鹿児島

地域探訪: 鹿児島・JR鹿児島中央ビル完成 AMU WEが開業 鹿児島中央の商業集積が西口にも拡大



JR九州は、各拠点ターミナル駅への投資を加速させていますが、博多に次ぐターミナル駅であふ鹿児島中央でも駅を挟んで東西で開発を進めています。



九州各駅に展開する駅ビル「アミュプラザ」を中心に、更にその周辺に新たなビルを追加で建設し、駅前の商業・業務集積を図っています。

鹿児島中央では、アミュプラザのある東口に対し、新たに西口の開発を進めており、4月に開業したばかりなのが「AMU WE」です。

JR鹿児島中央駅新幹線コンコース内と、新たに建設されたJR鹿児島中央ビルの低層部から構成される商業施設で、東口のアミュプラザと一体的に運用されています。



向かって右側にJR九州の運営するホテル「JR九州ホテル」へのダイレクトアプローチが造られました。



中央にAMU WEの入口通路。「ぐるめ横丁」となっており、飲食店が連なります。



両側にカフェやレストランを配置。観光客やビジネス客、地元の人々も重宝する駅ナカ飲食ゾーンです。



JR駅コンコースからダイレクトに続く飲食店街というのも珍しいのではないかと思います。



そして飲食ゾーンを抜けると、ビックカメラが広がります。ビックカメラについては、以前からコンコース内で営業しています。



ビックカメラの前には1階の駅前広場へと連絡するエスカレーターと階段。



駅前広場と鹿児島中央駅1階コンコース。新幹線駅の高架下が商業施設となっています。



2階から専用通路を使って、直接、JR鹿児島中央ビルへとアクセスする事が可能です。



新たに整備された鹿児島中央駅のエントランス周り。同駅は在来線が南北に走り、新幹線がその中央に西から接続したT字型の形状で構成されています。



完成したばかりのJR鹿児島中央ビル。地上10階 延床面積25,400平方メートルで、1-3階が商業施設(AMU WE)、4-10階がオフィスというフロア構成です。



ビル前のテナント案内とデジタルサイネージ。



中核テナントは、1階の「山形屋ストア」。新鮮でバラエティー豊かな食材を集めたスーパーマーケットです。鹿児島地域一番店の百貨店山形屋が運営するスーパーで、鹿児島、宮崎県内に展開しています。



2階のエスカレーターと駅からの連絡通路が交差する屋内広場。



かなり上質な雰囲気があり、百貨店とオフィスが融合したようなスタイリッシュな内装デザインです。



最新のビルらしく、天井周りには天然木材を多く採用。



AMU WEに集められたテナントは16店。テナント誘致期間はコロナ禍に重なり、リーシングには苦労したのでは思いますが、満床での開業を迎えられたようです。



ただテナントはクリニック等が多くを占め、アミュプラザの一部としては商業施設感は薄いです。同時期に市内のあちらこちらで再開発が進み、商業施設間のテナント誘致の綱引き激化とオーバーストアも否めない状況になりつつあるのかと思います。



鹿児島駅コンコースとは2階で歩行者デッキが渡されて連絡しています。



デッキ内の様子です。



ビルの建設と共に、向かいには新たな立体駐車場も整備されました。



ビルと駐車場間の通路は植栽の緑が溢れた潤いのある歩行者空間となっています。



駐車場2階とビル2階を繋ぐ空中通路も整備されました。



ビルの南側はプレーンな外観です。隣接地には分譲マンションの建設計画があります。



前述の渡り廊下から見渡す歩行者空間です。



この建物はオフィスビルとしての機能がメインかと思います。



駅前という一等地のロケーションを活かして、業績好調な企業や大手企業の進出や移転が進む事でしょう。システム開発会社の入居も決定しているようです。

鹿児島中央駅前には東口に南国殖産のオフィスビルが数棟立っていますが、西口の本格的なオフィスビルはこの建物が初かと思います。



このビルは当初、2018年度に着工、2020年の開業を予定していましたが、隣接地での新総合体育館整備の構想が浮上した為、計画を一度中断しました。しかし、その後体育館整備の断念を受けて、2021年に着工し、4月に開業しました。

従って西口周辺にはまだ開発余剰地が残されており、今後の鹿児島の状況によって、発展の余地を残しています。



東口のアミュプラザ鹿児島は、コロナ前の売上は、博多に次いで268億円。政令市である北九州市・小倉のアミュプラザを上回ります。また昨年度も218億円まで回復を見せました。AMU WEによる増床で、今年度は更なる売上増を目指す事になりますが、既存繁華街の天文館との競争は更に激しさを増すでしょう。

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