まもなく解体工事が完了し、新築工事に備えた準備に入る旧ホテルシェレナ西館跡地の(仮称)神戸市中央区元町通6丁目計画。和田興産が地上19階建て・総戸数100戸のタワー型レジデンスを建設する予定です。
前週に建築計画のお知らせ掲示による建物詳細についてレポートしましたが、明日18日にはこの計画について、住民説明会がHDC神戸内で開催される予定です。
この開催及び図書縦覧手続きの一環として、新たな建築計画のお知らせと完成予想パースの掲示が遂に行われました!
和田興産のワコーレシリーズはこれまで瀬戸本淳建築研究室、大土呂巧建築設計事務所が設計を専任で手掛けてきましたが、今回はIAO竹田設計が担当しています。
西側コーナー部にはバルコニーを設けず、2フロア毎にアクセントとなる庇が設けられます。またファサードを3つのフレームで構成し、基壇部となる1-2階は、重厚な柱で仕切ったカーテンウォールを採用。非常にデザイン性の高い物件になりそうです。
59.9mという高さに抑制する事で、市の消防条例の規制をかわしてデザインに柔軟性を得て、更に敷地面積を999.98平方メートルに調整する事で、市の住宅規制をも骨抜きにして、もう神戸の都心では不可能と思われていたタワー型レジデンスの建設を可能にしました。
ただ気になるのは、当初の計画では商業施設と住宅という構成で伝えられていたプロジェクトでしたが、建築計画のお知らせの用途には店舗の字は見当たりません。
元町商店街のエントランスゲートの一画を占め、そのスパンも大きい為、テナント区画を全く設けない計画に変更されてしまったのであれば、正直、残念です。
シェレナ西館の敷地の間に存在していた2棟の雑居ビルも今回の再開発を機に解体されるようです。
南側の建物から既に解体が開始されました。背の高い北側の建物も足場の組み立てが始まったところです。タワーパーキングの解体にも着手する事でしょう。
デザイン性の高いタワー型レジデンスの登場はエリアの新しいランドマークとなるでしょう。結局、ホテルシェレナは4棟の住宅棟に取って代わられる事になりました。
今回のプロジェクトは、今後、他社デベロッパーに対して、1,000平方メートル未満の敷地であれば、100戸のタワー型分譲マンションを神戸の都心でまだ供給できる事を示す事例になりそうです。
和田興産は近隣の栄町通5丁目の敷地面積775平方メートルで、80戸の分譲マンション計画も始動させる予定です。
こちらの物件は引き続き大土呂巧建築設計事務所が設計を担当するようです。
都心機能誘導地区内で、巧みに規制に従いながらも、柱となる分譲マンション事業を推進していく和田興産。行政の考える以上に民間企業はしたたかで、逞しいと言えます。
(仮称)神戸市中央区元町通6丁目計画
所在地 神戸市中央区元町通6丁目2-5他
事業者 和田興産株式会社
敷地面積 999.98平方メートル
延床面積 10,986.23平方メートル
高さ 59.99 メートル
構造 鉄筋コンクリート造
規模 地上19階 地下1階
建物用途 共同住宅 100戸
設計 株式会社IAO竹田設計
施工 東レ建設株式会社
着工予定 2024年1月
竣工予定 2026年10月
大阪では1000m2の敷地に100mオーバーがバンバン建設されているので、
もし神戸市の規制がなければここもその可能性があったと思うと残念ですが、
優れたデザインのマンションになる点は良かったです
元町商店街の西の玄関、旧三越跡に店舗を設けないならば街づくりに非協力的としか思えません。