神戸市、国土交通省及び複数民間企業が官民連携で取り組んでいる神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業。バスターミナル、ホール、商業施設、図書館、オフィス、ホテル等、ありとあらゆる複合機能を盛り込んだ地上32階建ての超高層ビルが大林組の施工で建設されています。
この事業に参画する主要民間事業者の三菱地所は、オフィス、ホテル階のある11-32階中高層部の床を取得。既にオフィスフロアの一部にはアシックスが本社をポートアイランドから移転する事が発表されました。
同社は先週に施設一部が先行開業したグラングリーン大阪も主要事業者として開発に携わりました。
三菱地所のお膝元は東京・丸の内です。エリア最大の大家として複数の大型オフィスビルを保有し、最近は八重洲エリアにも拡大。現在、日本一の超高層ビルとなるトーチタワーを建設しています。
しかし同社は「非丸の内」も新たな戦略として掲げており、グランフロント大阪・グラングリーン大阪を皮切りに、名古屋・栄の錦三丁目25番街区で地上41階建ての超高層複合ビルを建設中。そして神戸では雲井通5丁目、福岡では天神IMS跡の再開発を進めており、全国の諸都市で大規模プロジェクトを手掛けています。
東京に本社を置く大手デベロッパーで首都圏外にここまで大型開発を展開している企業は無いのではないかと思います。住友不動産は東京以外はほぼマンションに限定されていますし、野村不動産は地方では中型オフィスかマンション、三井不動産は唯一、ホテル開発や商業施設の展開が認められます。NTT都市開発や日本郵便は全国に土地を保有する特別な事情があるので例外でしょう。
現場では、更なる深度への掘削に挑戦中です。山留壁に補強として設置されているアースアンカーも既に3列になりました。
中央の乗り入れ構台も東西を完全に横断しました。幅員の大きな構台の上では真下が大深度に掘削されている事には気づきにくいでしょう。
敷地南側も北側と同じ深さまで掘削が進められています。まだアースアンカーは2列。南北方向にも乗り入れ構台が設置される予定です。
三菱地所における丸の内が占める収益割合は35%。現在、売上高は三井不動産、住友不動産に次ぐ3番手です。今後の成長戦略を描くには、再開発の余地が少なくなってきた東京都心部のみでなく、非丸の内を新たなビジネスモデルとし、ノウハウを駆使して展開していくようです。
その初期プロジェクトに神戸が含まれている事は非常に喜ばしいですね。神戸には三菱造船や三菱倉庫、三菱重工等、グループ会社が多く集積し、縁深い土地でもあります。今回のプロジェクトには三菱倉庫も参画。このプロジェクトが成功すれば、更に次の大型案件に参画してくれる可能性もあるでしょう。是非ともさん・センタープラザの再開発に名乗りを挙げて欲しいと願っています。
雲井通6丁目については、事業協力者に竹中工務店が決定しています。再開発にはI期ビルとの連携が必要となりますが、スーパーゼネコンであってもデベロッパーではない同社がビル内の床取得も含めて施設の運営にも携わっていくのでしょうか。I期ビルと同規模とし、真のツインタワーを目指して欲しいと思います。
神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業 三菱地所の「非丸の内」戦略プロジェクトのひとつ
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いつも辛辣なコメントばかりで申し訳ないですが、港湾局のプロジェクト以外はもう財閥系のデベロッパーは今後、あまり参画しないのではと勘ぐっています。
理由は都市局絡みのプロジェクトに、最近あまり大手デベの名前を見ないからです。
大林組や竹中工務店、鹿島建設などかつて神戸市の黄金期を彩った大手ゼネコンは、現在揃い踏みしているのですが、ことデベロッパーに関してはタワマン規制絡みで敬遠されていると邪推します。
阪急の件もそうですけど、久元市長はどうも大企業と交渉ごとが苦手なようで、支配に置く都市局や企画調整局も融通が利かない若い職員ばかりですし、せっかく条例を熟知した職員もすぐ部署替えで異動が多く意見が言えなくなっています。
県知事だけじゃなくこの人もどうかなあと思います。