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神戸市と山陽電車が事業連携協定を締結 須磨・垂水エリアを中心とした活性化を狙う



神戸市と山陽電気鉄道は、先月、山陽電車沿線の活性化を目指す事を目的とした事業連携協定書を締結しました。特に須磨・垂水エリアで行き交う人々の交流及びエリア活性化をメインとした協定となり、6つの連携項目を掲げています。

  1. 神戸市内の山陽電車の駅を中心としたにぎわいのあるまちづくり
  2. 須磨浦エリアの魅力発信と神戸登山プロジェクトの推進
  3. 須磨・垂水の沿線エリアを一体と捉えた公共交通による回遊性向上
  4. 垂水駅前活性化へ向けた協働
  5. 各事業に係る沿線への情報発信
  6. その他、本協定の趣旨を実現するために必要なこと


神戸市内西部を貫く山陽電車沿線は、山と海に挟まれた海岸線を走る風光明媚な車窓が魅力であり、様々な観光スポットが点在していますが、これまで、これらをまとめたツーリズム的な連携は存在しませんでした。

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連携プロジェクトの一環として、須磨浦公園、須磨海浜水族園、月見山駅周辺、須磨離宮公園を巡る周遊バスの試験運行、対象施設の入園・入場券と山陽電車・神戸市営地下鉄の乗車券がセットとなった企画乗車券の発売等の取り組みが開始されています。

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他にも五色塚古墳の最寄り駅である霞ヶ丘駅を「古墳の駅」として、再整備を行う計画です。副駅名「五色塚古墳前」を設定し、ホーム駅名標に付記している他、山陽電車の車内アナウンスでも放送を開始して、古墳をアピールしています。



リノベーション神戸の拠点駅として、神戸市が再整備を進めている垂水駅前の活性化についても協働を進めます。具体的には現在、山陽垂水駅前から東方向に向けて、歩行者経路や滞留空間を整備し、垂水駅前東広場や建設予定の垂水図書館との連携を深める予定です。建て替え中の三井アウトレットパーク マリンピア神戸への玄関口としても同駅前の重要性は高まります。



須磨離宮公園も沿線における非常に魅力のあるスポットです。



一部施設の解体と再整備が予定されている須磨海つり公園もリニューアルによる魅力向上が期待されています。この北側に広がる神戸市の須磨浦公園、山陽電車の須磨浦山上遊園も一体化が必要でしょう。活用を検討する須磨一ノ谷プラザも山陽電車と神戸市の連携による再開発が望ましいと思われ、これに須磨浦山上遊園のリニューアルも絡めていくべきではないかと思います。

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神戸須磨シーワールド・須磨海浜公園のリニューアルは沿線にも大きなチャンスをもたらす可能性を秘めています。



今回の事業連携協定は、沿線のテコ入れによる活性化という神戸市と山陽電車の思惑が合致した事による産物であり、前向きな姿勢は評価できます。しかしソフト面・ハード面双方でもっと大きく踏み込んだ施策やテコ入れも必要ではないかと思います。



山陽電車は神戸に本社を置きながらも、市内にはターミナル駅を持たず、実質の拠点は姫路です。同じく姫路が拠点の神姫バスは、神戸エリアへの投資を大きく増やしています。鉄道各社が非鉄道事業へのシフトに注力する中、今回の連携を皮切りとして、山陽電車も神戸市内で保有する不動産やリソースに対して、資本投入をしていくべきかと思います。
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