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地域探訪: 大阪・JPタワー大阪/KITTE大阪 かつて都市伝説化していた大阪駅前最大級の巨大複合ビル開発


日本郵便が保有していたJR大阪駅前の大阪中央郵便局他跡地の再開発で誕生した地上39階建ての超高層複合ビル「JPタワー大阪」。日本郵便、JR西日本、大阪ターミナルビル、JTBが参画して2024年7月に開業しました。



地下1階〜6階が商業施設の「KITTE大阪」、6階に空中劇場「SkyシアターMBS」、11-27階がオフィス、30-39階には「大阪ステーションホテル」という構成です。



大阪中央郵便局の解体が終わった後、非常に長らく着工せず、JPタワー大阪はもはや都市伝説として捉えられるようにもなっていた事が今では嘘のようです。

地上39階、地下3階、塔屋2階、高さ188m、延床面積約227,000平方メートルという巨大な建物は、三宮再開発の中核プロジェクトである神戸三宮ツインゲートの2棟を足してもこのビルの床面積には届きません。



南側には地下階から2階までを吹き抜けにした巨大なアトリウム空間。KITTE大阪の賑わいを通りにも滲み出させる造りとなっています。



地下はサンクンガーデンとなり、自然光が地下階に降り注いでいます。2階からはこのサンクンガーデンを見渡す事ができる設計です。



サンクンガーデンには1階からも階段でアクセスが可能な他、西梅田ガーデンシティの地下通路とも直結しています。



ガラスのエレベータータワーもサンクンガーデンのシンボリックなアクセントになっています。吹き抜けは大きなグリッドによって区切られ、館内から暖かみのある光が溢れます。



KITTE大阪の南側エントランス。余裕のある床面積を活用して非常に贅沢な空間となっています。



KITTE大阪は、「日本の良さを発見・再認識できる場所」をコンセプトに、全国各地のグルメや特産品が集まる商業施設です。やはり梅田の更なるオーバーストア化を回避する為、イノゲート大阪同様にテナントを飲食店にフォーカスし、巨大なグルメゾーンとして集客力を高めています。



エントランスを入るとすぐに現れる中央の巨大アトリウム空間。4層吹き抜けの圧倒的な開放感を得られるアイコニックな場所です。



地下1階は地元大阪の老舗から全国の繁盛店までが集まる、気軽にお酒を楽しめる横丁エリア「うめよこ」、2階には日本各地のアンテナショップが集結。上層階には、高級ステーキ、寿司、郷土料理などバラエティ豊かな飲食店が数多く入っています。



正面のアクセントウォールのようなクラシカルな壁面は、旧大阪中央郵便局の外壁を保存活用したレガシーをこのシンボリックな空間に設置したもので、土地の歴史を後世に伝える役割も担っています。



オフィスフロアへのエントランスゾーン。ロビーは6階にあります。基準階のフロアは貸室面積が約4,000平方メートル(約1,200坪)にも及び、西日本の賃貸オフィスビルでは屈指の規模を誇るオフィス空間です。



北側のエントランスはJR大阪駅西口通路と直結しています。



駅舎との間にはキャノピーが設置されているので、雨に濡れずに駅からアクセスが可能です。



JPタワー大阪とJR大阪駅との間に整備された小径。かつて高架下にあった商業施設は、縮小した分、KITTE大阪やイノゲート大阪のバルチカ03がその機能を代替しました。



アトリウム空間の北側のエントラスも広々として開放的です。施設全体に非常にゆとりがあります。



巨大な施設であるが故、KITTE大阪へのテナントの入居は開業時から満室稼働とはならず、段階的にテナントを埋めていく形で徐々に満床へとその歩みを進めています。一方、オフィスフロアへの需要は非常に高く、ほぼ満室状態のようです。



JR大阪駅のサウスゲートビルとは新設された歩行者デッキによってJPタワー大阪の2階に連絡しています。



全区間にキャノピーが付いている為、雨や陽射しを避けての移動が可能です。



最上層の大阪ステーションホテルは、Autograph Collection(オートグラフ コレクション ホテル)として、マリオット・インターナショナルが展開する世界各地の個性あふれる独立系ホテルが加盟するコレクションの高級ホテルです。国内では大阪の他に、東京、名古屋、京都にも加盟ホテルが存在します。



都市伝説になりかけていた大阪郵便局跡地の再開発は、大阪駅前における最大級且つ駅前南側エリアでのラストピースを埋めるプロジェクトでした。ターミナル駅前の超一等地に中央郵便局のある都市はほぼ必ずJPビルが建設される特典が約束されています。東京、名古屋、博多、広島、そして大阪。更には京都や横浜も今後の開発対象です。神戸は残念ながら中央局の立地が微妙なので、どのような開発が行われるのか定かではありません。近隣に開発用地も抱えていますが、今後、どうなるのでしょうか。



おまけですが、四ツ橋筋を北側から眺めると、フェスティバルタワーの隣に目下、建設中のパークタワー大阪堂島浜が聳えていました。特徴的な塔屋周りのフレーム装飾も構築が進み、梅田から中之島へと拡大する「キタ」の摩天楼が進化を遂げています。

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