大阪

地域探検: 大阪・梅田3丁目計画 「JPタワー大阪」の外観完成が近づく 外構工事も進行中 歩行者デッキも供用開始



JR大阪駅前の大阪中央郵便局跡地に大型複合施設を建設する「梅田3丁目計画」は来春の完成に対し、完成形に向けて着実に近づいています。昨年5月以来の実に1年半ぶりの取材となりますが、全貌が現れた再開発ビルには改めてその巨大さに圧倒されました。



地上39階 地下3階 高さ188m 延床面積22.9万平方メートルの巨大複合ビルは、大阪以西の西日本エリアで進められている単独の再開発プロジェクトとしては、最大規模の計画であると思われます。施設名称も日本郵政がこれまで進めてきた主要郵便局跡地の再開発ビル同様に「JPタワー大阪」に決定しました。

 

プロジェクト概要

梅田3丁目計画・JPタワー大阪





所在地 大阪市北区梅田3-2
事業者 日本郵便株式会社、大阪ターミナルビル株式会社、株式会社JTB
敷地面積 12,893.31㎡
建築面積 9,800.00㎡
延床面積 229,000.00㎡
階数 地上39階 地下3階 塔屋2階
高さ 188.0m
用途 事務所 ホテル 劇場 店舗 自動車車庫 公衆浴場、倉庫
構造 鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造
設計者 日建設計
施工者 梅田3丁目計画(仮称)建設工事共同企業体(竹中工務店・西松建設・錢高組JV)
竣工予定 2024年3月31日

建物低層部は商業施設と劇場、中高層部はオフィス、最高層部はホテルという構成です。建物は東西に幅広く、巨大な壁のようなビルで、11~27階を占めるオフィスフロアの基準階面積はなんと4,000平方メートルという驚愕な規模です。



仮囲いに掲示されている建築計画のお知らせです。



完成時のJR大阪駅に面する東側のファサードの様子です。一等地を華やかに彩ります。地下1階~地上6階の低層部を占める商業施設には4.4万平方メートルもの床面積が割かれます。29~38階の高層部には約400室のハイグレードホテルを設けます。



商業施設内の中央部に整備される吹き抜けのアトリウム。このアトリウム内にて旧局舎の一部(かつてのロビー部分を含む正面側)を保存・移設したシンボリックな空間が生まれる予定です。





「SkyシアターMBS」は、1,289席の大ホール

建設状況の様子



圧巻の東西幅がその巨大さを象徴しています。シンプルさにディテールを詰め込んだデザインはJPタワーの共通した特徴です。ただ東京、名古屋、大阪、広島、博多のJPタワー/ビル・KITTEの設計者はいずれも異なります。



この巨大ビルに詰め込まれた複合機能は商業施設、オフィス、ホテル、劇場、屋上庭園。JR大阪駅と直結し、ノースゲート、サウスゲート、イノゲートに並ぶ駅ビルの役割も果たす建物と言えるのは、JR西日本も共同事業者として名を連ねているからです。



建物外観完成に伴い、既に外構工事も大きく進捗しています。JPタワー大阪が面する道路の歩道は全面的に刷新されています。



この規模の再開発プロジェクトに相応しく、植栽帯の規模も非常に大きいです。建物スパンや街区の大きさから新たに植えられる木々の数も膨大です。



大阪駅に面した南側における最後の一等地の開発として、その立地に恥じない高質な仕上がりは、いよいよ再来年に控える大阪万博への来訪者を迎えるに相応しいしつらえです。



最上層の29-38階には、JR西日本ホテルズが、マリオットと提携して「THE OSAKA STATION HOTEL Autograph Collection (418室)」を開業させます。JR西日本が外資系ホテルと提携する初のケースとなります。



既に建物東面に施設名のロゴが取り付けられています。低層部地下1~6階を占めるのが商業施設の「KITTE大阪」。



サンクンガーデンが設けられ、地下通路とも直結する構造になっているようです。梅田に集積する大小複数の商業施設に加え、同時期に開業が見込まれる北側の新駅ビル「イノゲート」や、その後に完成するグラングリーン大阪の商業施設とも競合しますが、これだけの巨大なフロアを埋められるテナントを集められるのでしょうか。

名古屋駅前の「KITTE名古屋」も既に名駅周辺はオーバーストア気味になっている為か、テナントのウェイトは飲食店に偏重している傾向が見てとれました。



JR大阪駅前のサウスゲートビルとJP大阪タワーを連絡する歩行者デッキが整備されました。



このデッキの供用は明日11月1日より開始される予定です。



このデッキの完成によって、阪急百貨店、阪神百貨店、サウスゲートビル、そしてJP大阪タワーの駅前主要施設が2階レベルで連絡する事になります。



旧大阪中央郵便局の解体後は、長い年月を暫定利用に費やし、半ば都市伝説化していた再開発プロジェクトが、遂に完成へのカウントダウンを開始しています。施設の開業にはまだ来年7月までと時間がありますが、今後、梅田にてこの巨大複合ビルを上回る計画が出てくるのかどうか。大阪駅前南側はこのビルの出現によって、どこを見ても超高層ビルに囲まれる空間としての完成を遂げる事になります。
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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    規模は小さいですが、丸ビルも建替えですね。大阪駅前第1ビル~第4ビルを見てデカいなぁと思っていた頃が懐かしい。
    梅田は空中でも地下でも各ビル間の繋がりが良く便利になりました。地下では迷子になりそうだけど、うめきたも日々形を変えていきますね。
    マンションも1戸20億円の部屋が発売予定と公表されバブル期の価格を35年近くかかり上回ってきました。このまま国民所得が向上し強い日本に返り咲いて欲しいですね。
    そんな希望の持てる都市へと大阪は変貌しているように思います。

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