ようやく中突堤旅客船ターミナルかもめりあ横の複合商業施設プロジェクトが再始動するようです。今年2月に建築計画が決定し、その着工時期は3-4月辺りを予想していましたが、3月11日の大震災以降、市況や経済状況の悪化から再び計画の行方を心配していました。しかし8月に入り、事業者の一社である日本セレモニー社の子会社であるFive Star社が施設のホームページを公開、また中突堤中央ビル内に開設準備室を設けました。
これまで単なる白地だった建設予定地の仮囲いにも同施設の概要等が描かれています。施設名は「ノートルダム神戸」。2月の段階で神戸市及び報道各社は建物構成を以下と報じました。
規模:地上6階 延床面積:約14,830平方メートル
用途:物販、飲食、バンケット等の複合商業施設
1-2階 スイーツテラス、レンタルブティック他
3-4階 バンケット
5階 レストラン
6階 ラウンジ・バー、チャペル
屋外アトラクション マルチメディア ミュージカル ファウンテン
(噴水システム)
壁面には完成予想パースが数パターンに渡って描かれています。この建物のデザインですが、個人的にどうしてもアニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルアーマー「ビグザム」とZガンダムに出てくる同じくモビルアーマーの「サイコガンダム(変形する前)」に見えてしまいます(歳がばれてしまいますね・・・)。
これまでは公表されていなかった北面の様子も描かれています。良いか悪いかは別としてインパクトのある建物であることは間違いないですね。最上部のチャペルの屋根を司るオブジェのデザインは同様に海辺に立つオーストラリア・シドニーのオペラハウスをも思い起こさせます。夜間にはオペラハウス同様に照明演出が施されるのでしょうか。
まだ工事は着手されていませんが敷地内には管理事務所がすでに設置されていました。一通りこの広い敷地の仮囲いを一周してみましたが、期待していた建築計画のお知らせの掲示もまだ(8/6時点)でした。
気になるのはやはりミッドポートプロジェクトとして基礎工事段階まで進められて頓挫した前計画の置き土産です。コスト削減を考慮すると、この基礎を解体せずに再活用した設計を施すのが一番かと思いますが、数年間放置されてきた状況で建築的にそれが可能なのかどうかは定かではありません。着工すれば自ずと判明するでしょう。
神戸はウエディングシティの名に相応しく市内各所に結婚式場を備えた施設が集積しています。都心部では特にウォーターフロントや北野エリアに施設が集中しており、近年も続々と新たな式場が誕生しています。ノートルダム神戸の開業後、中突堤を取り囲むエリアを中心としてウエディングビジネス戦争が更に激化することは必至です。
そもそも景観の優れた周辺エリアにはメリケンパークオリエンタルホテルやホテルオークラ等のシティホテルが整備されており、これらにチャペルや式場が併設されていることは言うまでもなく、これまではウォーターフロントウエディングを独占してきました。
しかしルミナス神戸等のクルーズ船が船上ウェディングを始めた他、ウェディングに特化した施設が続々とエリアに集まり始めました。
1997年に開業したエスタシオン・デ・神戸は中でも早くからハーバーランドに近接した地区での営業を始めた施設です。クラシックモダンな外観が人気を集め、ホテルではない総合式場としてその存在感は健在です。
ハーバーランド内神戸阪急横にオープンしたパルティーレ神戸ウエディングビレッジは現在はアニヴェルセル神戸とその名を変えて営業しています。この他、これらの巨大施設に規模では劣りますが眺望と立地を活かした小粋なバーバートライストチャーチにも人気が集まります。
都心ウォーターフロントのブライダルビジネスは新たに既存施設の改変という形で進出が可能のようです。メリケンパークの海洋博物館2階にはThe Terrace of Kobe Pacificという結婚式場が開設されました。屋上を使ったオープンテラスチャペルが売りとなっています。
都心ウォーターフロントだけがブライダル運営会社の投資の矛先ではありません。神戸空港島の西端にオープンしたラヴィマーナ神戸。中央区にありながらリゾート感という意味ではこれ程それを体現している施設はありません。この写真だけならまるで海外の南国リゾートと言われても分かりませんよね?立地的にも日本各地から飛行機でフライインしてすぐに式が挙げられる/参加できる、ウエディングシティ神戸を各地へ浸透し得る施設の急先鋒かもしれません。
都心エリアでも新たな施設が急増中です。中央通りではセントモルガン教会が建設中で来春には開業する予定です。
少子高齢化を迎える社会の中でこれら多くの施設が競争の激しいウエディングビジネス戦争の中を生き残っていくにはやはり阪神や関西エリアのみをターゲットとしているのではなく、各施設、市、観光業界が連携して今以上に神戸をブライダルの街として全国そして海外までを視野に入れて売り込む戦略が必要になってくるでしょう。日本人がバリやハワイでの挙式を行うように、海外の人々がKOBEでの挙式+KANSAIハネムーンに憧れる、そんなイメージ作りが大切になると思います。もちろんそれには各施設が言葉等を含めた海外顧客の対応を行えることが大前提です。
さて、最後にかもめりあ東用地の複合商業施設に話を戻しますが気になる点が二つあります。
1. ノートルダム神戸は施設全体を表す名称なのか、それとも単に式場施設に限定されるのか
2. ノートルダム神戸の公式ホームページ内の建物構成には発表にあったスイーツテラスやレストラン等の一般客が利用できる施設の整備には触れられていないがどうなるのか
http://notredame-kobe.com/
1に関してはまだ定かではありませんが、2に関しては神戸市みなと総局経営企画部企業誘致課の方に問い合わせた所、「スイーツテラスを含めた施設の建築計画については、平成23年2月15日の発表内容から変更無く、一般の方々にも広くご利用いただける複合商業施設として開業される予定」との回答を頂きました。
建物南側に整備される噴水と併せてウォーターフロント活性化の起爆剤を担う複合施設の誕生が来秋に控えています。
ノートルダム神戸 -かもめりあ東用地-
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やっと動き始めましたね。僕には屋根の部分が神戸港を飛ぶカモメを連想させます。イメージしたんかな?
ジョーさん
カモメとも言えなくはないですね。実際完成してみるとまた違った印象を与えてくれるかもしれません。本日確認した所、工事にも着手したようです。ここまでたどり着くまでに長かったですね。
久々の港の動きで、神戸港復興へと更に期待が膨らみますね~!