少し早いですが、2015年も残すところあとわずかとなりました。今回も年末の特別企画として今年の神戸の動きをダイジェストで振り返ってみたいと思います。
3月
理化学研究所・融合連携イノベーション推進棟竣工
理研の新複合施設「融合連携イノベーション推進棟」が竣工。細胞をモチーフとした幾何学模様のフレームやパネルが非常に特徴的です。鉄骨8階建、延床面積約8300平方メートル。3-7階に各約50平方メートルの研究室を54室備え、最上階には200人規模の国際シンポジウムを開くことができるホールも設けられました。
4月
DUO神戸浜の手第一期改修工事完了
ウミエの開業後、大幅に通行量の増えたJR神戸駅南側地下街「DUO神戸浜の手」。開業より20年以上を経て、老朽化してきた2帆の通路を中心として天井や壁、照明等を大幅に改修して刷新。明るく生まれ変わった地下街は店舗の配置換えやデュオギャラリーを縮小・移転店舗スペースを増やし、より賑わいが連続する空間を生み出す事に成功しました。この工事は一期改修として実施され、二期工事は来春の完成を目指してすでに着手されています。
パークホームズ神戸 ザ・レジデンス着工
神戸金融事務センター跡地を三井不動産レジデンスが取得。ここに同社の分譲マンションブランドである「パークホームズ」の大型物件を計画。地上20階建の3棟構成で総戸数357戸と過去に三井不動産レジデンシャルが供給したマンション単体としては最大級の物件です。
クレフィ三宮リニューアルオープン
2005年の開業より10年の節目となる今年、ビルを所有する安田不動産が“Casual & Stylish”をコンセプトに大規模なリニューアルを実施。BEAMS等、新たに加わった中核テナントによってパワーアップして再開業しました。
中突堤延伸工事完了
これまでの中突堤の岸壁の全長は285m。これを20m延伸して、より大型の客船が着岸・係留できるよう小さな台座と係留ロープが止められる係留ボラードが設置されました。この工事によって7万トンクラスの大型客船が中突堤に停泊できるようになりました。しかし神戸港の大型客船寄港数は前年までの全国2位から5位に後退。寄港数が大幅に減ったのではなく、九州の各港への寄港数が大幅増加したことが原因です。
5月
みなと・大森ビル竣工
みなと銀行神戸駅前支店と大森工業ビルの共同建替プロジェクトが完成。地上9階建の複合ビルに生まれ変わりました。またこのビルの完成によってみなと銀行グループの機能が旧居留地の三宮伊藤町ビルから移転。同ビルはこれを機に解体されて売却。和田興産による再開発が予定されています。
JR神戸港駅跡にランニングコースが開業
JR貨物が所有するJR神戸港駅跡地の北側半分の4.1ヘクタールはスポーツ施設を中心とする再開発が進められています。神戸市とアシックスが共同で整備を進めてきたランニングコースや自転車歩行者専用道路が完成。全長約700mでみなとのもり公園からHAT神戸までを結んでいます。小野浜公園横には別途、ウッドチップを敷き詰めた500mのウッドチップジョギングコースも整備されました。
6月
JR摂津本山駅改良工事完了
JR西日本と神戸市が進めてきたJR摂津本山駅の橋上化工事と駅前広場の再整備が完了。南北自由通路および橋上駅舎の供用はすでに先行して昨年11月に開始、残りの南北の駅前広場整備等も完成し、全ての事業が完結して長年の懸案が解決しました。
7月
アルプス三宮ビル竣工
JR三ノ宮駅北側の琴ノ緒町5に完成した商業ビル。アルミカーテンウォールに覆われた新ビルは夜間にはファサードに埋め込まれたLED照明によって特徴的な夜景演出が施されており、昼夜を問わず、三宮北側の新たなランドマークとなりました。
9月
神戸市が三宮再整備構想を発表
久元市長が就任後、2年を費やして検討を続けてきた三宮の再整備構想案が明らかに。歩行者優先の駅前を基本コンセプトとして「神戸らしさ」に拘りを持つ計画の推進を掲げました。30年掛けて段階的にフラワーロードや中央幹線の車道幅員を減少させ、最終的には封鎖してしまう他、バスターミナルを三宮東地区に整備。2号館の高層化も視野に検討を進めます。しかしながら肝心のJR駅ビルや阪急駅ビルの建替計画との再整備構想がどうリンクするのかは未だ明らかではありません。
10月
OTOWA元町竣工
安田不動産が自社ビルである安田中山手ビル跡に建設した賃貸マンション。『音楽好きな人のためのコミュニティ賃貸マンション』 をコンセプトとしたオリジナリティ溢れる賃貸住宅で、個室は通常の賃貸マンションと同様にプライバシーが確保されていながら、音楽スタジオ、AVルーム、ラウンジ等の充実した共用部を設けることで共通の趣味や仕事を抱える居住者同士の交流が広がる事が期待される新時代の賃貸住宅の提案です。
ワコーレ・トアロード・ザ・スイート竣工
明治安田生命三宮ビル跡に建設された和田興産の最新分譲マンション。トアロード沿いに立つ建物ということでファサードはバルコニーを設けず、ホテルのような佇まいと色調、外壁材を採用。デザイン性に非常に優れた都心立地の分譲マンションで1階には店舗も設けられています。
市と県が新長田に行政庁舎建設を決定
昼間人口が伸び悩み、再開発ビルには空きテナントが多く存在するJR新長田駅南側の再開発地区。ここに神戸市と兵庫県が共同で1000人規模の職員が勤務する庁舎ビルを建設し、エリアの活性化を図る計画を発表。先日、この新業務ビルには県は県税事務所や県住宅供給公社神戸事務所が移転候補となっている他、市からは税務部門4課と9区の市税事務所、市営住宅の入居募集などを担う市の外郭団体「神戸すまいまちづくり公社」が移転予定です。前述の公社は現在、三宮の再開発ビル「さんぱる」に入居しており、この移転は同エリアに予定されているバスターミナル整備の布石でもあるようです。
東横INNJR神戸駅北口が開業
和田興産が建設した和田興産相生町ビル。中核テナントにビジネスホテルチェーン大手の東横インが入居。地上14階、170室の客室を備え、延床面積は2,875平方メートルの「東横INNJR神戸駅北口」として開業しました。神戸市内では4店目の東横INNです。
11月
ワコーレシティ神戸三宮竣工
三井倉庫が保有していた浜辺通6丁目の広大な土地を和田興産が取得。同社最大クラスの分譲マンション計画を実行。471戸全戸を即完売した超人気物件が竣工。
ザ・パークハウス神戸ハーバーランドタワー竣工
三菱地所レジデンシャルをはじめ複数企業が共同開発した地上36階建 高さ123.346m 総戸数345戸の超高層タワーマンションプロジェクト。日本郵船から地所が土地を取得後すぐに着工予定でしたが、リーマンショック、東日本大震災を要因として幾度となく計画凍結を繰り返してきましたが、ようやく計画が再始動。満を持して、ハーバーランド最高層のタワーレジデンスが誕生しました。
ワコーレ神戸三宮トラッドタワー着工
磯辺通にて和田興産が新たなタワーマンションプロジェクトを始動。地上20階 総戸数194戸の分譲マンションを建設。ワコーレシティ神戸三宮と同様にIAO竹田設計、長谷工コーポレーションと組んだ新プロジェクトです。2017年11月竣工予定。
ワールドが神戸メディテラスをパルコへ売却
アパレル大手のワールドが自社所有の商業ビル「神戸メディテラス」をJフロント傘下のパルコに売却すると発表。パルコはこの場所に三宮ゼロゲートを開業する方向で検討中。
12月
三宮ビル北館竣工
20年の歳月を経て低層暫定ビルを南館と対となる北館へと生まれ変える復興再開発プロジェクトがようやく完成。神戸の都心としても6年ぶりに供給される大型オフィスビルとなりました。来年5月にはP&Gジャパン本社が六甲アイランドから移転してきます。三宮が外資系本社の集積地区へと変貌を遂げることになります。
第1突堤再開発事業完了 神戸みなと温泉 蓮、ラスイートオーシャンズガーデン開業
リーマンショックによって頓挫したダヴィンチパートナーズの計画に代わって再度仕切り直された新港第1突堤の再開発事業が完成。ラスイートが天然温泉を売りとした和モダン旅館「神戸みなと温泉 蓮」とコンベンション施設である「ラスイートオーシャンズガーデン」を開業。ウォーターフロントの新たな起爆剤として、一連の突堤開発の急先鋒としてエリアの活性化が期待されています。
今年はどちらかと言えば「耐」の文字が相応しい年ではなかったかと思います。しかし振り返ってみると近年の神戸にしては珍しく業務ビル、ホテル、商業ビル、超高層マンション、地下街と多岐に渡ってバラエティ豊かなプロジェクトが目白押しでした。またほとんどが長年追跡してきた大規模プロジェクトが年末に集中して竣工を迎えました。そのどれもこれも紆余曲折を経て完成したものばかりで感慨深いです。また秋以降には将来に向けて新たな動きが判明したものも多く、神戸の不動産市況が活発化してきました。来年2016年は三宮再開発がようやく具体的に動き出すのかどうか。阪急ビルが着工に漕ぎ着けられるのか、JR西日本の開発概要が明らかになるのか。これの動きが最も重要視される年になるのではと期待を込めて見守っていきたいと思います。
本年1年も皆様の暖かいお声に非常に励まされました。来年も何卒、よろしくお願い申し上げます。
2015年の神戸を振り返る
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今年一年ご苦労様でした。このブログのおかげで、神戸市の中心エリアで今何が起きているのか?起きようとしているのか?を私たちは知る事が出来ます。
これからも楽しみにしております。
Ps.阪急の駅ビル計画は、神戸市の決まらない三宮再開発計画が足枷になっている事が明らかとなりました。JRもまた然りでしょう。
阪急の現店子の立ち退き発表は、都市再開発の絶好の環境下、小田原評定を繰り返えす神戸市に対する示威活動に思えます。これら都市再開発に不可欠な企業の動きに呼応できない行政に失望した1年でもありました。来年は、株式会社とも言われた往年の神戸市のように、決断・実行を行える組織に生まれ変わって欲しいと願います。
こべるんさん、この一年お疲れ様でした。
毎朝仕事前に貴ブログを拝見するのが日課となっております。
ところで、こべるんさんも気が早いですね、来年は2016年ですよ。笑
さて来年は三宮開発の大本命である、JR、阪急の両駅ビル開発の具体的な動きに注目の年でしょうね。阪急はある程度の目処が立ちそうですが、JRは?がつきますね。
現在、駅IFコンコースのほとんどの柱に囲いができ、耐震補強工事中の表示がされております。なんとも残念な景観ではありますが、逆に美装化されないほうが、再開発への期待が膨らみます。
JR西も北陸新幹線が好調で社員に一時金が出たらしく、資金的にも余裕があるようです。この好機に是非ともすばらしい計画を発表してほしいものです。
今年一年も毎日たのしみにサイト訪問させていただきました。
来年もたのしみにしております。
sirokumaさん
こちらこそお世話になりました。いつも的確なコメントや為になる情報をありがとうございます。三宮再整備は来年の具体的な進展に期待したいですね。来年も頑張って更新していきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。
夢想家さん
こちらこそいつもコメントありがとうございます。毎朝見て頂いてるのですね。三ノ宮駅構内は耐震工事完了後の柱がどう修復されるのか注視しています。資金があるのなら早く構想を具体化させて欲しいですね。来年もよろしくお願い致します。(PSご指摘ありがとうございました。修正しています)。
ひろチャンさん
こちらこそお世話になりました。いつもコメントありがとうございます。来年もよろしくお願い致します。