芦屋

地域探訪: JR芦屋駅の改良工事準備開始 3.5年の工期を掛けて段階的に駅舎を拡大 オフィスビルも建設



JR駅ビルのモンテメール芦屋の1年の工期を掛けた大規模リニューアルが完了し、今月中旬に再開業しました。芦屋駅周辺再整備の次のステップはJR芦屋駅の駅舎改良工事です。遂にこの駅改良も着工準備を開始しました。この改良工事によって芦屋駅の改札外コンコースは大幅に拡大します。



駅南側のロータリーが閉鎖されて仮囲いが設置され、ヤードが整備されました。この仮囲いの後方に増床する橋上駅舎が新築されます。



建築計画のお知らせに相当する「特定建築物建築計画の概要」が掲示されました。鉄骨造地上3階の駅舎を建設します。施工期間は今年7月から2024年3月末まで。3年半という長い工事になります。施工はJR西日本傘下の大鉄工業が担います。

事業主はJR西日本ですが、実はこの工事には芦屋市が大きく関与しています。同市とJR西日本の間に「JR芦屋駅改良工事等の施行に関する協定」が締結されており、これによるとこの改良工事の工費42.3億円の内、36.6億円を芦屋市が負担するという公共事業の色合いが非常に濃い計画です。しかし改良に伴い必要とされる駅南側一帯は市有地の為、これをJR西に譲渡するようなので、市の工事負担額は一程度、相殺されるものと思われます。



線路に沿って西側の土地にも仮囲いが設置されました。



こちらにも「特定建築物建築計画の概要」が別途、掲示されています。鉄骨造 地上3階建の事務所ビルをJR西日本が建設するようです。自社利用するオフィスビルかと思われます。



駅前広場の整備等は自治体と鉄道事業者の共同事業になる事はよくある事だとは思いますが、JR駅舎の改良工事を公共事業として進めるという手法があるというのも驚きですね。この駅舎改良は駅南側で計画されている再開発事業にも深く関与しています。



ヤード内の様子です。敷地は新駅舎の一部にもなります。奥にある階段がこのヤード側に大きく移設されます。



駅周辺には「JR芦屋駅改良工事等のお知らせ」が芦屋市都市建設部都市整備課によって掲示されています。南側の線路上に新築される橋上駅舎と北側の既存部分を連結させた新駅舎は現在の直線式からジグザグ式の通路に変更され、駅ナカの店舗面積や駅施設も拡大します。また駅舎南北やホームも含めてエスカレーターを複数新設してバリアフリー化を図ります。



橋上駅舎の増築による拡大はJR西日本管内では尼崎駅、広島駅等で行われていますが、改良工事完了後の芦屋駅もこれらの駅に似た雰囲気になるのでしょうか。



右側に見えているホームの上に増築される橋上駅が誕生します。そしてその奥に広がるのがJR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業の事業予定地です。



遂に事業予定地内にある一部の建物は閉鎖されました。



駐車場、商業施設、公共施設、共同住宅から構成される再開発ビルの建設と改良される芦屋駅と連結する歩行者デッキやバスターミナルや一般車両のロータリー等の駅前空間整備を行います。既に東急不動産が事業協力者に決定していますが、近頃、再開発の事業計画施行期間を当初より3年半延長し、完了を2026年9月に変更する方針を固めたようです。地権者との移転交渉もまだ終わっていないようなので、実際に着工されるまでにはまだ2年程掛かる可能性が高いと思われます。

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POSTED COMMENT

  1. 摂津国人 より:

    記事内で極めて重要なことに言及なさってだと思います。

    > この改良工事の工費42.3億円の内、36.6億円を芦屋市が負担するという公共事業の色合いが非常に濃い計画です。しかし改良に伴い必要とされる駅南側一帯は市有地の為、これをJR西に譲渡するようなので、市の工事負担額は一程度、相殺されるものと思われます。

    やはり交通(特に鉄道)は市の発展に如実に影響してきますので、市と鉄道会社の相談、打ち合わせや折衝など官民の連携が重要だということだとでしょう。
    世界的にも日本の地方自治体は市内の交通を鉄道会社に任せっきりにする傾向があるとの記事をどこかで読んだ覚えがありますが、これほどまでに市の発展に影響する事業を市がほったらかしにするのはやはり不自然です。
    その点、芦屋市の場合うまく官民の連携が取れているようですね。
    負担割合の大きさには「大きすぎるんじゃないか」とびっくりですが、それだけ公共性が高いという判断でしょう。
    市議会で「三ノ宮駅ビルについてはJR西から何も連絡がない」と述べられていた神戸市は芦屋市の姿勢を見習ってはどうでしょうか。
    そもそもJR西から何もなくても、神戸市からJR西に聞いてみるという手段もあるはずです。
    それとも「民間企業が市にお伺いに来るのが当然」と考えているのでしょうか。
    神戸市には民間企業に対する謙虚さも、人口流出ワースト1位の現状を打破しようという必死さも感じられないのが残念です。

  2. 不動産屋 より:

    一時中断ですかね。

    時計2020/3/27 10:15神戸新聞NEXT

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    兵庫県芦屋市がJR芦屋駅南地区で進める再開発事業を巡り、同市議会が関連費用をほぼ全額削減した予算修正案を可決したことに対し、伊藤舞市長が再採決を求めた同市初の「再議」が26日、同市議会で開かれた。修正案は、賛成が再可決に必要な3分の2に届かず否決。その後、市提出の予算案原案が審議され、一般会計予算案は可決されたものの、再開発事業が関連する特別会計予算案は否決された。事業は一時中断が決定的となり、市は予算の再編成と計画見直しを迫られる。

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