ポートアイランドII期

日揮ホールディングス バイオプロセス研究所研究棟 1棟目(JBX1)が竣工 2棟目の建設準備も開始?


日揮ホールディングスがポートアイランド2期地区・南島南町7丁目の敷地面積10,403.78平方メートルの土地を神戸市から取得し、ここに世界初となるガス発酵によるバイオものづくりの研究開発拠点「バイオプロセス研究所」を建設してきましたが、今月に竣工を迎えました。



研究施設本体棟は、地上4階 延床面積3,811平方メートルの規模で、JBX1と呼ばれています。



南と西面はメカニカルバルコニーで覆われていますが、目隠しルーバーは木目調になってデザインのアクセントになっています。



このバイオプロセス研究所は、二酸化炭素を原料に、微生物(水素酸化細菌)の力を使ってプラスチック原料などの有用物質を合成する「ガス発酵」の実証を行う施設です。近隣では、ITやAIを駆使して「物質生産能力を極限まで高めた微生物(スマートセル)」をデザインする技術で世界トップクラスの神戸大学も「バイオものづくり共創拠点」を開設したばかりですが、日揮の研究所も神大と強く結びついています。



また神大発のベンチャー企業で同じく神戸医療産業都市内に本社を置くバッカスは日揮HDから出資(第三者割当増資の引き受け)を受けており、同社がこの研究所で使用される微生物の提供を行います。日揮は、長年のプラント建設で培った「スケールアップ技術(実験室レベルから工場規模へ大きくする技術)」や生産設備の最適設計を担い、学術研究の産業化を目指します。



微生物を活用したものづくりの市場規模は世界的に200兆円規模と推定され、この研究拠点で実用化された技術が大きなビジネスをもたらす事が出来れば、更に周辺に関連企業の研究施設の集積、都心エリアへの関連企業の支社や場合によっては本社の移転等の波及効果も期待できるでしょう。



今回のJBX1は第1期棟とされており、敷地の北側にはまだ余剰地が残されています。また1期棟の完成後にもまだプレハブの建設事務所は解体されず、工事は継続しています。



建設事務所の前では地質ボーリング調査も行われていました。2期棟のJBX2を建設する為の準備調査かと思われます。2期棟の着工はあくまでも1期棟での研究成果次第というスタンスだったかと思いますが、成功を想定に2期棟建設を進める方針なのでしょうか。



医療産業の集積を目指してきた神戸医療産業都市ですが、その内容はバイオ産業にも及び始めており、寧ろこの分野での著しく成長が進む可能性が生まれ始めています。



これらの産業成長を後押しする国家プロジェクトも始動しています。JBX1の東隣では、理研の計算科学センターがスパコン富嶽の後継機を収容する新たな施設の建設が計画されています。次期後継機には京・富嶽の二つのスパコンを収容してきた現施設を使用せず、南側の遊休地を使って新施設を



現地では地質ボーリング調査が進められていました。富嶽NEXTについては、新名称の募集も始まっています。京が稼働を開始したのが2012年。富嶽NEXTは2030年頃の稼働開始を予定しています。

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