遂に来ました!雲井通5丁目地区再開発会社及び神戸市はプレスリリースにて同地区の再開発事業の民間事業協力者優先交渉権者に、三菱地所を代表とする企業グループを決定したと発表しました。また同グループ各社も自社サイトにて同様の発表を行いました。三ノ宮駅前の雲井通5・6丁目にて西日本最大級のバスターミナル整備とその上空を活かした複合ビルを建設する大規模再開発事業が計画されていますが、神戸市はこの一大プロジェクトの民間事業協力者を具体的の事業案と共に公募していました。
1.5年前の前哨戦とも言える基本計画アドバイザー公募には三菱地所を代表とする企業グループと森ビル都市企画が中心となる企業連合の2者からプロポーザルが提出され、三菱地所グループ案が最優秀点を獲得。
そして本番でも両グループから事業案が提出され、最終的に三菱地所グループが優先交渉権を獲得するに至りました!
奇しくも敗れた森ビル都市企画の提案には、6月に栃木県宇都宮市のJR宇都宮駅前再開発プロジェクトのデザインを手掛けた隈研吾建築都市設計事務所が参画していました。当ブログでも7月にこのプロジェクトを取り上げて、三宮バスターミナルビルもこんな素晴らしい開発内容になる事を期待したいと結びましたが、まさか森ビル案に参画しているとは思いませんでした。ちなみに敗れた森ビル案は神戸新聞によると、タワーはホテルを中心としていたようです。敗れた提案内容も見てみたいものですね。
https://kumoi-redevelopment.jp/wp-content/uploads/2018/09/180911_teiangaiyou.pdf
「雲井通5丁目地区再整備事業 事業協力者募集」 提案概要
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec180911_kumoidori.pdf
三菱地所プレスリリース: 神戸市・三宮における「雲井通5 丁目地区再整備事業」 事業協力者の優先交渉権者に選定
事業はまず雲井5通丁目から開始されますが、その提案内容は、まずここに地上32階 地下3階 延床面積10万平方メートルのI期ビルを建設します。
この提案概要通りの整備になると決まったわけではないと但し書きが記載されていますが、基本路線は踏襲されるものと思われます。但し、ビルの具体的な規模については提案概要にも各構成企業のプレスリリースにも記載がありません。唯一、神戸新聞の記事のみが規模の詳細を報じていています。以下がその概要です。
三宮バスターミナルI期ビルの概要
構成企業: 三菱地所、三菱倉庫、神鋼不動産、東畑建築事務所、再開発評価社
規模: 地上32階 地下3階
延床面積: 約10万平方メートル
用途: 低層部にバスターミナル、商業施設、2000席の文化ホール、三宮図書館、屋上庭園、高層部にオフィス、ホテル
建築家・坂茂氏が手掛けたデザインはI・II期の低層部を共通とした構造に高さを変えたツインタワーを東西に配し、タワーの外装には垂直のマリオンが際立つアルミカーテンウォールを採用。最近の建物としては名古屋・笹島地区の再開発で誕生したオフィスとホテルの複合ビルである「グローバルゲートタワー」に似ています。高さも170mなので規模もかなり近いと言えます。三菱地所の本丸である丸の内に立っているオフィスビルとも遜色ありません。想定としてはツインタワーは基本的にオフィス主体のデザインとなっているようですが、I期ビルの最上層部にはホテルが想定されているので、このままのデザインを維持できるのか心配ではあります。坂氏が神戸市の消防条例を認識して、今回のデザインとしたのかは定かではありません。三菱地所の誘致力で国際的ラグジュアリーホテルブランドの進出を期待できる事でしょう。
低層部の南北はカーテンウォールを最大限に活用した全面ガラスの壁面となります。国道2号線、あじさい通り共に敷地から建物の立面をセットバックして歩道を大幅に拡大するようです。神戸文化大ホールが整備される部分の外壁にはシックな石調のカーテンウォールを採用。また低層部の屋上はステップフロア式にして段差を付け、大半が緑化された庭園となります。
2号線に面する南と東側にはピロティ空間を設けて2階部分に歩行者デッキを巡らせます。神戸国際会館の低層部を彷彿とさせますね。デッキは恐らく2号線を跨ぐ他、ミント方面にも接続するものと思われます。国際会館のように建物内外に賑わいを創出する空間になる事でしょう。
建物内部の1階はバスターミナル、2階は待合空間となります。今回の提案書にはターミナルの配置やプランニングの詳細等はほとんど触れられていません。勿論、プロポーザル全文書にはこの辺りの詳細も網羅されているもの思われます。アドバイザー募集時の提案書の方がターミナルについてはより詳しく記載がありました。
2階の待合空間は所謂、通常の待合室ではなく、スタジアム、アメニティ、ライブラリー、ラウンジ、ワークといったスタイルにテーマを持たせた次世代型の待合空間とショッピングや飲食店を組み合わせた多目的で魅力的な構成です。「えき=まち空間」ならぬ「ばす=まち空間」というキャッチフレーズをコンセプトとして巧みに利用しています。これまでのバスターミナルのイメージを完全に覆すかなりお洒落な空間となる事間違いなしです。
3階以上はバーティカルパサージュと呼ばれる吹き抜け空間が設けられます。グランフロント大阪の低層部を連想させますね。トップライトからは外光を取り入れ、ホテルのラウンジ機能や新・神戸文化ホール大ホールの導入部及び三宮図書館・通称「スカイライブラリー」、商業テナント等から構成される空間になるものと思われます。
屋上庭園に面して開設されるスカイライブラリー。シックで上品で開放感や眺望にも恵まれた日本でも有数の環境が整うゴージャスな図書館になります。間違いなく三宮の新名所になるでしょう。
低層部からタワー部への導入部には「知のリビング」と名付けられたスペースが設けられます。同じく三菱地所が中心事業者であるグランフロント大阪にはナレッジキャピタルと呼ばれる異業種企業の交流空間が設けられており、神戸市は同様の施設を建設中の神戸阪急ビル内に開設する予定ですが、バスターミナルビル内のこの新施設との差別化が必要になってくるかもしれません。ただこちらの方がスペース的にも規模が大きいので、将来的にはこちらに統合される可能性も高いと思われます。
パースから確認すると、低層部は11フロアになるようです。12階から26階までの15フロアがオフィス、27階から32階までの6フロアがホテルとなる模様です。ちなみにII期棟は26階でした。
タワー部はアドバイザー公募の段階から三菱地所連合案はI期ビルの高層部をホテルとオフィスという構成にしていましたが、ここまでオフィス中心の設定にしたのは驚きです。ただ三宮は空室率が低く、まとまったオフィスの確保が困難な状況にあります。三菱地所はオフィスフロアを買い取り、自社で進出企業50社を誘致するとしており、業務地区としての三宮の活性化を図りたい神戸市の思惑とも合致した点が高く評価されたのではないかと推測します。また企業誘致には市内の企業移転ではなく、市外からの誘致が条件となっているようです。これだけの一等地に建設される高グレードビルならば、需要はかなり高いと思われます。
今後のスケジュールですが、まずは市庁舎3号館の敷地に新しい中央区総合庁舎が完成し、雲井通5丁目にある中央区役所や勤労会館の移転が実施されないとこのバスターミナルビル計画は進みません。その後、2020年度に既存施設の解体に着手。恐らく解体にも1年以上の工期が必要となりますし、その後の基礎工事や地下空間の大規模工事も数年単位で掛かるものと推測します。その後、文化ホールも入る低層部の地上躯体を構築していくので、高層部の鉄骨建方を拝めるのは2023年位になるのではないでしょうか。I期ビルの完成は2025年度を想定しています。II期ビルは更にその先になります。
まだまだ7年後と気の長い話ではありますが、実際のパースが公開されると現実味が湧きますね。このまま事業化して欲しいと思います。まさかJRターミナルビルよりも先にバスターミナルビルの絵姿を見る事になるとは。やっと150万都市・神戸に相応しいプロジェクトが一つ実現に向かって本格的に前進します。
雲井通5・6丁目再開発 三宮バスターミナルビルの事業協力者の優先交渉権者に三菱地所グループが決定!
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顔ぶれ的には
地元の竹中、関電、ポートピアホテルが参加している
次点グループも良かったのですが
>三菱地所はオフィスフロアを買い取り、自社で進出企業50社を誘致
何と言っても決めてはこれでしょうね
昨日の三宮ビルの話題
暫定的とはいえ神戸空港の国際線の就航
そしてこのビル計画
ようやくようやくようやく明るい芽が出てきました!
この計画は素晴らしいです!!
阪急、JR、ツインタワー、そごう、クロスウェア、これらの再開発が完了すれば、国内でも有数の玄関になりますね。
回遊性、周辺の環境、各路線のアクセス等を考慮すれば博多や京都はもちろん、名古屋駅周辺よりも優れていると思います。
7年後は長いですが、その頃になればベイエリアの再開発も進んでおり、湾岸線の延伸も完成が近づき、神戸の都市力、魅力は飛躍的に向上しますね。
次世代スパコンも設置されますし、神戸空港の発着枠の拡大や国際線も実現すれば…。
神戸の未来が明るくなって来ました。
ガラス張りの吹き抜けの図書館、パッと見るだけで問題山積みになりそうな予感がします。
直射日光は本の大敵。書棚は日光の当たらない位置に設置しないと直ぐに本が痛むけど、ちゃんと日の差し込む角度など計算されているのでしょうか。
利用者も窓際席は暑かったり眩しかったり冬は窓際から冷気が来たりで落ち着いて閲覧できないのでは。
ガラス張りの吹き抜けは、空調が効きにくくなります。公共図書館なので割高な光熱費は税金から負担することになります。
何より耐震性に問題はないのでしょうか。
見た目の派手さだけを重視し、機能性や利便性を考えないデザインでは、将来負の遺産になりかねません。
神戸の開発は、わくわく感が無いとコメントしたら出てきましたね。三菱らしいデザインの重厚感を伴ったビルが。楽しみが出来ました。7年先だけど、阪急駅ビル、新港町プロジェクトや市役所・水族館建替えなどのプロジェクトを追っかけていくとあっという間かもしれないね。
でも三菱のプレスリリースでは、サンパル・勤労会館・図書館の東側半分だけ朱枠で囲まれていますね。西側半分は現段階では不透明な要素があるんでしょうか全く触れられていません。西側はタイムスケジュールがハッキリした段階で再度コンペをするのかな。
JRビルも早くプレスリリースして欲しいな。
嬉しい話題が続きますが、ここはヴィーナステラスからの規制がかからないエリアだと思うので、ヴィーナステラスからの規制や三ノ宮駅半径500mのマンション規制方針については忘れずにチェックが必要です。
着工までの期間が長すぎてまだまだ課題が多く、チャチャ入れされそうで心配です。
とくに共産党&サヨク、神戸新聞、久元市長と不快な仲間たちは要注意です。
今年で一番嬉しいニュースだったかもしれません(笑)
今まで高層ビルといえばタワーマンションだった神戸に、これくらいの規模の高層ビルがついにできるんですね( ᷇࿀ ᷆ )
三菱による企業50社の誘致で1500人の就業者が三宮で働くことになりますね。
これはもう、大阪の南から南海と阪神なんば線を使ってでも、ぜっっったいに遊びに行きたいです!
やっとやっと具体的な三宮再開発の絵姿が出てきましたね。
今月に入っていつ発表があるのかと毎日ワクワクしながら待っていました。
こべるんさんのおっしゃる通りまさかJRより先とは思いませんでしたね。
まだ詳細の変更はあるんでしょうが期待通りの内容です。
32階建てで高さの記載はないですがどうなんでしょうね?
2025年、楽しみです。
素晴らしい! 喜ばしい! 応援したい! とは思いますが…
ちょっと低い! そして何より遅い!!
三宮の前に梅田が出来てしまいます! インバウンド景気も覚めて好景気も終わってしまいます~!
非常に喜ばしいことですね。
三宮再整備で一委員の何出ない一言で始まったバスタ構想がこう言った官民挙げての巨大開発に成長していることがうれしいです。
バスタの高さはバスターミナル、商業部が11Rまで平均階高6mとして66m。
オフィス部が12Rから26Rまで平均階高5mなら75mですが、11Fエントランスが高さ3F分あるんで85m。
ホテル部が27Rから32Rまで平均階高3.7mで18.5m。
合計して169.5m+-5mと見ましたが、少なくともしおさい公園からの高さ制限ギリギリと言う具合ですかね。
できればこのパース通りに完成して欲しいですが、またしても設計段階で変更ありうるみたいな記事の書き方がウンザリです。
スカイライブラリーの全面ガラス張りは問題ないのではないでしょうか?
パースを見る限り北向きだし、紫外線等を遮る材質を使うでしょうし、中国では山稜の観光渡り廊下にガラス張りが使われているように今やコンクリート並みの強度のガラスが登場していますよ。
材質が疑問なら今度、新図書館のパブコメやるので意見したらどうでしょうか?
よく読んだら、今回の優先交渉権者は、「新たな中・長距離バスターミナルの整備に向けた雲井通 5・6 丁目再整備基本計画」のうちの、「雲井通 5 丁目地区再整備事業」ですから、6丁目=2期は含まれていないんですね。
ガラス張りのような図書館が心配です。
おしゃれですけど、ちゃんと本を日焼けから守ってください。お願いします!
神戸文化ホールも古くなったので、このバスターミナル内にできるのですね。
折角素晴らしいバスターミナルなら、文化ホールも東京のサントリーホールや大阪のザ・シンフォニーホールの様なパイプオルガンもある音響の良い素晴らしいホールにして差別化してほしいですね。150万都市にふさわしい立派なホールを期待しています。
地元企業グループ各社にもこれからでも良いので参画を申し出て欲しいですね。風向きが変わってきました。
ようやく具体的な大型プロジェクトが一つ明らかになりました。この調子で他の計画も次々に概要が具体化して欲しいと思います。要素が揃ってくれば、他も必然的に動き出します。
他の方もコメントされていましたが、最近のオフィスビル等のガラスはLow-E遮熱・断熱がデフォルトになっています。これらは熱や紫外線を大幅に遮断する機能を有します。私の自宅もこのガラスを採用していますが、南西向きのリビングは強い西日でも床焼け等は全く起きていません。技術の進歩はこれまでの概念を大きく変えます。
今一番のワクワク度の高い開発になりそうですね。II期地区もこのグループが継承して進める事を前提しなければ、I期のバスターミナルの設計等にも支障が出ます。ただまだII期地区は再開発会社が設立されてもいないので、法的手続が整ってからの話になるのではないでしょうか。
民間がここまで入り込んでくればもう心配はないかと思います。
ぜひとも遊びに来てください。7年後には三宮もそこそこの高層ビル街になっているはずです。
> 32階建てで高さの記載はないですがどうなんでしょうね?
やはり160-170mなのではないかと思われます。
> ちょっと低い! そして何より遅い!!
160-170mは規制の無い中では低いとは思わないですが、規制があるからと思うと抑え込まれた気になってしまいますね。遅いのはもうどうしようもないですね。。。
> 三宮の前に梅田が出来てしまいます! インバウンド景気も覚めて好景気も終わってしまいます~!
これは私も少し心配しています。ただこの場所の開発は短中期で考えるべきものではないかと思います。
数字としては170mを期待しています。関電ビルの鉄塔の上までの高さと思うと、ワクワクします。中央区役所前で想像してみましたが、かなり高さを感じる事になるのではないかと思います。
Low-Eガラスの採用は確実でしょう。その辺りは考えられていると思います。
6丁目については5丁目の協力者に何等のインセンティブが与えられて、事実上はそのまま引き継ぐ形になるのではないかと思います。さもなければI期ビルとII期ビルの連結は困難です。
ホールについては別途、検討委員会が発足されていますね。コンサルもすでに決定しています。
もう少しだけ工期を早める事は出来んかな…
このペースやったら新しい三ノ宮駅を拝めるのは一体いつになるのやら…
先は長いですね。。。