先週、通勤途中の車窓から鉄骨建方が始まっていた様子を見つけ、記事内で速報としてお伝えしました。近日中に取材するとしましたが、毎日、車窓から工事が進捗していく様子を尻目に、週末が待ち遠しくてたまりませんでした。
建物本体工事の着工から約8ヶ月、既存建物の解体着手から約1年9ヶ月。ようやくこの時を迎える事が出来ました。
解体された旧神戸阪急ビル東館の東側部分に新しい神戸阪急ビルの低層部が姿を現し始めました!初代神戸阪急ビルの姿を踏襲する新ビルのシリンダー部となる鉄骨もしっかりと確認できます。現状、4階まで鉄骨建方が進んでいます。
北側から見ると、新ビルはまだ未解体の既存ビルと比べてかなりせり出して建設されているのが確認できます。
3-4mは出ているでしょうか。このまま建設が進むとほぼ歩道を覆うように建物が立つ事になります。歩道はピロティとしてビル内部に取り込まれる事になるものと思われます。今後、三宮クロススクエアの整備方法にもよりますが、高架沿いのサンキタロードも車道が廃止される可能性があります。
仮囲いの上端のすぐ上に見える鉄骨梁が2階の天井となる部分かと思われます。
通常、これ程の規模の建物を建設する際は特に1-2階は階高を大きくとってシンボリックで開放感のある吹き抜け空間を設けますが、今回の建物は高架下にある既存の駅コンコースとレベルを合わせなければならない為、この部分の階高は変えられません。しかし吹き抜け空間は以前よりも拡大する事で開放感のあるコンコースを演出する予定です。
低層部はまだあと2フロア分の鉄骨建方が進められ、6階に達する予定です。用途としては、1-3階がコンコースと商業施設、4階から上はオフィスフロアとなります。
現在はI期工事として上図の状態です。今秋にはI期部が完成して、阪急東口改札コンコース・JR駅西口改札及び市営地下鉄への連絡は既存経路から新ビルを経由する新しい通路へと変更されます。これに伴い、既存経路は閉鎖されて旧ビルの西側の解体が開始されます。
鉄骨建方が始まると建物のスケール感がハッキリするので完成時のイメージをより明確にする事が可能になります。カーテンウォールの取り付けが開始されるのが楽しみですね。パースと比べて外装の色調はどうでしょうか。I期部分の供用開始も非常に期待しています。残り西側低層部の構築後には本格的に高層化が進みます。
おまけですが、阪急阪神グループ傘下のそごう神戸店の壁面アール部の一部が養生ネットに覆われています。
阪神電鉄三宮駅になっていたので、現在の正式名称である神戸三宮駅とは相違していました。これを修正するついでにリニューアルを図るのか、それとも撤去してしまうのか。少なくとも新しい神戸阪急ビルが完成する2021年まではそごう神戸店の建て替え着手はないものと予想しています。
神戸阪急ビル増築工事 地上躯体現る!鉄骨建方開始!
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ありし日の阪急会館も、1階はトンネル状のわりと低いアーチ上の梁が並び、両端の改札とステンドグラスへ向かう上昇気流のような流れがかえって際立っていたように思います。20年も前の記憶なのでもう曖昧ですが、明るく開放的なだけでない陰影のコントラスト、むしろその暗さが、ヨーロッパ的というのか神戸的というのか阪急的というべきなのか(司馬遼太郎は神戸に明るさを横浜に暗さを見ましたが)、決してその時代で超一流のデザインではなくとも、それでもこれだけの想いを以て語られる名建築となった理由であるように思います。新阪急会館がそうした都市の記憶を生む頃に、おそらく我々はもうこの世にいませんが、また見に行ってみたいものですね。
この阪急駅ビルが一刻も早く出来ないか心待ちにしています。完成すれば三宮再整備に反対している人たちに、この駅ビルが与えるインパクトは計り知れないと思います。
三宮駅前景観形成協議会というセンター街の商店主中心の地元のまちづくり協議会なんですが、とくに会長が超高層ビル大反対してるんですよ。出来上がれば人でごった返すのは間違いないですから。
センター街のリニューアルはかなり大変です。ちなみに会長は元フライングタイガーがあった手芸屋さんの社長さんです。いい人ではあるんですがね。