JR三ノ宮駅駅ビル開発工事に伴い、駅舎やコンコースのリニューアル・駅ナカ施設の再編や配置転換等の検討も必要

準備工事が開始されたJR三ノ宮駅ビル開発。駅ビル内の中央改札に接するエリアから中央幹線xフラワーロードに向かって駅ビル1階を斜めに縦断する形で動線通路が設けられる予定ですが、私が気になっているのは、新築の駅ビルと既存の駅舎の間に生まれるギャップです。



コンコースは耐震改修工事が行われた際、天井パネルの軽量化や照明設備の更新が行われました。天井梁や柱も装飾パネルで覆われ、美装化によって以前より明るく清潔な雰囲気に生まれ変わりました。

しかしながらJR大阪駅の駅ビル開発時に行われた駅舎のリニューアル、最近では全面改修されたJR芦屋駅、新設されたJR大阪駅西口・うめきた地下口等、真新しい駅舎と比較すると、三ノ宮駅はまだまだ改修度合いが未熟であると言わざるを得ません。



また一日の乗降客数がコロナ前には約25万人にも及ぶターミナル駅でありながら、コンコースの大きさ・規模はそれに不釣り合いであり、ラッシュ時間や週末の正午以降等、コンコース内の混雑度は凄まじく、コロナの収束に伴って、以前の状況が戻ってきています。



JR三ノ宮駅ビルの完成や三宮駅周辺・ウォーターフロントエリアの再開発、神戸空港の機能拡大が次々に実現していくと、JR三ノ宮駅の乗降客数も増加する上、コンコースを利用する人の数も自ずと大幅に増える事になるでしょう。現在の床面積ではこれに対応するのは難しく、コンコースの改造も必要になるのではないでしょうか。



駅ビルが完成すれば、小さな床面積の集合体である現在の駅ナカ商業ゾーンをコンコース内に残しておく必要性はあまり感じられません。



特に中央改札コンコース内にはもっとオープンスペースが必要とされますので、これらの店舗は撤去し、よりシンボリックでスペースに余裕のあるコンコースへと改造して欲しい次第です。



このコンコース北側中央を陣取っているセブンイレブンも撤去の対象として欲しいですね。コンビニは必要かとは思いますが、前述の店舗スペースやみどりの窓口も含めてコンコース内の再編・配置転換を進めるべきかと思います。



北側の店舗区画にコンビニを移設するというのも一つの検討方法かと思います。



また新駅ビルの完成と共に既存の床も刷新が必須でしょう。有機ELを活用して、円柱下部に曲面のデジタルサイネージを導入すると共に、ターミナル駅としての機能と玄関口である事のシンボル性を考慮し、新築の駅ビルと連続したデザインの統一を図って欲しいと思います。



具体的な案として、上記図面左側の黄色、ライトグリーン、黄色の商業ゾーンは全て撤去し、コンコース化。北側の中央にあるコンビニブースは赤のエリアに移設。床や天井、柱のデザインも最新の駅ビルに合わせたデザインに刷新。案内表示等も最新の物に入れ替えるべきでしょう。東口や西口、そして改札内コンコースについても同様のリニューアルを施して欲しいと思います。

神戸三宮阪急ビル建設の際、阪急も神戸三宮駅舎とその高架下の全体におけるリニューアルを実施しました。



インフォメーションセンターの位置についても再検討が必要かと思われます。多くの都市が観光案内所を駅ナカに設けている場合が多く、もし駅舎コンコースにスペースを設けられなければ、新駅ビルの中央通路に面した位置に設置する事も検討したいものです。



加えてですが、ホームもかなり老朽化が進んでいます。ホーム柵の設置は進められていますが、現在は屋根、床、案内表示も全て古いまま。駅ビルの建設に合わせて、ホームのリニューアルも含めて、トータルでの刷新を切にお願いしたいですね。



今後、再び駅前は仮囲いによって動線が大きく制限される事になります。工事の進捗によって少しずつ最終形態に向かっていく事でしょう。その過程で駅舎やコンコースの改造や改修についても明らかになっていくものと思われます。