兵庫県庁再整備

兵庫県庁1・2号館が耐震性不足の為に2026年までに解体着手へ 解体後の跡地は広場化?


兵庫県は建物の耐震性の再評価を進めていた兵庫県庁舎1、2号館の2棟についての最終見解として、両館共に耐震強度に問題があり、直下型地震では倒壊する恐れがあるとの判断から解体する方針であると発表した事が報道各社より一斉に報じられました。



兵庫県庁については、井戸前知事時代より1・2号館を解体し、1号館跡地に展望ロビーを有する28階建ての超高層新庁舎、2号館跡地に集客機能を有する複合ビルの建設構想が計画されていた他、兵庫県警横の駐車場に議会棟、兵庫県民会館も建て替えて集客施設に転換するプランが立てられていました。

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解体は進められる事が決定したものの、斎藤知事は解体後の庁舎跡地の活用について、暫定的に緑地や公園の整備を検討している他、庁舎で就業する職員の6割をテレワークに移行させる方針を示しており、新庁舎建設の必要性については、今後の状況に判断を委ねるとしています。また新庁舎が必要になっても、規模は以前に計画されていた規模から大きく縮小する事を前提としました。

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兵庫県庁の再整備は、JR元町駅北側一帯を含めたグランドデザインを描く中で方向性を決定していくとされていましたが、そのグランドデザインについては一向にどのような形で進めるべきか示される気配がありません。

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跡地が緑地広場となっても、集客施設がなければ、わざわざ元町駅の北側にまで足を運ぶ市民はそう多くはないと思われます。活用するのは近隣住民のごく一部に留まり、中途半端に不定期でイベントが行われても、元町エリア全体の活性化に繋がる事はないでしょう。寧ろ出勤する職員数が大幅に減る事で、エリアの衰退が懸念される可能性も生じます。



2年後には再び兵庫県知事選が行われる予定です。この兵庫県庁の再整備の紆余曲折は全て知事の交代が要因となっており、2年後に斎藤知事が続投できなければ、再度、再整備の方向性が変更される可能性もあります。県庁舎の耐震性が不足していた事は、既に斎藤知事が就任する前の調査で既に明らかになっており、再度の調査でこれを上塗りした上で、職員数を減らして、県庁舎も無くしてしまうという強引な手法によって、自身の実績・手柄にしようとする方針には正直、付いていけない職員、県民が同知事続投を阻むのではないかと思います。

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POSTED COMMENT

  1. KRT より:

    維新の会は”(公務員の)身を切る改革”が大得意ですからね。
    庁舎の建て替えは必要ですが、大倉山や三宮にもたくさん公園があるのに折角の一等地を広場にしてしまうのはもったいない使い方だなぁと思ってしまいます。
    井戸知事の時にもっとガッツリ進めておいてくれたらなぁと思わずにはいられません。。
    このまま維新が躍進すると大阪にすべてリソースを吸い取られて神戸市はおろか兵庫県ごと衰退しかねませんね。

  2. kosten より:

    在宅勤務と言ってますが、被災した家では業務が難しいので、災害時の対応が懸念されます。地震の際の対応が遅れて、阪神大震災を経験していながら不十分な県庁庁舎を作ったと言われる未来が見えます。

  3. より:

    庁舎は必要最低限でいいです。
    賑わい云々とおっしゃいますが、国全体で人口が減っているのにわざわざ高額費用かけてまで豪華な庁舎や周辺整備は必要ありません。

  4. S.Y. Kobe より:

    歴代知事の中でもここまでお粗末な知事は珍しいですね。

    建物のLCC(ライフサイクルコスト)の発想が無く、とにかく節約アピールが唯一の取柄?であって、発想は場当たり的で合理性に欠け無責任極まりない。

    LCCの考え方では「事務所ビルを建設し50年維持し解体するモデルを想定すると、全体コストの中で初期投資である建設費の割合は1/6程度」です。建物は長期にわたる維持管理に大きなコストが掛かります。中古ビルであれば尚更です。

    その上、長期間の分散庁舎では来庁する県民に対する敬意や思いやり精神ゼロ、執務する県職員に対する敬意や思いやり精神ゼロ、6割の職員がリモートワークで・・・・等々、とにかく呆れます。

    多分、精査するにつれて無駄や無謀さに気付き再び頓挫すると予想しますが事業は大きく遅れる事でしょう。

  5. 名無し より:

    計画凍結の上、チンチラ検討した挙げ句の果てに解体ですか…。しかも広場に転用とは、馬鹿馬鹿しいにも程があります。

    新庁舎計画の凍結・センチュリーの解約など、完全に「やってる感」を出しているだけですね…。今の知事になってから何か成果らしい成果はあったでしょうか?

    前回の選挙で安易に維新候補に乗っかった自民党にも怒りを通り越して呆れます。次の選挙ではまともな知事が誕生することを願います。

  6. kingi より:

    維新の知事になったところで
    こうなる事は目に見えてましたが
    ここまで酷いとは思いませんでした

    そもそもこの人発信力も影響力も皆無で
    何がしたいのかさっぱり分からん

  7. ハコモノ行政 より:

    細かい部分が分からないので論評しにくいのですが、
    「テレワークにして本庁舎を縮小する」のは
    コロナが無ければ有り得なかった新機軸です。
    たかが事務所ビル、LCCの考え方も根本的に変えるべきでしょう。

    大災害に備えて職員を全国に分散採用し、
    24H体制を可能にする為に交代制勤務にする。
    職員が多く住む住宅地近くに分庁舎を配置し、
    災害時の通信・電力インフラ等を確保する。
    遠距離の在宅勤務者も、自宅やシェアオフィスで
    同様の体制を取る。
    他所の災害には、そのバックアップとして機能出来るよう
    相互に体制を整える。
    窓口業務も、高齢者向けを除き電子化する。

    まあこれくらいはやっていくのでしょうね、
    知らんけど。

  8. トライ より:

    4割出勤職員に合わせた規模の庁舎にしたら災害時総動員して頑張ってもらわないといけないときにどうするんでしょうね。
    大阪と違いすぐ後背地に緑の山が広がっているのに、山手に広場なんていらないです。梅田北ヤードをダブらせているんでしょうか。
    お金の問題なら民間資金とタイアップして観光資源となるような目玉ビルを建設するほうが低迷する神戸のためによほど効果のあるものとなります。
    自分のポーズだけのために神戸の地盤沈下を受け入れるような施策はやめてもらいたい。

  9. kkbb より:

    この知事は結局何もできない人です。
    前回ポートアイランドの再開発でもポーアイの緑地化を取り上げていましたが、神戸市長、兵庫県知事とも神戸市、兵庫県の衰退をナイスなコンビネーションで加速するでしょう。
    元官僚のパイプで国から財政調達には持ってこいなのですが、国の指示に従い自分で何をすればいいのかは判断できないのでしょう。
    サヨク市民が税金が、利権がとか言いますが、関係ないですね。
    ゼネコン関連事業はやっぱりお金を使いますし、大手も下請けに関連する人間も市場にお金を落としてくれるから経済が回りやすくなります。職業も昔も違って多岐に渡って増えているのでお金が回るルートが色々と変化しています。ヤンチャが多い土木中心でお金を使わせるのが効率がいいんです。綺麗ごとで財政立て直しを言っているから神戸市はずっと負け続けています。

    東京がいい例です。大阪だって同じです。
    再開発がどれだけ批判を浴びても成長戦略を続けているので人も金も集中します。
    お金に嫌悪感を持ち続けている人にはお金は回ってきません。
    これは都市も同じで、現在はグローバリズムでお金が回っているので自分の街だけ財政を立て直すことが出来ません。お金は世界を回っているからです。お金を使わないで緊縮ばっかり言っても財政は建て直せません。自分にお金は回ってきません。回してくれる地域の身内がお金を持っていないからです。
    日本全国が豊かになるには外国から儲ける、外貨を獲得することですが、ロシアのように戦争して分捕る訳にいかないですよね。インバウンドは外貨獲得には持ってこいだったのですがコロナで小休止です。官僚は未来に向けて外貨獲得戦略を勧めますが次はどの一手でしょうか?
    自分の地域を豊かにするために、自分も他人も稼ぐにはどうすればいいのかを真剣に考えなければ経済の立て直しは出ません。

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