鹿児島

地域探訪: 鹿児島空港ターミナル 神戸空港の目指すライバル空港 将来的には規模も肉薄する模様



鹿児島の空の玄関口で、神戸空港ともスカイマーク航空によって結ばれている鹿児島空港。昨年の搭乗者数は551万人と国内第9位。国内トップ10に常に位置する有数の基幹空港です。



昨年の神戸空港はトップ10に返り咲きを果たしましたが、搭乗者数は343万人と、鹿児島空港との間にはまだ200万人以上の差があり、現状は鹿児島空港が圧倒しています。

国際化によって将来的に700万人を目指す神戸空港にとっては、鹿児島空港を抜いて9位に躍り出る事が当面の目標となり、まさにライバル空港という存在です。



鹿児島空港はれっきとした国際空港です。現在は韓国・仁川との間に国際定期便が就航しています。



国際線ターミナルは、国内線ターミナルとは別に存在し、仁川へは日本航空、大韓航空、デルタ航空、エアフランスの4社が乗り入れています。



コロナ禍では国際線ターミナルは完全に閉鎖されていましたが、昨年後半より国際線定期便が再開されました。コロナ中には国際線ターミナルの増改築工事を進め、延床面積は1.05万平方メートルとなりました。年間60万人を受け入れる体制を整えています。



コロナ前のピーク時では600万人が利用していた鹿児島空港。国内線については、日本航空、全日本空輸、スカイマーク、ジェットスター、フジドリームエアラインズ、ピーチ、ソラシドエア、IBEX等の複数社が乗り入れる他、JAL傘下の日本エアコミューターがハブ空港とし、離島線も数多く飛んでいます。



国内線ターミナルは、地上3階 延床面積3.65万平方メートル。国際線ターミナルと合わせると4.7万平方メートルの床面積を有する事になります。

神戸空港は、既存ターミナルが1.7万平方メートル。建設中のサブターミナルが1.86万平方メートルなので、合算しても3.5万平方メートルと鹿児島空港より小さく、700万人をこなすにはまだ床面積の不足が否めません。因みに鹿児島空港は現在の規模で800万人の利用を想定しているようです。従って神戸空港は既存ターミナルビルの改修・増築が必須になります。



鹿児島空港国内線ターミナルはかなり古い建物ですが、2012年にリニューアルを完工しています。



1階到着ロビーに設けられた観光・総合案内所です。



800万人の利用を想定している空港とあって、ターミナルの大きさは、福岡、新千歳程ではありませんが、それでもかなりの広さがあります。



鹿児島空港の発着便数は現在、約160便/日で推移しているようです。



神戸空港は来年より国内線の発着便数上限が120便/日に引き上げられると共に、国際線は40便/日に設定されるので、合計160便/日となり、鹿児島空港と遜色無い便数となります。



鹿児島空港国内線ターミナルの2階は2層吹き抜けの開放的で明るい空間が広がります。クリーンでシンプルなザ・空港ターミナルといった印象です。



お土産ショップも充実しています。



神戸空港のサブターミナルではギフトショップや飲食店がどの程度、充実させられるのか気になるところです。また既存ターミナルもコロナ禍で多くの飲食店が退店した状態が継続していますが、サブターミナルの稼働後には、700万人の利用者を見据えた既存ターミナルの再設計が必要かと思われます。



3階から見渡すターミナルビル内の様子です。大阪・伊丹空港の南ターミナルと同じ位の規模でしょうか。



このターミナルのシンボリックな空間は北側にあるレストラン街エリアです。空中回廊のあるアトリウムがシンボル性を高めています。



ドームのある吹き抜け。波打つエスカレーターを経て、展望レストラン街が3階に設けられています。



やはり空港内にも顔となる空間は必要ですね。



個人的に鹿児島のグルメは大好物で、黒豚、薩摩揚げ、きびなご、地鶏等、どれも美味です。九州で最も好きな県です。神戸とも縁は深く、鹿児島県人会もあります。



3階にはスカイデッキもあります。



柵もワイヤーなので、神戸空港よりも飛行機が見やすい環境です。鹿児島空港の滑走路は3,000m1本。国際線は前述の仁川・ソウルの他、上海、台北、香港に路線が開設されています。



搭乗エリア内の様子です。



しっかりとしたカフェも搭乗エリア内に備わります。



ラウンジも勿論、完備。



視認性の高いゲート表示と時刻表ディスプレイ。



十分な広さがありますが、歩き疲れるような広大なターミナルでもなく、程良い規模かと思います。動く歩道の設置が必要になると、空港内の移動が苦になってきます。



利便性と快適性を両立させる程良い規模の空港は年間利用者数が600-800万人程度までなのかもしれません。神戸空港が当面、ベンチマークとして目指していく鹿児島空港。神戸とはスカイマークが2往復便を運行しています。空港規模として、9位・10位の良いライバル関係を築いていければと思います。

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POSTED COMMENT

  1. Uターン より:

    昨年、3年ぶりに鹿児島へいきましたが
    足湯があり、鹿児島空港の歴史や飛行機の模型が
    展示されて飛行機の乗り降りだけではない工夫が
    ありました。

    神戸空港も温泉とまではいきませんが足湯や
    ワクワクさせるものがあればより魅力さが
    あがるのかなって感じました!

  2. EYESTAR より:

    質実剛健な造りのターミナルビル。
    その規模と、近年のリニューアルによって
    飲食店や売店の充実化を図るなど、
    どこを切り取っても伊丹空港とよく似ています。

    神戸空港も、当初の既存ターミナル拡張域を
    確認しますと、丁度伊丹空港や鹿児島空港の
    ターミナル規模とほぼ同じになっていましたので、
    700~1000万人の利用客数を目指すなら、
    これらと同等の床面積が必要という事になるのでしょう。

  3. さんたん より:

    仁川へ飛んでるのは大韓航空だけですね。日本航空、デルタ航空、エールフランスはコードシェアしてるだけです。

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