住吉ツインタワー計画

住吉ツインタワー計画近況

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月日が経つのは非常に早いもので、前回、住吉を取材したのが1月後半だったので、すでに5ヶ月近くが経過していることになります。ただ毎朝通勤途中のJRの車窓から建設されているプラウドタワー住吉のタワークレーンを日々確認しつつ、あまりその高さに変化がないことは把握していました。

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プラウドタワー住吉は旧田崎真珠の社員寮跡地の再開発事業で、土地を購入した野村不動産が地上29階 高さ99.95mを日建ハウジングシステムの設計、熊谷組の施工で進めているタワーマンション計画です。現在、4-5階の躯体工事が行われている状況です。地下及び基礎階の建設にはかなりの時間を要したようですが、同じく野村不によって建設が進められているプラウドタワー神戸県庁前もどちらかというと、かなりスローペースで建設が進んでいます。

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個人的に鉄筋コンクリート造の建設工程にはあまり惹かれません。地道な作業のように見えるのがその理由ですが、超高層建築物の建設においては進化を遂げてきたより高度な建築技術なのでしょうね。共同住宅に多く採用されているこの工法ですが、柱の配置計画でのメリットや防音性、保湿性、耐火性、そして耐震性に優れていることがその理由に挙げられます。しかしかつては重量がネックで超高層建築には向いていないと言われた工法でしたが、コンクリートの強度が向上し、ラーメン構造の進化によってRC造はもはや超高層住宅においても主流となりました。一方でオフィスビルやホテルの建設で未だ多く採用される鉄骨造はその建設過程がいかにも重厚な建設工事といった雰囲気がムンムンなのが魅力です。まあ建物が完成してしまえば、どんな工法であろうと外観上にはあまり違いはないのですが・・・・。

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組まれていく鉄筋の様子です。梁や柱が屈強な鉄筋で構成されている様子がよく分かります。ここに更に強度の高いコンクリートが打設されます。近年、神戸市内に建設された超高層マンションもほぼ間違いなく鉄筋コンクリート造が採用されています。私が覚えている限りではD’グラフォート神戸三宮タワーが珍しく鉄筋鉄骨コンクリート造だったと思います。

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ちなみにこちらが2004年に建設過程にあったD’グラフォート神戸三宮タワーの様子です。中心部に伸びる鉄骨が悩ましい限りです。建設当時は日本一の高さを誇る免震構造建築でした。SRC造ですので建設コストは最も高いです。

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そしてこちらは商業施設とオフィスの複合ビルである建設中のミント神戸です。鉄骨を組み上げてカーテンウォールを取り付けいく過程が「萌え」ですね。

その他、私がRC造をあまり好まなかった更なる理由の一つが、建設スピードの遅さだったのですが、プレキャスト工法の確立によって最近では1フロア3日での建設が可能となったようです。近頃では鉄筋が無数に空に向かっている姿も魅力的に思えてきました。

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さて、話が脱線しましたが、今回の住吉訪問で最も確認しておきたかったのが、こちらの旧東灘区役所跡の再開発計画の進捗状況です。住吉学園が事業主体となって進められている再開発複合プロジェクトで、既存建物の解体、更地化から計画公表後の着工まで約1年の期間を要していました。

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「東灘区住吉東プロジェクト新築工事」という仮称が付けられ、すでに着工しています。ここにだんじり資料館、図書館を併設した地上28階 地下1階 高さ98.95mの超高層マンションが誕生します。建築計画のお知らせによると、設計は昭和設計、施工は長谷工コーポレーションが請け負っています。

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プラウドタワー住吉とは住吉川を挟んで向かい合っており、私が便宜上、住吉ツインタワーと呼ばせて貰っていますが、まさに双子ビルとなること請け合いです。

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二棟の超高層タワーレジデンスの完成予想図。同時期に建設中のこれらの超高層建築はそのデザインや色調にも統一感を持たせているのか共通性が見られます。パースを見る限り、住吉東プロジェクトの敷地計画は意外にも2号線に面してレジデンスタワーが建ち、南側に公共施設が配されるようです。南に近接する住宅に配慮した結果なのでしょう。当初の計画では32階 高さ113mの規模でしたが、縮小されてプラウドタワーとほぼ同じ高さになりました。

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数年後には国道2号線を囲むように住吉駅周辺を数キロに渡って超高層マンションが縦列することになります。一本の大通りを中心にその左右に超高層建築が連なる様もなかなか壮観な景色になるのではないでしょうか。

もっと大きな視点で考えると2号線は東は尼崎から西は舞子まで阪神-神戸エリアを貫き、その沿道には各エリアの拠点を中心に数多くの超高層建築が聳えている「タワー銀座」とも言うべきストリートです。今後もこの東西の大動脈を取り巻く景観は引き続きダイナミックな変化を遂げていくことでしょう。



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POSTED COMMENT

  1. よこはま市民 より:

    BLOG移転おめでとうございます。
    写真が非常に見やすくなってビックリしました。

    以前のブログでもあったミント神戸ですが・・・・・写真でみると港にある大型倉庫のような外観に見えてしまします。
    (すみません。)

    東灘区住吉東プロジェクトですが、完成が楽しみですね。
    (街中なのにリゾートマンションみたいで面白いですね。)

  2. ヨット より:

    ブログ移転おめでとうございます。
    前と画面の色から何から雰囲気一新ですね。

    住吉川近辺は山手~2号線~43号線~河口付近まで周囲の環境と
    河川の整備がマッチしてすばらしい住環境ですよね。
    車で芦屋側から国道2号を走ってくるときにちょうど住吉川付近に
    向かって上り勾配になっていて、その時、六甲ライナーの高架と
    その向こうのタワマンが上り勾配も相まってそびえ立つような迫力が
    軽く感じられて結構好きなんですが、住吉ツインタワーが完成すれば
    もっと迫力ある光景になるでしょうね。楽しみです。

    ところで、仕事の資料を整理していると神戸市がハーバー建設前に
    作成したハーバーランドのパンフレットと、シェレナ前の水の壁の
    設計コンペ資料が出てきました。

    パンフレットにはモザイクだけがまだマンガで似ても似つかない
    モノが仮定で描かれておりなかなか面白いです。
    今度、見開きA3でスキャニングしてアップしたいと思います。

  3. しん@こべるん より:

    よこはま市民さん

    リニューアル後の初コメントありがとうございます。

    このブログの1ファイルのサイズ制限があまり大きくないので、この際
    、元々の表示サイズを大きめにしてみました。

    ミント神戸:実物はもう少しマシかと思いますが、まあ褒められたデザインではないですね・・・。中層階に窓がないのは、シネコンが入っているからですが、塔屋階の穴といい箱なら箱でもう少し工夫が欲しかったです。

    http://livedoor.2.blogimg.jp/jzs160_vertex/imgs/8/f/8f148d43.jpg

    住吉計画は今後も経過をお知らせしていきますね。


    ヨットさん

    コメントありがとうございます。

    > タワマンが上り勾配も相まってそびえ立つような迫力が 軽く感じられて

    分かります分かります。私も好きです。ああいう感覚を画像で表現できないのが惜しいですね。

    > 神戸市がハーバー建設前に 作成したハーバーランドのパンフレットと、シェレナ前の水の壁の設計コンペ資料

    同じ物かどうかは分かりませんが、中央図書館にも数点、当時の資料が蔵書されています。モザイクのパースはなかったかもしれないので別物かもしれませんね。その資料にはダイヤニッセイビルのパース等もありますか?当初は30階建てのオフィスタワーの計画で、北東の角(旧コムサの位置)に配置される予定だったようです。ヨットさんの資料、楽しみにしていますね!

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