神戸の中心地であり、兵庫県内最大のターミナル駅であるJR三ノ宮駅。兵庫県下で最も多くの人々が利用するビッグターミナルですが、コロナ禍直前の2019年まで乗降客数は増加の一途を辿り、1日平均の乗降客数は約25万人(乗車人員:約12.5万人)で推移。JR西日本管内の駅ランキングでは大阪・京都・天王寺に次ぐ第4位(兵庫県内ではダントツの1位)を誇る主要駅でした。しかしコロナ禍に突入後は、他のターミナル駅同様に大きく減少しました。2022年〜現在に至っては回復期に移行していますが、近年、社会情勢の大きな変化や働き方のシフト、さらに進行中の「三宮再開発」により、その乗車人員や人流の動きには大きな波が見られます。
行動制限の解除に伴い急激に回復した1日平均乗降客数は24万人規模まで戻りつつあり、コロナ前の9割以上の水準にまで順調な回復傾向を示しています。これは大阪駅や京都駅等、関西圏における他JR主要ターミナル駅よりも高い回復率で、三ノ宮駅の特異性が際立つ形です。
都心業務機能が強い主要ターミナル駅が、完全なコロナ前(100%)の水準まで戻り切っていないポイントとして「定期利用(通勤)の構造変化」があります。リモート出社が定着し、完全出社に戻す企業ばかりではないため、定期券利用者の増加には一定の天井が見られます。
無論、都心玄関口である三ノ宮駅でも通勤・通学客は利用者の中で大きなウェイトを占めており、その数はコロナ禍前を回復するに至っていないでしょう。しかし三ノ宮駅は、近年、市内各地で開発が進んだ新しい集客・観光施設を訪れる人々やこれまで需要が薄いとされていたインバウンド効果が奏功して通勤・通学客の減少分を補う事によって回復を果たしています。

特に顕著な回復の要因を作り出しているのは湾岸エリアの新施設やリニューアルされた施設。特にジーライオンアリーナ神戸を含むTOTTEIは大きな存在です。新港エリアに多くの人を呼び込んでいますが、その多くは三ノ宮駅や神戸三宮駅を利用する来街者と推測されます。

インバウンドの急増も大きく乗降客数の回復に貢献していると言えます。神戸の存在は訪日客の中でも確実に高まっています。神戸空港利用者のみでなく、関西空港や国内他空港利用者が神戸を訪れる外国人観光客も増えているようです。淡路島へ向かう訪日客も三ノ宮駅が玄関口となっており、三宮バスターミナルからリムジンバスを使っての渡航者も多く、三ノ宮駅構内は非常に混雑しています。
北神急行の市営地下鉄編入によって北区からの往来が増え、三ノ宮駅への乗り継ぎ客が増加した可能性もあるでしょう。

今後ですが、三ノ宮駅の利用者数は更に飛躍的に増加する可能性を秘めています。三宮再開発や更なるウォーターフロント再整備によって、三宮を起点とした来街者は間違いなく大きく増える事になります。また神戸空港の国際定期便就航が始まると、姫路等の神戸以西へと足を伸ばす観光客も三ノ宮駅の利用促進に繋がります。

2019年には三宮ターミナル全体で70万人の乗降客を誇っていました。22年には60万人弱にまで回復していたと見られています。現在は65万人程までに達しているのではないかと推測しますが、将来的には三ノ宮駅単体で初の30万人をクリアする可能性もあると思われます。三宮全体では75万人を達成し、80万人を見込めるようになると、ライバルターミナルの天王寺や京橋を突き放し、京都も凌駕する規模にまで成長できるかもしれません。その規模になると全国ターミナルトップ10入りを果たせる程になります。
