神戸発祥の子供服アパレルメーカーであるファミリアがJR神戸駅近くの相生町にある本社屋と歴史的建造物を活用したファミリアホールを東京資本の某大手デベロッパーに売却・譲渡した模様です。ファミリアホールは1900年竣工の旧三菱銀行神戸支店の建物を250席のホールとしています。敷地には30数階建ての超高層マンションが計画されています。高さ的にはいつもの120m級でしょうか。
今回の譲渡によって本社屋は解体撤去、ファミリアホールも外壁保存は行われるものの敷地は一体的に再開発される方針のようです。奇しくも今秋から放映開始のNHK銀河テレビ小説はファミリアの創業者をモデルとした主人公の人生を描くドラマになる予定です。ファミリア本社やファミリアホールはドラマ放映時には格好の観光名所にはるはずです。同社は6月にも三宮に本社を移転します。
景観形成重要建築物に指定されている歴史的建造物の解体は物議を醸しだしそうです。老朽化する近代建築の維持費はなかなか地方の民間企業には重荷です。最近でも元町の銀錦神戸ビル(旧神戸住友ビル)が老朽化による維持管理費を負担できずに解体されました。しかし今回、例え解体を免れたとしてもこれまでのように企業が私的に活用する場合、街の活性化貢献には寄与しません。可能であればこのまま商業施設に転換して欲しいところですが、例え高層部はマンションになったとしても、低層部は外壁保存によってうまく活用しつつ、カフェや物販店を入れた商業施設としてJR神戸駅・西元町・ハーバーランドの結節点となって賑わいと回遊性を生むような複合再開発を目指して欲しいです。また夜間にはライトアップして夜景にも貢献して欲しいと思います。
敷地全体を合わせると面積は3千平方メートルに達します。栄町通を挟んで向かいに建設中のパークホームズ神戸ザ・レジデンスが期待していたようなタワーマンションにはならず残念てしたが、まさかファミリア本社の敷地がこういう形で再開発されるとは思ってもみませんでした。
敷地内には比較的新しい本社屋の別棟も建てられています。
ホテルシェレナ跡地、金融貯金センター跡地、そしてファミリア本社跡地とハーバーロードと栄町通の交差点が次々と再開発されて、元々この界隈の持つ重厚感を維持しつつも全く異なった街並へ変貌を遂げつつあります。この流れは周辺地域に波及拡大する可能性があります。エリアにはNTT西日本が所有し、現在は住宅展示場として暫定利用されている大きな開発用地も存在します。老朽化したNTT会館も含めて再開発が進むかもしれません。JR神戸駅から至近距離でありながら、その立地を生かし切れずうまく活用されていなかったエリアですが、将来に向けて大きなポテンシャルを秘めています。それもこれもやはりハーバーランドの復活の影響が大きいですね。エリアの価値が高まれば、更には所有地の再開発を次々と手掛け始めた日本郵政が神戸中央郵便局をその対象にする日が来るかもしれません。
神戸市にはこの超高層マンションが低層部の近代建築とデザイン面で融合するように(例えるならば朝日ビルのように)、是非とも最初の消防条例規制緩和の対象第一号として欲しいです。神戸のタワーマンションが批判される1番の理由はそのデザインに起因するところが大きいと思います。なぜいかにもマンション然とした全周バルコニー型のタワーしか立たないのか。なぜ他都市にあるもっとスマートでデザイン性の高いタワーにならないのか。全ては神戸市独自の消防条例が制約となっているからに他なりません。全居室からの二方向避難経路の確保が義務付けられている以上、タワーマンションだけでなく、これから建設される阪急やJRの駅ビルに整備される高層階のホテルでさえ、バルコニーのような避難路が外壁面に突き出し、マンションのような外観にならざるを得ないのです。久元市長や各市議はこの事を認識されているでしょうか。
ファミリア本社屋とファミリアホール売却
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外壁だけ残すタイプの高層建築物は嫌だなあ。
どうせタワマンにするならシティータワー三宮レベルの高さにしてほしい。
神戸市はいつも低すぎますよね
こべるんさんの魂の叫びが聞こえるような記事ですね。まずは久々の超高層建築ニュースに喜ぶ反面、明治大正の近代建築ファンとしては少し複雑な思いもあります。
ヴォーリズ設計の大丸心斎橋店が下層をリユースして建て替えられるように、ファミリアホールも外壁保存されるようですが、重文以外の近代建築は(内装はとくに)一度取り壊されると完全な再建は難しいと思います。オフィス棟ならまだしもマンションとなると、もともと人が住むようにできていない近代建築との融合は機能的にもどうかと思いますがね。市が歴史的建造物群を売りにするポートセンター辺りに移築保存する方法はないものかとも思います。やるなら徹底してほしいです。
ファミリアの岡崎社長は売却に関して、市とも協議してきたと言っているのをみると、久元市長や市行政が都市景観に対して何を思っているのか一度聞いてみたいですね。
ほんとビルの高さ制限やら景観条例、消防条例などの超高層建物規制に何の意味があるのかという思いです。
ただ、こうなると朝ドラがヒットすればするほど様々な方面から反発が予想され、まだ一波乱二波乱ありそうな気がします。
あまり考えたくないですけど、東京に本社を移転する前準備の様な気がします。
今の社長は神戸愛なんて全く無いでしょうから
どうせ神戸市は保存するように要望は出しましたで終わりなんでしょうね
今の市長の疫病神っぷりは伝説級だと思います。
前のみなと警察の場所に移築してくれないかな~(跡地の公園なんて、誰も利用していないし)
又は、KIITOの駐車場への移築とか。
デザイン都市を標榜している割に、こういう事には無頓着な市だから、無理でしょうね。
ここ最近のこのエリアの発展ぶりは、
この建物が存在することによる付加価値によるところもあったと思います。
優れた建築を保存することにより周辺エリアのグレードが高まり、
人が増えて市の税収が増える、、、という流れを考えると、
神戸市が税金で買い取っても長期的にはプラスだったかもしれませんね。
この建物は戦災で屋根と内装を焼失していますし、
近代建築は現代建築と違って、外観だけでも完結した価値がありますから、
外壁をしっかり保存した優れたデザインの建物を期待したいと思います。
おしゃれな高層ビルが建てられるといいですね
神戸の魅力がなくなっていって残念です。
神戸がただのベッドタウンになっていきますね。
そのとおりです。神戸の未来はベッドタウンになることではありません。しかもこのような石造の建造物、普通ならもうできません。残念でたまりません。
マンションなんかはどこにでもあるものです。このようなこりにこったデザイン性の高い建築は今後はたしてできるでしょうか。貴重な財産にもかかわらずこわされていく・・。
・・・。
東京駅などは500億もかけて復元しています。そして自分の非力がなさけないです。
こべるんさんのおっしゃるように神戸市の無粋な消防条例にしばられ神戸には見るも無残で見苦しいマンションばかりが立っています。 ファミリア本社あたりもひどい例ですね。
高いマンションが増えれば増えるほど神戸の美しい空を無残に汚している といっていいほどです。 せめて高さを制限して神戸の空をこれ以上汚さないでほしいと言いたいほどです。
このあたりの情景を飾っていたファミリアホールがなくなるのは残念です。
一昨日、ファミリアホールの前を通るとスヌーピー像が撤去されていました。
神戸のレトロな建物などのイラストを描いて楽しんでいる者です。
ファミリアホールは明治33年竣工で 古いとされる海岸ビルジングより11年も古く神戸では最古の商業ビルです。 重要文化財の日本銀行本館(東京)より僅か4年後の竣工です。
ちなみに同じ神戸の商船ビルと神戸郵船ビルは今では日本を代表する大正時代の商業ビルといわれています。 明治期のファミリアホールがいかに価値のあるものかがわかります。 外部だけでなく内部の美しさは目を見張るほどで銀行時代の古い大金庫も残っています。 今までの維持管理は本当に大変なことだっでしょう。
耐震工事化に15億円もかかるので取壊しとなったと聞きます。
神戸だけでなく日本にとっても本当に残念なことですね。
今や50m以上の高さがある建物は今や日本中都市部では、どこでも存在しています。消防のはしご車でも届かない高さをどうやって人命救助するのですか?ヘリコプターを使っても無理でしょう。高層建築物では別の方法を考えるべきです。
逆にバルコニーがあることで高所平気症の子供が現れ、転落事故が相次いでいます。そのことはどう思われますか?