阪急西宮北口駅は梅田、神戸三宮に次ぐ阪急沿線では第三のターミナル駅です。西宮球場跡地の再開発によって開業した日本一の売上高を誇るショッピングモール「西宮ガーデンズ」の誕生以来、関西でも屈指の人気居住エリアに変貌を遂げ、一時的には乗降客数が三宮を上回った程です。
その西宮北口に阪急電鉄が計画している新しい駅ビルが「(仮称)西宮北口阪急ビル B街区計画」です。地上10階 地下1階 延床面積11,600平方メートルの規模となります。
1-4階の低層部を飲食・物販等の商業施設、5-10階は教育サービスを用途とした施設として運用。すでに7-10階には関西学院大学が専門職大学院である司法研究科(ロースクール)などを移転する予定です。またビルの一部はコンコース及び連絡通路としても機能します。
設計は松田平田設計事務所、施工は奥村組が担っています。
ビルは阪急今津線のホームに接した南北に細長い敷地に建設されています。
すでに躯体工事は低層部4階までの鉄骨建方が進められています。
今津線のホーム後ろに新ビルが聳え立ち始めています。
ビルの竣工後は駅改札とガーデンズを結ぶ連絡通路がビル内部を貫通する事になります。
仮囲いと防護天井板に覆われた現在の仮通路です。この通路が。。。
こんな吹き抜けコンコースに生まれ変わります!店舗やビルへのメインエントランスも兼ねたこのコンコースは明るくモダンで品が良く、西宮北口の新しいランドマークに相応しいデザインです。
このビルに関して言えば、公開されている外観パースは2点。これに加えて内部コンコースも詳細に描かれています。何故、より規模と投資額の大きな神戸阪急ビルの公開パースは外観の1点のみ。新駅ビルのコンコースは西宮北口ビル同様に2層吹き抜けになる予定です。意匠はともかく開放感やサイズ感は西宮に類似するのではないかと思われます。
西宮北口をトップオブ関西に押し上げた阪急西宮ガーデンズ。年商780億円はショッピングモールとして全国一。西宮阪急を筆頭に248店が集結し、開業から10年を迎えるも全く色褪せる事がありません。600億円台からスタートして、8期連続で増収を続けているという驚異的な人気度を誇ります。そごう神戸店が売上を落としていった1つの要因にこの西宮ガーデンズの存在があるのではないかと思っています。
阪急は西宮北口を梅田に次ぐ沿線の商業拠点として重点投資を行っています。今回、建設されている西宮北口阪急ビルに先行して北口南阪急ビルを完成させている他、タワーを含む分譲マンションも多く供給し、西宮北口のブランド化を図る戦略を進行させているのです。
西宮北口駅は阪急神戸線と今津線の交差する交通の要衝でしたが、ガーデンズの開業前まではどちらかと言えば乗換駅のイメージが強く、駅周辺は雑然としていて、広域圏から訪問するような街ではありませんでした。
西宮市に西宮の名を司る阪急、阪神、JRの駅がありますが、どの駅前も開発度合いが中途半端で、はっきりとした都心部の存在しない都市でした。しかし今や西宮北口が抜きん出ています。西宮市も北口のシフト化に加担しており、兵庫県立芸術文化センターや大学等の文化・教育機関の誘致を行なって文教拠点としての役割もこのエリアに担わせようとしています。
駅の構造や規模から言えば、三宮と比べても遥かに大きく、ターミナル駅然とした様は威風堂々としています。広々としたコンコース内は優雅さをも醸し出しています。
西宮北口阪急ビルの完成は1年後の来秋を予定しています。西宮北口の発展ぶりを目の当たりにすると、そごう神戸店の譲渡先がH2Oである事に再度、期待を強くしました。神戸阪急ビルは限られた不動産資源を最大限に活用した再開発として評価できますが、やはり開発可能面積が小さ過ぎます。そうした意味で阪急にとっての三宮は市営地下鉄への乗り入れが実現しないのであれば、これ以上の発展拡大余地の無い不毛地帯化しかねない状況にあったのが、そごうの取得によって駅周辺に複数の優良不動産を手にする事となり、大きな開発ポテンシャルを秘める事になりました。西宮北口で示している阪急の開発手腕を三宮で今後、どう振るっていくのか。非常に楽しみです。
(仮称)西宮北口阪急ビル B街区計画
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乗降客もそこそこなのに、周辺にホテルがないのが不思議。
阪急沿線より阪神沿線のほうが、宿泊施設があるのは甲子園の影響なんでしょうかね?
西北にもせめてビジネスホテルくらいはできて欲しいです。
確かにホテル無いですね。需要はどうでしょうか。あまり事業所もないのでビジネス需要も無さそうです。ターミナル駅であれば終電需要等でビジホはあっても良いかと思います。