今年も残るところあと僅かになりました。2016年に完成するプロジェクトはあまりありませんでしたが、三宮再開発関連をはじめとして、複数の大きな動きがありました。今回は神戸10大ニュースとして今年の神戸を振り返ってみたいと思います。尚、選定と順番は独断と偏見で決定しています。
1. 神戸阪急ビル建替計画始動
昨年末に突如閉館のお知らせが出て、1月11日に全店舗が閉鎖された神戸阪急ビル東館。2013年に朝日新聞が第一報としてこの暫定駅ビルの建替計画について報じてから実に3年が経過していましたが、ようやくこのプロジェクトが三宮再開発の口火を切る形として始動しました。今年4月に阪急電鉄より公式に計画概要が発表され、地上29階 地下3階 高さ120m 延床面積28,500平方メートル 商業施設、オフィス、ホテルから構成される超高層複合駅ビルを2021年の完成を予定して建設することが判明しました。同時に阪急三宮駅構内の改修、高架下や西口改札周辺のリニューアルも図り、駅全体を刷新します。
低層部には旧神戸阪急ビルのデザインを再現、周辺施設との回遊性を高めます。5月には隣接するさんきたアモーレ広場を閉鎖して、仮囲いを設置。建設事務所を構築して既存ビルの解体に着手しました。長年待ち望まれていた阪急神戸ビルの再建が実現し、20年の歳月を費やした三宮の復興開発がここにようやく完了することになります。
2. そごう神戸店のH2Oリテイリングへの譲渡
10月上旬、そごう神戸店をはじめ関西にあるセブン&アイ傘下の百貨店3店を、H2Oリテイリングに譲渡という電撃ニュースが駆け巡りました。その衝撃度とインパクトは今年最大のニュースでした。来年度に継承手続を完了させ、従業員を含めて建屋を引き取ります。今後については3店舗の阪急百貨店への屋号の変更が検討されており、特に神戸店については建物の老朽化から建て替えも視野にあるとのこと。2012年、ハーバーランドにあった神戸店撤退以降、阪急百貨店の空白地区になった神戸エリア。同百貨店が三宮の一等地に返り咲く可能性が高まると共に三宮再開発の新たな中核施設となり、駅周辺地区の大幅な集積度アップと活性化の起爆剤となる事への期待も高まります。建て替え着手は現在、大阪梅田で進められている大阪神ビルと新阪急ビルの共同建て替え完了後とされていますが、検討開始は数年以内という可能性もあるようです。
3. 雲井通5-6丁目のバスターミナル整備を平成32年に着手
神戸市が計画する三宮再整備の目玉としている雲井通5及び6丁目地区に整備予定の中長距離バスターミナル。駅周辺に分散し、使い勝手の悪い現ターミナルの解消と共に、ターミナルの集約によって中距離バス路線網の集積も狙います。今後、阪神高速湾岸線の西伸部開通が実現し、神戸空港の民営化によって利便性が高まれば、三宮が関西の交通網の拠点に様変わりする可能性もあり、新ターミナルがその中心的役割を担う可能性もあります。
またターミナルの整備は複合開発とし、低層部にターミナル、中層部に商業施設、高層部にオフィスやホテルを入れた超高層再開発ビルになる予定。計画は段階整備で進められ、まずは市の施設となる中央区役所、勤労会館のある雲井通6丁目から着手。市は2020年に同街区の再開発に着手、2025年に開業する方針である事を発表しました。同地区開発の完了を待たずに、ダイエー三宮店の入るサンシティやコスモビルのある雲井通5丁目の開発にも着手する予定です。このターミナル整備計画の手法や概要は民間の知恵を導入する事を基本とし、アドバイザーの公募を開始しています。
4. 阪神高速5号湾岸線西部延伸事業化決定
長年、関西のミッシングリンクとして懸案だった阪神高速5号湾岸線の六甲アイランドより西から駒栄までのおよそ14.5kmの未開通区間の延伸工事を国土交通省が事業化を決定しました。最終的には駒栄から更に延伸されて名谷JCTに繋がり、関西空港から垂水JCTまでが一本の道路で結ばれる構想ですが、渋滞の激しい阪神高速3号神戸線や国道43号線、更には中国道の迂回ルートとしても期待されるだけにこれらの混雑解消が大いに期待できます。またこの道路は神戸港を横断するコースが計画されています。摩耶埠頭沖となる六甲アイランド-ポートアイランド間、和田防波堤と平行するポートアイランド-和田岬間の二区間は完全に沖合海上を通ることになり、巨大な吊り橋や高架道路の建設・誕生によって神戸港の景観も大きく変貌する予定です。総事業費約5000億円の内、国が半分を負担。地元の兵庫県と神戸市はそれぞれ約333億円を負担する予定です。完成までに約10年を要する事になりますが、これからの19年で神戸は大きくその様相を変える事になりそうです。
5. ファミリアホール売却 解体へ 跡地に三菱地所が超高層マンションを建設
神戸市が景観形成重要建築物に指定していた歴史的建造物であるファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)と本社屋のある相生町1の土地と建物を所有者のファミリアが三菱地所レジデンスに売却していた事が判明。三菱地所は建物を解体し、ファミリアホールは外壁の一部を保存して新築する建物の低層部とする予定です。
新築される建物は地上33階 地下1階 高さ120m 延床面積41,000平方メートル 総戸数352戸の超高層マンションとなります。ハーバーランドに続く三菱地所レジデンスの分譲マンションブランドである「パークハウス」シリーズのタワーになるものと思われます。来春着工し、2020年春に竣工予定です。
6. 神戸空港運営権民営化コンセッション開始
開港から10年を経た神戸空港は年間利用者数は直近で250万人。この数字は国内空港内16位ですが、1日30便、運用時間15時間の制限内でこの数字は立派ですが、機材の縮小化で需要予測からは年々、差が開く一方でした。事態の打開には運用制限の撤廃と就航先増による利便性向上が必須。この実現には関西3空港の一体運用が唯一の解決策となり、運営権の売却と民営化がその手段です。神戸市は今年からコンセッションに向けた手続を開始。すでに関西空港と伊丹空港の運営を担っている関西エアポート、その親会社であるオリックスと仏国のバンシエアポート、双日の4社が入札に向けての参加資格審査を通過しており、来年8月には事業運営者が確定します。その後、2018年から新事業者による運営が開始されます。もし関西エアポートが運営者となった場合、3空港の役割分担をどう再構築するのか。全体で航空需要を増やし、国内線はリニア新幹線との競合に備え、国際線はアジアとの更なる結びつきを強化できるか如何に今後の行方が左右されるでしょう。神戸空港のポテンシャルを最大限活かせるようになって欲しいですね。
7. イオンモール神戸南着工
神戸市中央卸売市場本場跡地で計画されていたイオンモール神戸南。建築資材や人件費の高騰や埋没文化財の発掘によって複数回の着工延期によって当初の着工予定から大幅に遅延し、その都度、施設規模も縮小されましたが、3年遅れの今年6月にようやく着工しました。建設工事は順調に進んでおり、来年6月末の開業を予定しています。同じくイオンモールが運営しているハーバーランドのウミエから2km圏内にあるという立地条件下で、どのような展開が待っているのでしょうか。
8. 建隆マネジメントが磯上通に新築するオフィスビルにイーライリリーが本社移転
旧居留地の建隆ビルに本社を置く建隆マネジメントが運営している磯上通5丁目にあるIPSXパーキング。敷地面積が約3,490平方メートルもある都心内では希少な大型開発用地に同社が大型のオフィスビルを建設。磯上通7丁目の三宮プラザビルを一棟丸借りして入居している米国製薬大手イーライリリーの日本法人である日本イーライリリーが新本社として移転するという計画が発表されました。地上10階建て 高さ49.82m 延床面積約23,560平方メートルの大型オフィスビルです。来年2月に着工し、2018年3月に竣工予定です。
9. メリケンパーク再整備 西日本最大級のスターバックス開業へ
開園から30年を迎える神戸ウォーターフロントのシンボルであるメリケンパーク。神戸港開港150周年記念事業の一環として、5億円を投じたリニューアルを実施中です。その改修の中で公園の集客力アップにスターバックスの園内誘致に成功。スタバは西日本最大クラスの店舗面積と座席数を構える新店を計画。公園のリニューアルオープンと同時の来春開業予定です。
10. イズミヤ神戸ハーバーランド店撤退
ダイエーが撤退した跡、ダイヤニッセイビルの北棟を一新して専門店ビル「ハーレ」に転換した際にその中核テナントとして出店し、その後、ビル全体がウミエに改装された後もそのまま営業を続けてきたイズミヤが7月に閉店、撤退しました。同時期にポートアイランドとハーバーランドに大型店を相次いで出店し、強気の攻勢を掛けたイズミヤでしたが、双方とも大きな成果は出せずに閉店となりました。跡地にはイオンリテールが来夏に「イオンスタイル」を開業予定です。
トップ10入りしなかったその他のニュース 出来事
🔸鈴蘭台駅前再開発ビル着工
🔸フューチャープラザ建て替え着工
🔸DUO神戸浜の手改修工事その2完成
🔸阿波銀行神戸支店建て替え完了
🔸ジ・アーバネックスタワー神戸元町通竣工
🔸JR摩耶駅開業
🔸兵庫県信用組合本部増築着工
🔸神戸医療イノベーションセンター着工
🔸カンデオホテルズトアロード神戸着工
🔸ホテルユニゾ神戸三宮着工
🔸さんちかリニューアル完成
🔸東遊園地芝生化社会実験開始
🔸代ゼミ神戸校跡にヤマハミュージック開業
🔸神戸BAL ANNEX建て替え完了
🔸MIUMIU神戸着工
🔸神戸国際フロンティアメディカルセンターが経営破綻、閉院
🔸三宮ビル北館にP&Gジャパンが移転+イカリスーパーが開業
🔸神戸アイセンター着工
🔸兵庫県立こども病院開院
🔸東京インテリア家具神戸ポートアイランド店着工
🔸ホテルモンテエルマーナ神戸アマリー開業
🔸地下鉄新神戸駅通路リニューアル完成
🔸葺合南54号線改良工事完成
🔸フォーエバー21三宮店が開業
こう振り返ると、かなり盛り沢山だった1年ですね。特に大きなプロジェクトも比較的小さな計画も今年が始まりの年になったものが多く、今年の神戸を漢字一文字で表すとすれば、「始」や「動」が相応しいかと思います。来年はこれらの計画の完成が目白押しの他、大きなプロジェクトの具体化等も期待できそうです。
来年も頑張ってブログを続けていこうと思いますので、よろしくお願い致します。
こべるん版 神戸10大ニュース 2016
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
こべるんさん。
今年は新しい神戸の幕開けの音がようやく聞こえ始めた年でしたね。待ちに待った三宮の再開発も始まりこれからが非常に楽しみですね。今年以上にインパクトのある発表がある事を期待しつつ、また来年も楽しく拝見させていただきます。1年間お疲れ様でした。
こべるんさん 今年も情報ありがとうございました 来年も楽しみにしています 良いお年を
今年一年お疲れ様でした。
こべるんさんの記事は素人でも分かりやすく、多角的に分析しつつ、コメント欄で更に様々な意見が観られる稀少なブログで毎日楽しみに観ています。
来年も様々な情報発信を健康第一でおねがいします。
あけましておめでとうございます。
こべるんさんのおかげで、僕はとても神戸が大好きになり、神戸について詳しくなりました。
こべるんさんの情報を毎日とても楽しみにしています。
今年もよろしくお願いします。
あけましておめでとうございます。
直近の10年は失われた10年でしたが、今後それを取り戻す10年になるのか正念場ですね。
しんさん
今年こそは三宮再開発の大型計画が具体化してくることを期待したいですね!市長選もありますし、市長が変わるにしろ変わらないにしろ、再開発計画が頓挫しないことを祈るのみです。
ご無理なさらず更新を続けてくださいね!
しん・こべるん様 明けましておめでとうございます。
さっそく、この10大ニュースの筆頭に負けずとも劣らずのビッグニュースが神戸新聞の一面に大見出しで記事が載っていましたね。
「神戸港に新複合施設、事業者公募へ 新港西地区」
~第2のハーバーランド誕生へ~
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201701/0009799237.shtml
この記事に対するこべるんさんの感想を是非拝聴したいです。僕の意見はあえてここには書きませんので・・・
というか、さっそく記事の執筆にとりかかっておられるのかも知れません。
本年も、目の離せない神戸になりそうですね。