兵庫県庁再整備

兵庫県庁周辺再整備に今後の具体的な動きはあるのか?県知事のリーダーシップに疑念



井戸前兵庫県知事時代に策定された兵庫県庁及び周辺の再整備構想と基本計画は、斎藤新知事の就任に伴い、完全に白紙撤回されてしまいました。同知事は選挙時の公約として「県本庁舎は、テレワークの浸透などポストコロナ社会の働き方に合ったものとなるよう、現在の再整備基本構想を見直す。また、人や企業が集まり、地域の発展につながる県庁周辺一帯の再整備計画を公民連携により立案、推進する」と掲げました。



基本構想の見直しについては、現構想についてこれ以上の協議を進めず、ようは何もしなければ公約が実現します。しかし県庁周辺一帯の再整備計画を公民連携により立案、推進する事について、何か具体的に進めている動きは見られませんが、水面下では、民間デベロッパー等に元町再整備の方向性についてヒアリングをしており、地元団体や住民との議論も開始する予定としているようです。



県庁舎自体の建て替えについても具体的な方針が見えません。庁舎の耐震性不足が、全ての再整備構想始動の発端ですが、1号館の耐震性診断に加えて、2号館も診断し、両館の建て替えではなく、1棟のみに絞る可能性も探っているようです。



この場合、元町エリアの再整備をどう実現するのでしょうか。元町駅北側に県が保有している土地は県庁周辺のみです。駅前エリアは全て民間の地権者がいます。デベロッパーにポテンシャルがあると判断されても、活用できるのは県警本部前の駐車場、県民会館のみになり、これらのみでは地域と一体化した再整備を行うには貧弱でインパクトに欠けます。



元町駅から県庁までの一帯を人の回遊する活気ある空間にする為には北側に流れを引っ張り上げるポンプ機能を持つ起爆剤が必要です。以前の計画では、これを2号館跡地に建設する複合ビルを中心に検討が進んでいました。

神戸市は雲井通5丁目や市役所2号館、ウォーターフロントの新港町等の再開発において、元来の市有地や民間の土地を買い上げて市有地化した上、これらを活用して民間事業者に開発を委ねるという手法で複数のプロジェクトを進めていますが、兵庫県も積極的にこうした進め方を採り入れるべきかと思います。

井戸知事の際はそのカリスマ性によって県庁周辺の再整備がかなりのスピードで進む気配があり、遅々として歩みの遅い神戸市のプロジェクトと比較されましたが、立場が逆転し掛けています。



財政事情悪化により積極投資に打って出ずに緊縮に走るのは分かりやすい成果を狙っての事かと思いますが、裏を返せば何もしない・できないという事になります。

将来への投資を怠れば、街は停滞し、衰退します。現知事が何を具体的に成し遂げようとしているのか。どういう事にリーダーシップを発揮するつもりなのか。抽象的なスローガンを掲げるのではなく、具体性を持って物事に取り組まなければ、兵庫での維新人気が衰える中、1期のみで次の知事に椅子を譲る事になるでしょう。

神戸の都心開発も三宮、ウォーターフロントと元町の三角関係で魅力向上を進める必要があります。県庁再整備抜きにはこれを推進する事は出来ません。早期に次の具体案をまとめる協議を再開するべきです。

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POSTED COMMENT

  1. ひろ より:

    結局維新は大阪のことしか考えてないから。知事変えないと

  2. 区民g より:

    再開発はいずれせねばなりませんし、
    早ければ早いほどよいのです。
    しかし兵庫県庁がここに留まる理由は
    私は少なくなっていると考えています。
    このサイズの再開発に見合う経済土壌が未だ神戸では見えてこないことも再開発を遅らせてる要因ですし、
    何にせよ兵庫県に力は足りていません。
    財政余力が足りていません。
    神戸や阪神間は良いとしても、
    他自治体を見れば、特に兵庫県北部自治体の県域外の人口流出は是正待ったなしのところまで来ています。
    そしてその流出、弱体化はいずれ阪神間の力をも弱めることになっていきます。
    一方、
    人口が県中央部に特に明石付近へ再集中し始めていることも鑑みねばなりません。
    播磨平野のポテンシャルを活かすときが来ているとも思います。
    難しい舵取りであると思います。

    いずれにせよ再開発は私は賛成です。
    しかし中身は兵庫県庁でなくてもいいという考え方も
    あってもよいのではないかと考える次第です。

  3. kkbb より:

    憶測ですいませんが、ようは斎藤兵庫知事と久元神戸市長の思惑が真逆なのでしょう。
    民間企業に開発は任せ、兵庫県行政は県民の暮し一般、コロナ医療に力を入れたらいいという斎藤知事。
    開発は行政中心で行い、地元企業の保護に力を注ぎ中央大手企業の参入を防ぎたい久元市長。
    なのでまったくマッチングしません。

    一例をあげれば、斎藤知事は県庁再開発の事業代替に県外大手民間企業を呼び込みたいのに、逆に久元市長はタワマン禁止条例、景観条例なんかで神戸市を縛る。淡路島、尼崎、西宮、宝塚などは民間企業が率先して再開発に乗り出していますが、神戸市は大手企業、デベロッパーを冷遇して事業の遅延ばかり。
    どちらかが退けばいいのですが、新任の斎藤知事は暮らしを守るコロナ対策と維新政党主導の関西万博のバックアップで精一杯。
    久元市長は崖っぷちなのでこれまた三宮再整備を遂行させることで頭が一杯。
    小物トップの思惑のせめぎ合いで、兵庫県の中で神戸市が雁字がらめにあって一番割りを食っている感じがしますね。
    以上は私の勝手な憶測です、ご勘弁を。

  4. より:

    金がないからどうしようもないんですよ。

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