130億円の事業費を投じて2007年10月より着手された阪神電気鉄道と神戸高速鉄道による阪神三宮駅改良工事。その第一段階かつ当初の第一の目的として計画された東口改札口、そして同改札口とミント神戸やさんちか等の周辺商業施設を連結する地下道が、本日3月20日よりめでたく供用開始となりましたので、早速、取材して参りました。
東口は中央幹線の地下(日本生命三宮駅前ビル及びミント神戸の間)に設置されました。まずは東口へ連絡する各アクセス路から見ていくことにしましょう。
最初にご紹介するのは日本生命三宮駅前ビルに開設された地下通路への階段です。現在、この階段の付近では神戸市が歩行者デッキとエレベーターを整備中で、三層エリアネットワークによる地下駅へのアクセスをバリアフリー化しています。
この階段から地下へ降りて直進すると、さんちかの「味ののれん街」へと連絡し、右折すると阪神三宮駅東口へと行くことができます。
こちらがさんちか側から新地下通路を眺めた光景です。さんちか側から東口へ連絡する新たなアクセス路となります。
中央幹線を渡って向かいのミント神戸前にも平行して同様の階段が設置されました。
この階段を降りるとミント神戸の地下階及び東口へと連絡します。階段の壁面パネルもミントの他のエリア同様にグリーンのガラスパネルが採用されています。
ミント神戸地下階への専用連絡口。左にエムマルシェへの連絡エスカレーター及び階段、右側に地上階へのエレベーターホールが開設されています。
エムマルシェは半階分高い位置にあるようですね。西側のメインエントランスのみへのアクセスかと思っていたので、直通エントランスの設置にはちょっと驚きました。これはミント側が設置したものと思われます。
東口への連絡通路から見たミント神戸の南側エントランスです。改札を出てすぐに買い物が出来るようになりました。
ミントの地下西側の既存通路からも東口へのアクセスが整備されました。
この部分には新たに大型モニターが設置されました。待ち合わせゾーンになる事を見越した神戸新聞側の意図かもしれません。
追記:クモイビジョンと名付けられ、9台のモニターで運営されているそうです。
東口改札前のコンコースです。広く明るく清潔な印象です。
供用開始初日の午前中でしたが、すでに多くの利用者が見受けられました。今後、更に認知度が高まれば利用者数は増加することでしょう。阪神はこれまで西口改札に集中していた利用者の3割が東口へと振り替えられると予測しています。
現在、自動改札機は4台設置されています。通行量の増加に備えて、増設スペースは確保されています。
切符売り場は改札の向かって右側に設置されました。こちらも稼働中の券売機は3台ですが、利用客の増加によって増設ができるようになっています。
今回の東口開設で唯一開業した商業施設が駅ナカコンビニの「asnas」です。阪急阪神が運営するブランドです。
ホーム上の人工地盤拡大が必要になりますが、将来的にはこのコンコース内にも他商業施設の開業も期待したいところですね。
この通路の開業で三宮東エリアからさんちか方向へのアクセスが容易になりました。今後、どのように人の流れが出来ていくのか楽しみであり、更に周囲の開発を触発するような動きへと成長していって欲しいですね。
改札口の両サイドの柱に取り付けられた三宮駅のオブジェ的なサインです。中から照明を透過させると共にメタルフレームとパネルが浮かび上がるように見えます。なかなか洒落た造りと演出です。
それでは改札内に入ってみましょう。
改札内は改札外とデザインや色調に統一感を持たせた印象ですが、より暖かみを増した感があります。暖色系の色調を採用した煉瓦パネルの柱がその変化の要因です。
天井には改札内外問わず統一されて取り付けられた波をイメージしたパネルが採用されています。波型パネルは壁面にも使用されており、阪神三宮駅全体のコンセプトとして「三宮から新たな波を起こしたい」という想いが込められており、新しい三宮を象徴しています。
改札内コンコースの東端はトイレが整備されていますが、男女トイレのエントランス中央にはこんな壁面緑化の演出がありました。私鉄らしい配慮ですね。
ホームへのアクセスはエスカレーター、階段、エレベーターの3経路。エスカレーターはコンコース内で最も改札に近い西側に設置されました。
階段は中央です。
階段やエスカレーターとコンコースを間仕切る転落防止用の柵もメタルフレームを使った凝った造りとなっています。
ホームに降りてみました。
改札やコンコースは供用開始となりましたが、延長新設された上り方面のホームはまだ使用に至ってはいません。
ホーム東端は上下方面共にまだ立ち入ることはできません。西口の拡張工事と既存ホームの改良工事が完了すると共にこちらも使用が開始されます。
下りホームは先行供用が始まっていますが、改良後は左側の中央が折り返し線になり、現在、折り返し線となっている右側が下り線となります。
手前が既存のホーム、その先が頭上に東口コンコースが開設された延長新設ホームです。既存ホームのリニューアルも徐々に進行中です。柱の煉瓦も全て新設部分と同様の形で美装化されることでしょう。
駅開業当時から残るアーチ型の梁や天井、配管等も綺麗に塗装が塗り直されています。波型壁面パネルの取り付け部分も拡大しています。
東口の供用開始に合わせて通行開始を始めたかった歩行者デッキですが、工事の遅れから同日供用のスタートはできませんでした。
しかしながらすでに完成間近い所まで整備は完了しているようです。恐らく4月中には完成するのではないでしょうか。
追記:開通は夏を予定しているようです。
三宮駅改良工事は今後、既存部分の改修と西口の改札内コンコースや改札外通路の拡大工事が進められていきます。故に全体工事の完了は更に1年後となります。利便性や安全性の向上が第一の目的ではありますが、この改良工事が秘めている波及効果による周辺エリアの活性化と合わせて、今後の工事の行方を更に追っていきたいと思います。三宮を変える波になることを期待して。
まずは何はともあれ阪神三宮駅東口の開業を祝いたいですね。
阪神三宮駅改良工事 -3/20東口供用開始!-
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丁寧に載せていただいて、よく分かりました。当たり前ですがすごくキレイですね。これを機に東側の活性化がはかれるといいですね。ところでJR三ノ宮駅は改修工事だけで終わるのでしょうかね。
新しい改札口の新設は既存の改札口の改修と違って、完成するまでどんなものになるのか検討もつかないので、わくわく感が増しますね!!
西口も東口のようなデザインで統一されるのであれば今から楽しみです!
ところでペデストリアンデッキでROUND1方面に行くには、途中で一度降りてまた古い歩道橋を渡らないといけないんでしょうか(TT)
どうせならROUND1にも繋いでほしいですね!!
広島なんかと異なり、手際良く工事を進めています。
あと、写真から判断すると、乗客も広島なんかと異なり
マナーも良い人達ばかりで、羨ましいです。
ぽん太さん
そうですね。今後の周辺開発の起爆剤になってくれたらと思います。投資が次の投資を生んで連続していけば大きな変化に繋がります。JRの駅ビルは必ず実行されると思いますが、時期は少し遅れるのかもしれませんね。
JUNKさん
過程を楽しむのも一つの楽しみ方ですが、駅の場合は全てが新しいので完成時の驚きは格別ですね。恐らく西口も統一された仕様になるかと思われます。また一年後が楽しみですね。ROUND1の歩道橋とは連結されるのではないかと思います。
佐伯虎さん
広島の方ですか?広島の路面電車に何度も乗りましたが、そんなにマナーが悪いとは特に思いませんでした。まあどんな所にもマナーの悪い人はいると思います。神戸も決して褒められるわけではないと思います。