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大阪市中央区のオフィス街の中でもその中枢を司る淀屋橋。中之島の南側でメインストリートの御堂筋を中心としてその両側に多くのオフィスビルを抱えます。土佐堀通を東側に入ってすぐの場所で鉄骨造の建物の大規模な建設工事が進行しています。
重量鉄骨が12階~13階辺りまで組み立てられています。デッキプレートの設置も進んでいます。グレーに塗装された鉄骨で構成されている1-2階は3階以上のフロアより階高が遥かに大きい事が分かります。
建設されているこの建物は日本生命淀屋橋ビルの建替プロジェクトです。築50年の老朽化した既存ビルを地上25階 高さ123mの超高層オフィスビルへと生まれ変わらせる計画です。
敷地面積 4,666.74平方メートル
建築面積 2,600平方メートル
延床面積 51,500平方メートル
高さ 123メートル
構造 鉄骨造
階数 地上25階 地下1階 塔屋2階
用途 事務所 店舗
設計 大林組
施工 日本生命淀屋橋ビル新築共同企業体(大林組、奥村組、藤木工務店、大末建設)
完成予想パースです。淀屋橋は日本生命村の異名を持つ日本生命の総本山です。本社をはじめグループ企業のビルが複数棟ひしめき合っています。この一角に建設されている今回の超高層オフィスビルは周辺の建物と調和を図る為にアルミカーテンウォールを採用しつつ、落ち着きのある外観で統一しています。
敷地コーナー部にモックアップが設置されています。石壁のPCWはパースと比較すると色調は暗めですので、パース以上に落ち着いた雰囲気の建物になりそうです。
超高層オフィスビルの建設では珍しくこの高さまで鉄骨建方が進んでいるにも関わらずタワークレーンがまだ投入されていません。完成時には淀屋橋地区のオフィスビルとしては最も高い建物になる予定です。ただそれも長くは続きません。これまで淀屋橋は重厚な建物は多いものの、高層建築は規制されており、周辺地区の高層化が顕著でしたが、御堂筋沿いの高さ規制緩和と共に既存建物の建て替えと集約による超高層ビルの出現が相次いでいます。
御堂筋から望む日本生命淀屋橋ビルです。まだ半分強の高さですので、もっと大きく目立つ存在になるでしょう。
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> これまで淀屋橋は重厚な建物は多いものの、高層建築は規制されており、周辺地区の高層化が顕著でしたが、御堂筋沿いの高さ規制緩和と共に既存建物の建て替えと集約による超高層ビルの出現が相次いでいます。
この日本生命 (仮称)新淀屋橋ビルの後は淀屋橋ツインタワー構想で150mと135mのツインタワーが待っているとなるとやはり神戸ももっと高層ビルを建てて欲しい気持ちになります。
これだけ大阪で新規オフィスビルが供給されてしまうと、手狭で老朽化した神戸のオフィスから大阪に移ってしまう企業も多くなるのではないかと危惧します。
三宮バスターミナル、JR三ノ宮駅ビル、新港町を除けば、オフィスビルの計画は神戸では三宮中央通の関電のプロジェクトくらいでしょうか。
関電のプロジェクトは50m程度ですので、できれば100m程度ほしかったですね。
神戸市は三宮にオフィスビルを建てることを推奨しているので、オフィスビルの建設に対して減税だけでなく容積率の緩和や高さ規制の例外とすることなどもご提案差し上げます。
アフターコロナとはいえ、神戸のオフィス需要がないわけではなさそうですから、高度利用された新規のオフィスビルの計画が欲しいです。
神戸の場合、淀屋橋・御堂筋と違って、高さ規制の範囲も六甲山脈以南全域と言っても過言ではない範囲ですので、この規制が長期に続くと都市間競争には致命的であると感じました。
それと気になったのは、既存の日本生命淀屋橋ビルは築50年で建て替えを迎えているということです。
この築年数は三宮のサンプラザ・センタープラザと同じですが、サンプラザ・センタープラザはこれから建て替え検討ですので、いつ建て替えられるかわかりません(永久に立て替えられず、廃墟モール化してしまう可能性もあります)。
もちろん日本生命淀屋橋ビルはオフィスを店子として入れていたので、区分所有のサンプラザ・センタープラザとは事情が異なりますが、事情が異なるが故に早目の調整が必要だったようにも思います。
三宮南西街区のあの一角でさえ調整できなかったことが悔やまれます。
ブログ主さんが過去の記事内で、大阪市内の開発状況について、初期の頃はタワーマンションが、続いてホテルが建設されるようになり、そして近年の景気回復とともにようやくオフィスが建てられるようになったと解説されていましたが、その勢いにはなかなかのものがあります。
現在判明している建設予定の主要オフィスビルの延床面積から取り壊される旧ビル分を差し引いたいわゆる真水(純増)分だけでも65万㎡を超えそうです。ちなみに堂島の旧三菱ビル等のように、高さ147mのホテルとオフィスからなる超高層複合ビルに建替えられることは明らかになっていても、その概要が判明していないケースは前述の数字には含まれていません(データセンタービル等の床も含まれません)。
このように25年前後の完成をおおよその目途に建て替えられることが既にプレスリリースされ、現在旧ビルの解体が始まっているものの詳細が未発表の大型物件がまだ複数棟あるため、これらを合わせるとこれからの5年間で7~80万㎡前後の真水のオフィス床が大阪市内に出現することになります。
この数値は20年現在のさいたま市のオフィスストック(延床3000㎡以上のビルの合計延床数)の約7~8割に相当する数値で、神戸市の約4割にあたります。しかもこの後も大阪市内でのオフィスビル建設の勢いは弱まることはなく、報道でもすでに明らかになっている阪急ターミナルビルをはじめとする阪急村にある老朽化ビル(ホテルを除くと約5棟程度?)の逐次建て替えや、31年開業予定のなにわ筋線にあわせた京阪やNTT西等による中之島再開発、30年代以降に新線が次々に開業予定の新大阪駅周辺における官民複合の広域大型再開発、さらに最近明らかになったNTT西による京橋におけるベンチャー企業集積化構想(京橋イオン再開発に伴うオフィスビル建設?)等、これ以上書くのもめんどくさいのでやめますが、枚挙に暇がありません。
神戸市のオフィスストック規模は、20年現在約180万㎡なので、向こう10数年で大阪市内の新規供給分がこの数値を上回ることはさすがにないでしょうが、場合によっては7~8割(120~30万㎡)近くに達する可能性も充分ありえます。こういった状況に対し、3期目出馬をすれば当選濃厚の久元市長はいつもの定例会見で、人口で福岡や川崎に抜かれたときと同様に不敵の笑みを浮かべながら「神戸はオフィスの(床)量ではなく、質にこだわる」とでも発言するのでしょうか。
大阪市のテナント動向は南エリアが店舗等を中心に空室が目立っていますが、梅田エリアのAクラスのオフィスは高額賃料ながら空きが出ても直ぐに埋まるようです。
私は向こう10年位で現在の神戸市のオフィスストックを凌駕するのではないかと思います。それは大阪市の北と南を中心とした都心域が急速に広がっているからです。今後は浪速区・西区・西成区でも大幅に供給が増えること、大阪万博により交通等のインフラが整備される夢洲の開発が進むからです。今、国際金融都市構想で東京・大阪・福岡が競合し、IRでは横浜・大阪・長崎が競合しています。これらの誘致に成功するなら更にMICE機能等を持った施設群が整備されると思うからです。
神戸市は大阪の湾岸開発に歩調を合わせ、湾岸道路延伸に合わせたRICとPI(空港まで)の交通インフラの再整備が出来なければ更に大阪都の都市間の格差は広がると思います。