企画物

2014年の神戸を振り返る

2014年も残すところあとわずかとなりました。今回は今年の神戸の動きをダイジェストで振り返ってみたいと思います。

2月

kawaijuku04.jpg

河合塾三宮現役館竣工・開館
三宮駅にほど近い北側の琴ノ緒町で建設が進められていた河合塾の新館ビルである新・神戸三宮現役館が竣工・開館。周囲に圧迫感を与えないよう5階以上はセットバックされ、煉瓦調の外壁パネルとガラスの開放的な外観となっています。来年は代ゼミ三宮校の閉鎖が予定されていますが、今後は河合塾と駿台の二強時代が到来します。

pier69.jpg

新港第一突堤にてラスイートホテルが着工
リーマンショックによって紆余曲折を与儀なくされた新港第一突堤の再開発はラスイート神戸として再出発。地上10階・90室の温泉付純和風ホテルとコンベンションホールを併設した開発として建設工事に着手。来秋11月に開業予定です。

3月

sanchika24.jpg

JR西日本グループが神戸市から神戸地下街株式を取得
JR三ノ宮駅の三宮ターミナルビルの建替に先駆けて、接続している地下街さんちかの運営会社株式をJR西日本が取得しました。これにより周囲一体の再開発がより円滑に進むことが期待できます。またさんちかは開業50周年を控えて、大規模リニューアル工事を控えており、JRの資本が入ることで、リニューアルの出来にも左右しそうです。

4月

mosaic113.jpg

umie(ウミエ)開業1周年・モザイク一部リニューアルオープン
ハーバーランドのumie(ウミエ)が開業して1周年を迎えました。初年度は上々の滑り出しで目標であった来街者数1800万人は1年を待たずにクリア。目標売上高の360億円も突破し、2年目も好調に集客力を維持しています。4-7月にはモザイクの未開業部分が順次オープン。更に魅力を高めています。しかしSouth Mallでは一部の店舗がすでに撤退しており、人気店と不人気店の格差が生じています。

piII86.jpg

理化学研究所・融合連携イノベーション推進棟が着工
STAP細胞によって大きな衝撃と揺さぶりを受けた理研と神戸医療産業都市構想。更なる発展の礎として計画されていた融合連携イノベーション推進棟もその行方に暗雲が立ち込めていましたが、まずは無事に着工に漕ぎ着けました。地上8階建で延床面積は8,348平方メートルの施設は来春竣工予定です。

5月

jrsannomiya45.jpg

JR三ノ宮駅構内リニューアル工事 最終エリア開業
JR西日本が17億円を投じて2011年から進めてきたJR三ノ宮駅構内のリニューアル工事。東口改札外の店舗移転から始まり、改札内のトイレ新設や改札付近の整理、構内店舗の総リニューアルにまで及んだ一体的な改装が完了。駅ナカ施設の充実化が図られました。しかし駅舎自体にはあまり手は入れられておらず、三ノ宮ターミナルビルの建替が控えている中での繋ぎ的な改装であった感があります。

medical74.jpg

カン研究所新研究施設稼働
神戸MIR&Dセンターで研究開発を行っていたエーザイの100%子会社であるカン研究所が本社兼研究拠点を新設。関西イノベーション国際戦略総合特区における特定国際戦略事業への進出法人として神戸市からの指定を受け、新本社施設を建設して研究規模を拡大しました。また医療産業都市の直接投資による大企業進出に拍車を掛けました。新施設は地上5階建て 延床面積12,000平方メートルで約100名の研究員が従事。

7月

suncity02.jpg

サンシティタワー神戸着工
首都圏と関西圏で高齢者向けにリゾートホテルのような上質な住宅を提供する株式会社ハーフ・センチュリー・モアがHAT神戸に計画している超高層高齢者分譲住宅「サンシティタワー神戸(地上35階 高さ131.8m)」が着工。2017年初夏にHAT神戸に新たなランドマークが誕生します。

8月

flying05.jpg

フライングタイガー コペンハーゲン 三宮ストアが開業
フライングタイガー コペンハーゲン 三宮ストアが三宮センター街・旧・ドヰ手芸品跡に開業。、三宮ストアは国内では3店舗目となる路面店で、旧・ドヰ手芸品ビルを取得した安田不動産によって誘致されました。地下1階・地上1階の2フロアに110坪の店舗となりました。

9月

ferry01JPG.jpg

神戸三宮フェリーターミナル開業
新港第三突堤にあったフェリーターミナルに代わる新カーフェリーターミナルを神戸市が10億円を投じて建設。神戸三宮フェリーターミナルが開業しました。これまでのジャンボフェリーに加えて、神戸から撤退していた宮崎カーフェリーが再就航。大阪・南港からこの新ターミナルへ拠点を移しました。

ginsen0.jpg

銀泉神戸ビル(旧神戸住友ビル)解体
銀泉神戸ビル(旧神戸住友ビル)が老朽化が激しい為、閉鎖・解体となりました。元町のランドマークは80年の歴史に幕を閉じ、跡地は暫定的にコインパーキングとなりました。周囲を囲むパーキングと併せて全て銀泉が所有しているため、将来的には大規模な再開発が期待されます。

10月

duokobe05.jpg

デュオこうべ浜の手再整備改修工事
umie(ウミエ)が開業し、爆発的に集客力を取り戻した神戸ハーバーランド。その玄関口とも言える地下街「デュオこうべ浜の手」も開業以来初の大規模改修工事に着手。第一期工事では主に南側の通路の化粧直しが進められます。天井、壁、床や照明の改修が施され、来春にはこれまでよりも明るい空間へと生まれ変わる予定です。

medical53.jpg

伊藤忠メディカルプラザ開所
ポートアイランド・医療産業都市の一画に完成した伊藤忠メディカルプラザは研究オフィスと国内外の医療関係者に最新医療機器の使用法の研修の場等に活用されます。伊藤忠商事が神戸国際医療交流財団に寄付した5億円を財源に整備された施設です。最近ではシスメックスが同施設にオフィスを開いたことが報道されたことが記憶に新しいですね。

11月

medical88.jpg

神戸国際フロンティアメディカルセンター開院
生体肝移植の世界的権威である田中紘一氏が長年に渡って構想を暖めてきた計画がようやく実現しました。200床を備え、生体肝移植、消化器がんに対する内視鏡治療・手術をはじめ、国際医療交流の促進や外国人患者および外国医療人の受け入れの推進をリードします。

sanchika25.jpg

阪神神戸三宮駅西口地下通路改修工事完了
阪神神戸三宮駅の東口新設・西口改装工事に合わせて神戸市や阪神阪急電鉄、JR、そごう等の周辺施設が参画して進めてきた西口地下通路の改修工事がすべて完了を迎えました。阪神神戸三宮駅周辺はJRや阪急に先駆けてまずリニューアルの先陣を切る形で改装を終えました。この地下整備は今後もさんちかリニューアルへと引き継がれていきます。

色々と変化のあった年ではありましたが、昨年2013年程に劇的な変化はなかったというのが正直な感想です。ただ現在進行中の大型プロジェクトが順次、完成を向かえる来年は再び変化の大きな年になることは確実です。そして何よりも来年へ向けての私達の関心はおのずと三宮の再開発に集中することでしょう。市のプランでは年度内に整備計画をまとめるということで、来年には具体的な構想が何らかの形で公表されるのではないかと思います。これに合わせてJRや阪急が駅ビル建替開発案を練り上げる可能性が高いです。ましてや阪急は来年の着工を目指したいとしていました。動きがあれば一番のビッグニュースになることでしょう。

本年1年も皆様の暖かいお声に非常に励まされました。来年も何卒、よろしくお願い申し上げます。



関連記事

POSTED COMMENT

  1. カン より:

    こうして見ると、本当に色々とあった一年だったんですね。
    特に「サンチカ」と「DUO神戸」の神戸市内二大地下街に久しぶりに手が入り出したというのは、
    地味ながら大きなトピックだと思います。
    DUO神戸はumieが主導する形で、サンチカはサンチカが先行して地上の建築物に波及して行くことが期待されます。
    何れにしても、今年はこの地下の動きが、大きく地上に花開く年であることを期待したいと思います。

  2. sirokuma より:

    新年あけましておめでとうございます。
    神戸の街並みの変化をいつも楽しく拝見しております。

    昨年の動きも簡潔でとても分かりやすいですね。
    こうしてみると、ポーアイの変化は著しいですね、病院や研究施設が次々に完成していますね。こども病院も建設中ですしこのエリアは関連産業も含めまだ伸長していきそうですね。ただ一般市民にとっては普段は縁遠いエリアですね。

    さて中心部ですが、ここ数年で綺麗になり中心部の歩道拡幅・整備等は高評価できます。しかし、マルイ前の喫煙スペースなどは大失敗でしょう。町並み整備のつもりが全くの逆効果になっており、喫煙者には申し訳ないが無用の施設の最たるものと考えます。
    細々と整備されているのですが、何ともダイナミズムに欠ける小手先の整備としか言いようがなく、かつて、貿易センタービルやポートアイランド埋立などの大プロジェクトを手掛けた進取の気性に富んだ神戸市の姿はどこにも感じることができません。

    今年は、三宮駅前の再開発(阪急・JR駅ビルはもちろん、願わくばそごうをも含む)の青写真を明確に示して欲しいところですが…。

    久元市長が有識者とか一部市民代表を集め三宮構想会議を開催し未来を盛んに語っていますが、この会議には、JRやH2Oの実務者や議員・地元建設不動産業界者が見当たらず、このままでは、せいぜい市内各所の解り難いサインを解り易くする程度の街路整備でお茶を濁し、中核となる駅ビル等は、関連事業者が単発で仕上げるような単なる建て替え事業に終わりそうで心配です。

    年初から辛口になっちゃいましたね。今年も宜しくお願いいたします。

  3. しん@こべるん より:

    カンさん
    地下街の発展が地上部の発展を促進するようになっていったら良いですね。地上は権利がややこしい・・・。

    sirokumaさん
    本年もよろしくお願いします。「せいぜい市内各所の解り難いサインを解り易くする程度の街路整備でお茶を濁し・・・」はぜひとも避けて欲しいですね。三宮開発は市長の公約です。できなければ任期前に辞職も辞さない覚悟で進めていって欲しいと思います。まずは今年、指針をしっかりと明確に出して貰わないとなりません。意見を聞くふりはもう沢山です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です