スポンサーリンク
昨年11月ぶり・約半年ぶりの取材となるJR大阪駅前・大阪中央郵便局跡地で進められている梅田3丁目計画の現況レポートです。地上40階 地下3階 高さ188m 延床面積22.9万平方メートルの巨大複合ビルの建設プロジェクトで、土地を保有する日本郵便、JR西日本の大阪ターミナルビル、JTBの三社が事業者として共同参画しています。
スポンサーリンク
プロジェクト概要
梅田3丁目計画
所在地 大阪市北区梅田3-2
事業者 日本郵便株式会社、大阪ターミナルビル株式会社、株式会社JTB
敷地面積 12,893.31㎡
建築面積 9,800.00㎡
延床面積 229,000.00㎡
階数 地上40階 地下3階 塔屋2階
高さ 188.0m
用途 事務所 ホテル 劇場 店舗 自動車車庫 公衆浴場、倉庫
構造 鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造
設計者 日建設計
施工者 梅田3丁目計画(仮称)建設工事共同企業体(竹中工務店・西松建設・錢高組JV)
竣工予定 2024年3月31日
建物低層部は商業施設と劇場、中高層部はオフィス、最高層部はホテルという構成です。建物は東西に幅広く、巨大な壁のようなビルで、11~27階を占めるオフィスフロアの基準階面積はなんと4,000平方メートルという驚愕な規模です。
仮囲いに掲示されている建築計画のお知らせです。
完成時のJR大阪駅に面する東側のファサードの様子です。一等地を華やかに彩ります。地下1階~地上6階の低層部を占める商業施設には4.4万平方メートルもの床面積が割かれます。29~38階の高層部には約400室のハイグレードホテルを設けます。
商業施設内の中央部に整備される吹き抜けのアトリウム。このアトリウム内にて旧局舎の一部(かつてのロビー部分を含む正面側)を保存・移設したシンボリックな空間が生まれる予定です。
建設状況の様子
巨大複合ビルの鉄骨建方はまさに圧巻の光景です。まだ22~23階付近を建設しているところですが、既に他を圧倒する存在感を放っています。これでまだ半分強の高さです。スペック以上の大きさを感じさせます。
タワー部の全幅はどれ位あるでしょうか。オフィス階の基準階貸室面積は1フロアのみで、なんと4,000平方メートルに及びます。東西幅でゆうに100mを超えそうです。横幅のみで超高層ビルに匹敵するとは驚愕の規模です。
高層部29〜38階のホテルはジェイアール西日本ホテル開発が担いますが、同社がマリオット・インターナショナルと提携し、「オートグラフ コレクション ホテル」を開業する予定です。この複合ビルはJR西日本の単独開発ではない為、自社ブランドは入れられず、またこのビルのホテルに見合うのは、やはり外資系高級ホテルブランドでなくてはならないと判断したからでしょうか。
JR西日本が外資系ホテルと提携運営を行う初の実績例になるものと思われます。JR三ノ宮新駅ビルの高層部に開業するホテルブランドも明らかにされてはいませんが、外資系ホテルの誘致にも門戸が開かれた事から、自社ブランドのホテルではない可能性も出てきました。
西側の低層部だけでも通常の都市では巨大ビルとして認識される規模です。
大手を中心にテレワークが定着した企業も多いようですが、東京では全体の4割に対し、大阪では2割に留まるようです。本社数の違いの表れのようですが、その分、オフィス需要は高めに留まると考えられるでしょうか。
グランフロント大阪や梅田阪急オフィスタワーの開業時期はリーマンショックとも重なって、空室率は大幅に上昇し、これらの新築大型オフィスビルもテナントを埋めるのに長期を要しました。
現在の大阪都心部ではその当時を遥かに凌ぐ規模で新規大量供給ラッシュが続きます。政府は来月より水際対策を緩和し、訪日観光客の受け入れを再開する方針を明らかにしました。大阪万博もいよいよ3年後に控え、大阪都心部の大変革はまさに過渡期に入りました。
JR大阪駅前は北側も南側もどちらの方向を向いても超高層ビルに囲まれた壮観な大都市に変貌を遂げます。万博開催時に大阪を訪れる訪日客はダイナミックに生まれ変わった表玄関に迎えられる事になります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1フロアー4000㎡ですか、凄いですね。大企業や有力ベンチャー企業が欲しがる広さですね。これだけでも質の高いビルになりそうですね。
大阪の北エリアは万博開催頃までに大規模開発ビルの多くが竣工してきます。
これらの計画の数々を見れば見るほど神戸の有力企業が移転しないよう思わず祈ってしまうくらい魅力的な街へと日々変貌しています。
残念ながら実感として開発の規模と質で大阪はもう既に神戸の遠く及ばぬ存在になりました。
しかし、神戸もこれから上質の魅力ある開発を行い関西の主要都市としての意地を見せて欲しいと思います。
先日発表された世界で旅行したい国NO1には、日本が米国を抑え堂々1位でした。アジア諸国のみならず欧米人も日本に魅力を感じているようです。元々諸国に比べ割安感の強かった日本は円安の進行により更にお得な旅行先・投資先となりそうです。日本の平均所得の底上げは暫くかかるかもしれませんが、需要回復に数年を要すと考えられていたインバウンドはV字回復すると思います。
神戸のインバウンド取り込みに一役買いそうな須磨シーワールドの工事はキューピッチで進み西側工区は1階の鉄筋が見え始めました。10基くらいの大型クレーンが動く現場は圧巻ですね。
神戸も今こそ訪日客を引き込むための工夫をすべきでしょう。施設の整備や都心部の日帰り観光コースだけではなく、須磨~舞子、六甲山~有馬などの観光資源を掘り起こし市内広範の観光地を結ぶ1~2日間の滞在型の回遊コースづくりなど交通網の再編を行って欲しいと思います。
大阪の開発規模は国内有数ですので、これに勝ろうというのは無謀かとは思いますが、この活発な動きと流れを神戸にも取り込めるような施策が必要ですね。インバウンドの回復後は今までの失敗にしっかりと対応し、神戸もその需要にあやかれるようにしなければなりません。