JR三ノ宮新駅ビル

JR三ノ宮駅新駅ビルの都市計画決定は来年度延期へ コロナショックにより着手できず



解体工事中の三宮ターミナルビル跡に計画されているJR西日本の新駅ビルについて同社と神戸市は20年度内の都市計画決定を実施する事に合意していましたが、コロナショックによる鉄道・非鉄道事業双方に大打撃を受けたJR西は中期経営計画内の三大プロジェクトである同新駅ビルについて再検討を必要とする為、年度内の都市計画決定は困難となった模様です。神戸市が明らかにしたところ、再検討の上、来年度の都市計画決定を目指すものとしています。



JR西は年内に大型設備投資の見通しについて何らかの公表を行う予定としており、三ノ宮駅新駅ビルについても具体的な言及があるものと予想しています。

既存駅ビルの解体工事は順調に進んでいる為、完了後に直ぐに着工できないとなると、「悪夢」として考えていた暫定利用が現実となる可能性が高まってきました。

しかしながら来年度の着手となれば、暫定利用もあまり大それた事にはできません。建築を伴うような暫定利用なのかそれとも広場化して待ち合わせスポット的な賑わい空間とするのか。仮囲いの一部を開放する検討はされているようです。



コロナを要因とする計画遅延は致し方ありません。寧ろ無期延期のような形にならなかっただけでも良かったと思います。但し、再検討による規模の縮小や用途の変更には懸念が残ります。超一等地の再開発であり、三宮のシンボリックな建物として、必ず需要はあるものと思われますので、安易な計画縮小だけは避けて欲しいと願う次第です。駅ビルの開発着手延期は駅前広場の再整備や三宮クロススクエア一期の着手時期にも影響を与える事は必至です。早期の実現を切に望みます。

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  1. S.Y. Kobe より:

    新駅ビルの建築概要も公表されないまま2年以上解体工事のみ続けられた挙句、コロナ禍で事業延期ですか。中心駅の将来像がJR西日本からも神戸市からも市民にも示されず経過説明もないのは前代未聞の状態でしたが、これで現時点の計画も藪の中です。

    コロナ禍で経営基盤が急激に悪化した民間企業が今後の事業と資金計画を見直すことは当然のことではありますが、この2年間神戸市とJR西日本で折り合いがついてなかったのは間違いありません。争点が何であったのか推測するしかありませんが、少なくとも神戸市に調整能力やリーダーシップが大きく欠けていたことは間違いないでしょう。またJR西日本にしても神戸市の無理な注文に応じるほど三宮を高評価していないのかもしれません。

    今一番重要な事は、いい加減に神戸市が目を覚まして「今までやり方では未来はない」と自覚することです。市民に何の利益ももたらさない景観規制や建築規制など数々の規制は進取の気概や未来への変貌までも否定するかのようにノスタルジック嗜好かつ独善的であり、姿勢を方向転換しなければ若い世代に選ばれる都市にはなりません。

    JR西日本が事業計画見直しに時間をかけるなら神戸市もいいチャンスと捉え、ポートライナー駅舎建替えや再配置も含めた大胆な方針を打ち出してほしいものです。災い転じて福とすることが出来る強い意志を持ったリーダーが今こそ必要です。民間投資意欲がここまで落ちた神戸に本気で危機感を持ち、神戸市お得意の多くの小手先施策を見直し大胆な戦略施策を持たなければ停滞・衰退するしかありません。

  2. sirokuma より:

    元々、現在まで都市計画決定に至らないという事は神戸市との協議が難航していた為でしょう。好景気の中の計画でも事業収支に問題があったのでしょう。
    公共性の高い施設の建替えでは、計画全体に占めるパブリックスペースの割合と位置形状は、たとえ神戸市の費用負担があっても事業収支に大きく影響します。上質なものを求めれば、それを満たすために規制緩和を受け事業規模を拡大して収支を調整するか、逆に大幅に縮小して出費を抑えるかだと思います。

    神戸市は150万都市で我々市民は、その主要駅三ノ宮の再開発に大きな期待を寄せていますが、期待とは裏腹にJR内で主要都市の中での三宮再開発の優先順位は低いのかもしれません。
    新快速利用で大阪へ20分ほどの距離感を考えると今は大阪優先で投資を集中させる方が理にかなっています。維新による市政・府政は、万博開催に向けて柔軟でスピード感がある事も追い風です。
    JRが三ノ宮駅ビルの再開発を、阪急駅ビルの開業と雲井通再開発・神戸阪急の動向を見てから決定するとしても全く不思議ではありません。
    来年の都市計画決定となれば超高層ビルなら万博までには間に合いませんから、基礎は将来の超高層対応で施工し、上物はミニマムで暫定利用というのが濃いのかもしれないですね。

    S.Y. Kobeさんもご指摘されていますが、好景気下で多くの自治体が規制緩和を推し進め再開発を成功させていく中、神戸市は、逆行し規制強化に時間を浪費している内に時宜を失ってしまった。
    大阪のベッドタウンにはならないと宣言して市長になった久元さんの施策でしたが、このままでは、ベッドタウン化へ大きく前進させることになりそうですね。

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