来年3月に閉館が決まっているJR三ノ宮駅前ビルである三宮ターミナルビル。その後はオフィス、ホテル、商業施設から構成される高層複合ビルに建て替えられる構想です。JR西日本の中期経営計画によって、今年度中にその計画概要が明らかにされる予定となっていますが、南側駅前広場の時間貸しパーキングになっている敷地内2ヵ所で地質ボーリング調査が開始されました。
一つ目の櫓はパーキング内の南側。以前、温泉掘削が行われていた場所に程近い位置です。建築上のボーリング調査は地盤の締まり具合や硬を計る標準貫入試験を主とします。
もう一ヵ所は10m程離れた北側。こんな近距離で二ヵ所も掘るのですね。
さて今回のボーリング調査実施が示唆する事を考えてみましょう。まず気になるのは調査が実施された場所です。温泉掘削もこの場所で行われましたが、JR西は駅ビル規模拡大に必要な敷地確保に駅前広場の活用を挙げています。将来的に三宮クロススクエア構想が具現化に向かうのであれば、JRとして社有地内に敢えて公共広場を設ける理由はなく、寧ろ限られた不動産を有効活用したいのが本音でしょう。
ただ同構想は段階的に整備されていく方針が示されており、いきなり現在の広場を潰してしまうと、利便性に問題が生じます。私はまず広場の西側半分と現在の駅ビルの敷地をL字型に活用し、新駅ビルを建設するものだと予想していました。今回のボーリング調査の実施目的と実施場所は新駅ビル建設においてどういう意味を持っているのでしょうか。
ポートライナー三宮駅が今回のJR駅ビル建て替えと連動して何等かの改修が行われない限りにおいて、広場の東側の活用は難しく、この場所を新駅ビルの拡大用地に充てるのは現実性に乏しい気がします。
JR大阪駅の改良工事の折は、駅前広場上空に「フロートコート」と呼ばれる暫定的な商業施設が建設されました。既存駅ビルの解体が始まると、複数年に渡ってJR駅周辺の商業的価値や集客性の低下が懸念される事になります。もしかしたら三宮でも同様に暫定的な商業施設を建設する計画があるのではないかと考えてみました。
ボーリング調査が駅前広場敷地内の他の場所も対象になるのであればまた違った可能性も出てきます。すでにJR社内では新駅ビルの構想はある程度固まっているはずですし、すでに神戸市の景観審議会との協議も複数回に渡って協議がもたれているかもしれません。今回のボーリング調査開始は水面下の動きが表面化し始めた兆しと捉えています。
JR三ノ宮駅前広場でボーリング調査開始
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