20年度に民営化予定の神戸ポートタワーの施設を改めて検証する

2020年度に民営化する方針とされる神戸港のシンボル・神戸ポートタワー。高さ108mの鼓型鋼管タワーのデザインは全国のテレビ塔等のタワーとは一線を画す優れたデザインを持ちます。

2010年に開業以来初の大規模改修が施されましたが、それからもう9年が経過。来館者数は横ばいで年間30万人程。


最上部の展望フロアは5層あり、下層に行く程、フロア面積は縮小します。


最上階の5階は9年前のリニューアル時に内装を黒に統一してシックな雰囲気に変更しました。壁際にはソファー等も多く設置。来館者の殆どがこの5階を訪れて眺望を楽しみます。


地上からの直通エレベーターが止まるのは4階。この階は内装を白に塗装。地方の観光施設定番のガチャポン等も置いてあり、5階から一転してローカル感が強くなります。


3階は年末までに閉店した回転喫茶です。年明けから回転展望階として再オープンしました。一周20分で回転します。


2階まで降りるとフロアの通路幅は劇的に縮小します。他階と比べても老朽化が強く感じられます。


そして最後は1階。更に狭まった通路は人1人分です。


10年のリニューアル時に床の一部を強化ガラスに変更しました。100m下を覗く事ができるスリリング？な演出です。

さてこの5フロアを再度、改修するにあたってどのようなリニューアルや再編が必要でしょうか。まずフロアの回遊性向上の為、螺旋階段の改善が必要でしょう。

4階で降ろすのであれば、構造上、可能かどうかは分かりませんが、5階のエレベーターは撤去してより大きな平面フロアを確保し、より幅のある緩やかな階段を再設置。

より広い4階にポトマック等、地元有名カフェプロデュースのカフェレストランを誘致。天井や柱を緑で埋め尽くす天空のグリーンハウスカフェも話題になるかもしれません。

2-3階についてはいっそのことホテルにしてしまうのはどうでしょうか。消防法や水回りの構造的にクリア出来るか分かりませんが、3-4部屋限定のポートタワーホテルなんて人気が出そうです。

エレベーターも高速機に入れ替えて稼働率を上げます。


低層部も現在はあまり有効活用されていません。


3階はエレベーターを降りる階ですが、ガランとして何もありません。上階ホテルのレセプションやグッズショップがあると良いかもしれません。


2階にはメリケン食堂が営業していましたが、ここも民営化に備えて閉店しました。再び話題性のあるレストランの誘致が期待されます。


1階も昭和の香りがプンプン匂います。エントランスとして大規模改装が必要です。


建て替え予定の中突堤中央ビルとの連携も重要です。ちなみにポートタワーと同じく60年代に開業し、低層部の改修で飛躍的に来館者を増やした横浜マリンタワーは今年度末に閉館し、約3年を掛けた空前の大規模改修をするそうです。ポートタワーも民営化には大規模な改修が必須となる事でしょう。どんな企業が公募に名乗りを上げるでしょうか。資金力があり、商業施設の運営ノウハウに精通する事業者が望ましいですね。