立地を考えると、オフィスフロアとホテルフロアのバランスはもう一度考え直してみても良いのではないかとも思います。現状の計画はオフィス床の割間をかなり控え目に設定している気がします。
JR三ノ宮駅ビル新築他工事 逆打ち工法による地下階の躯体構築が進行中 このビルにも企業本社の移転はある?
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