兵庫県庁再整備

兵庫県職員のテレワーク化は不評 兵庫県庁舎の在り方と現庁舎跡地の活用について



兵庫県が現在、実験的に行なっている県職員のテレワーク。出勤率を4割に抑え、残りの6割をリモートにする事によって、県庁舎を将来的に耐震性の立証された3号館のみにし、倒壊の恐れがある1号館と2号館は解体撤去する事が可能かどうかを検証しています。



しかしながら、県がテレワークを経験した職員に対して実施したアンケートでは、7割が業務の非効率化による弊害を訴えたようです。一般企業と異なる県職員の業務にはテレワークでは、「既存の電子データだけでは必要な情報が不足」や「オンラインでは正確な意図の伝達や気軽な相談が困難」といった指摘が挙げられ、現状で県庁舎の縮小を進めると、県民サービス低下への影響が避けられそうにありません。



そもそも1号館と2号館を解体撤去しても緑地にしかしないのであれば、都心エリアの希少な土地が何の生産性も生み出す事のない場所になってしまいますし、公園は既に東遊園地、磯上公園、みなとの森公園、メリケンパークと必要十分に確保されています。

県庁舎を解体するなら、その跡地には税収や賑わいをもたらす民間施設の誘致を目指すべく、その検討をいち早く始めるべきでしょう。元町駅周辺再整備の議論も県庁舎が白紙撤回されて以来、方針が定まらない事から立ち往生しました。


Xにこの県職員に行ったアンケート結果の新聞記事を掲載したところ、新神戸のコトノハコを新たな県庁舎の受け皿とすべきといった意見や新長田の再開発ビルを移転先に挙げる意見を頂きました。コトノハコなら現在の劇場を議事堂にも使えます。新長田も合同庁舎が既にあるので、素地は整っています。現知事が県庁のダウンサイジングが前提で、且つコストカットを目指したいのであれば、これらの既存商業施設を活用するのも有効的な手段でしょう。

維新の創始者である橋本前大阪府知事も大阪・南港のコスモタワーを市から購入して咲洲庁舎としました。橋本氏は行政側の身を切る改革を進めましたが、それだけでなく、民間活力を押し上げる規制緩和等も積極的に導入し、御堂筋の再開発が進むような施策を行いました。



もう一つの方法は、市役所2号館再整備と同様に、民間事業者に現庁舎跡地に高層施設を整備して貰い、その低層部を新庁舎として買い上げるもしく賃貸するというパターンです。



いずれにせよ、どういう形に県庁舎が落ち着くのかに関わらず、解体が決定している現庁舎の跡地は、緑地にするような呑気な事を言うのではなく、民間資金を活用した再開発を行う方針を早期に固め、その手法や概要を今から検討すべきで、これにJR元町駅や駅北側の再整備も絡めた面的活性化の議論を再開しなければなりません。

関連記事
兵庫県庁再整備

兵庫県が県庁舎等再整備基本計画策定支援業務 公募型プロポーザル 受託候補者の提案概要を公表!

2019年9月7日
こべるん ~変化していく神戸~
兵庫県が県庁舎等再整備基本計画策定支援業務 公募型プロポーザルの審査結果を発表し、隈研吾建築都市設計事務所・昭和設計・ウエスコ設計共同体 …

POSTED COMMENT

  1. kingi より:

    コトノハコを県庁舎化は素晴らしいアイデアですね
    しかしまあ
    あの県知事は何の期待もしていませんでしたが
    あそこまで酷いとは思いませんでした
    大阪ファーストの維新のス〇イなんじゃないですかね

  2. 神戸太郎 より:

    こべるんさんの意見に賛成です。県の経費削減というなら、新長田や新神戸のビルを活用すべきです。行政の職員が在宅で家にこもって仕事をして県民と向き合わないのは(前時代的と言われてしまうのかもしれないが)、ナンセンス。

    是非、空きビルを活用して活性化してほしいし、今の県庁の場所をホテルや商業、住宅などで有効利用してほしいです。

    山手から元町駅、元町商店街に至る再開発を停滞させるべきではないと思います。

  3. kkbb より:

    県職員の6割が通勤しないテレワークは一過性の県行政改革にすぎないと思います。
    とくに職員の通勤に関して言えばどれぐらいJRを利用しているか分かりませんが、元町駅の利用客が激減して駅及び駅周辺のリニューアルに多大な影響を及ばします。
    となると市営地下鉄や阪神など私鉄にも影響して、下山手地区も大幅な再整備が出来なくなると思われます。
    県職員の通勤のみならず、県庁に来庁する事業者や一般県民の利用も減少するため、元町・下山手界隈は人の往来が激減して寂れる一方になってしまう懸念があります。

  4. ひろちゃん より:

    こべるんさん、よくぞ言ってくれました。
    現在の県知事の考えが分からないと思っていました。
    県庁舎のみならず元町開発までストップしたままです。
    コトノハコ活用には大賛成です。
    そして県庁舎跡は、民間の知恵を使って高層利用する。
    是非、皆で声をあげましょう!

  5. S.Y. Kobe より:

    斎藤知事案に対して「精査するにつれて無駄や無謀さに気付き再び頓挫すると予想しますが事業は大きく遅れる事でしょう」と1年前コメントしましたが、予想通りの頓挫です。

    建物は長期にわたる維持管理に大きなコストが掛かります。中古ビルであれば尚更です。斎藤知事案には建物のLCC(ライフサイクルコスト)の発想が無く、とにかく節約アピールが唯一であって、発想は場当たり的で合理性に欠けます。職員の業務や県民の危機管理に対しても甘く見過ぎです。

    都心三宮の再開発が進展している現在、井戸知事案のような大規模開発の必要性は少し低下しましたが合理的な県庁舎を新築する必要は大いにあります。

    神戸経済ニュースによりますと 兵庫県は4月中にも「職員の新しい働き方・元町地区のにぎわいづくり・新たな県庁舎について」を検討する有識者会議を設定。斎藤知事は「今回立ち上げる検討会(有識者会議)も1年で終わるものではないと思う」と言う。新しい働き方や、元町活性化などを議論したうえで、「最後の論点として新庁舎をどうするのか検討する」と述べ、新庁舎を巡る結論は25年度以降になる見通しを示した。

    これでは県庁建替事業は斎藤知事任期中に結論は出ません。この知事は就任以来、県内自治体首長とも県議会ともギクシャクしたままで、身内の筈の県庁職員からも支持が無ければ県政運営は困難です。次期県知事に期待するしかありませんね。

  6. こべっ子LAND より:

    コトノハコなんてyoutuberが廃墟やゴーストタウンやらとネタにして配信していますもんね。

    神戸市にしても県にしてもほんと街づくりに対して酷すぎやしませんか?

    神戸のウォーターフロント開発にしても中途半端感が凄いですし、一体何がしたいのかがよくわかりませんね。

  7. こうべ山荘 より:

    斉藤知事は「ビジョンがない」に尽きますね。何をやりたいのかさっぱり分からないです。
    民間ビルを借り上げる案は私も賛成です。コトノハコや新長田の他にも、こべっこランド跡も使えそうですね。また、市役所新2号館が完成すれば、ハーバーセンタービルに大きな空きが出ます。活用できるビルはたくさんあるので、有効に使ってほしいものです。
    こべるんさんのおっしゃるように、JR・阪神元町駅前を含めた面的再開発を考えていくべきであり、それが神戸の持つポテンシャルをさらに向上させると思います。
    時期知事にはビジョンのある方を期待します。

  8. ハコモノ より:

    事務屋なのにテレワークで効率が落ちるということは、現状のIT化率が著しく低いということです。そこに何の対策もないままテレワークすれば、不評で効率が落ちるのも当然です。
    「言われたからやってみたけど出来ませんでした」
    要はこういうことでしょう。

    コミュニケーションツールとか、トップから下っ端まで流暢に使えることが最低条件だと思いますが、とても覚束ないんじゃないですかね。仕事より何より、まずそのレベルからですね。
    それが出来るようになれば、今の庁舎だろうがコトノハコだろうが効率は上がります。

  9. kingi より:

    緑地化と言い出した時は
    膝から崩れそうになりました
    相楽園や旧庁舎すら有効に利用出来ていないのに
    これ以上公園増やしてなんの意味が有るんだか
    いっそ1階テナント義務化条件にタワマンでも建ててもらう方がよっぽど賑わいが生まれるでしょう

    あの知事はビジョンが有って進んでるならともかく
    そのビジョンそのものが無いんでしょう

  10. KRT より:

    奈良県知事も維新になりましたが、様々な開発事業を速攻凍結した挙句メガソーラーを推進するなどダメな方の利権にしがみついて迷走しています。
    いい加減関西民は知らない間に自分達の身が切られていることに気づくべきです。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です