大阪

地域探訪: エキスポシティのNIFREL(ニフレル)は内容濃厚な都市型小型水族館

nifrel01.jpg

大阪吹田市のエキスポシティ内の目玉施設として人気を集めている水族館「NIFREL(ニフレル)」。何ともキャッチーな施設名ですが、「〜に触れる」という日本語から造られた造語です。訪問まではそんなに期待していなかったのですが、なかなか小さいながら内容の充実した水族館でした。新港突堤西地区再開発の集客の中核も小型水族館という事で、大いに参考して貰えればと思います。

nifrel16.jpg
基本的な水槽はみな小振りで海遊館やスマスイのようにダイナミックな水槽にありとあらゆる外海の魚が優雅に泳ぎ回る姿を見られる訳ではありません。

ニフレルは珍魚のオンパレード

nifrel11.jpg
大型魚はほとんどいないニフレル。しかしながら、ニッチで不思議な魚が多く展示され、どれもとても興味深い種類やジャンルが選択的に集められています。写真は熱帯の海に住むニシキアナゴです。砂から身体の上部のみを出して、流れてくる餌を捕食します。外敵が来れば、素早く砂の中に身を隠します。ニフレルでは砂ではなく透明のジェリーを使っているので、内部の様子までよく見えます。

nifrel12.jpg

これは少し前に話題になったダイオウグソクムシです。海の掃除屋さんと呼ばれています。ちょっと見た目はグロテスクですが、愛嬌があります。

nifrel14.jpg
言わずと知れた太古からの生物カブトガニ。実家に剥製があったのを思い出しました・・・。

nifrel17.jpg
この不思議な魚はボロカサゴ。ボロボロと脱皮しながら成長する魚です。

nifrel10.jpg

こちらも太古から生き長らえてきたオウムガイ。イカなのか貝なのか。

nifrel15.jpg

ヒラメがスイスイ泳いでいる姿を見た事がありますか?ヒラメはずっと砂の上でジッとしているものだと思ってました。ニフレルのヒラメは小粒ですが、皆、よく泳ぎ回ります。

nifrel13.jpg

こちらはテッポウウオの展示水槽。筒の上に手を添えると、水中からテッポウウオが水を発射します!

他にもドクターフィッシュに指の角質を食べて貰ったり、幻想的なクラゲの舞、タツノオトシゴの不思議なダンスと挙げきれない程、面白い魚溢れています。

幻想的な空間演出

nifrel09.jpg

テーマの切り替えゾーンにある空間「ワンダーモメンツ(Wonder Moments)」には巨大な球状のオブジェが天井から吊り下げられており、ここに映像が投影されて、音楽に合わせて地球になったり、球体スクリーンになったりと幻想的な世界が繰り広げられます。

nifrel08.jpg

床面にも映像が投影されます。子供達は大はしゃぎ。円形状の空間の壁際には大人達もくつろげるベンチも備わります。

クライマックスは「みずべにふれる

みずべにふれる

nifrel04.jpg

そしてメインの「みずべにふれる」ゾーン。ここの主役は何と言ってもホワイトタイガーの「アクア」。1頭で水族館で1番大きな展示エリアを欲しいままにしています。

nifrel03.jpg

ガラス内には水辺もありますが、アクアが歩き回れる橋を頭上にも設けて、間近で虎を見る事ができるよう工夫されています。餌の時間にはスタッフが所かしこに複数種の肉を隠して、アクアが餌を探して食べる様子を観察する事ができます。時にはアクアの食べ残した肉や骨が観客の頭上に降ってくる程の臨場感で、人気を集めます。

nifrel19.jpg

アクアの前にある巨大な水槽にいるのは・・・

nifrel06.jpg

人食いワニとも恐れられる巨大なイリエワニ。

これが2匹もいます。しかもこんな真正面から写真を撮れるのです!ガラスが無かったらゾッとしますね。

nifrel07.jpg

水中の中は何というか少し間抜けで可愛らしい感じもします。前足の脱力感がかわいいですね。

nifrel05.jpg

そしてミニカバも同じように真正面から。王子動物園のカバは水中に潜られると殆ど見えなくなってしまいますが、水族館は水槽でカバが見られるので、水中をかわいい足で泳いでる姿がお茶目です。

神戸の新・水族館に求められるもの

kibunishi09.jpg
新港突堤西地区再開発の目玉施設として、円筒形の水族館の建設が計画されています。ニフレルも小型の水族館ですが、大型水族館には無い魅力に溢れています。神戸の新水族館も海遊館やすますいのような規模を追う施設ではありません。従って独自性の高さが人気の持続に直結する事になります。最近は水族館や動物園の再生がトレンドになりつつあり、寧ろ小型の施設の方が面白いという傾向も出てきています。最新の水族館となるだけにハード面では優位を得られる筈ですが、継続して集客力を高めるには他には無い突出した魅力を持たなければならないでしょう。
関連記事
大阪

地域探訪: 大阪・JR大阪駅西口・うめきた地下口開業・供用開始 Part2 最新技術のオンパレードによる未来のターミナル駅像

2023年4月2日
こべるん ~変化していく神戸~
JR大阪駅では北側のうめきた2期地区・グラングリーン大阪の玄関口の役割を果たす西エリアへの拡大を進めています。前月、JR大阪駅西口及 …
大阪

地域探訪: 大阪・JR大阪駅西口・うめきた地下口開業・供用開始 Part1 新時代のターミナルを体現 三ノ宮駅もこうなる?

2023年3月27日
こべるん ~変化していく神戸~
2019年より着手し、長らく大規模な工事が続いているJR大阪駅西側エリア。西日本最大のターミナルである同駅の西側を、いよいよ来年に街 …

POSTED COMMENT

  1. 摂津国人 より:

    新港突堤の開発のことで心配なことが、国道2号線が三宮からの移動を妨げていることです。
    現在でもKIITOに行こうとしても、国道2号線に阻まれて新港突堤側まで行く気になれません。
    同様のことは、元町からメリケンパークに行く時や、神戸駅からハーバーランドに行く時に感じます。
    現在、人の流れは三宮から元町へ向かっているので、この流れを新港突堤側に向けさせるのは相当な工夫が必要だと思います。
    せめて、地下鉄海岸線が、三宮から南に新港突堤、メリケンパーク、ハーバーランドと通っていてくれるとよかったのですが。
    ニフレルのような小型の都市型水族館というアイデアはいいだけに、頑張って欲しいです。
    前にしん@こべるんさんがおっしゃってたように、山手幹線に続き2号線が地下化するのを期待しています。

    • しん@こべるん より:

      この再開発はメリケンパークやハーバーランド等、東西の回遊の中で生きてくるのでないかと思います。よって早くメリケンパークからの桟橋が欲しいところです。内容が良ければ2号線の壁もハーバーやメリケンの例のようにハードルは下がります。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です