国土交通省は台風被害による関西空港の機能低下を補完する為、大阪伊丹空港と神戸空港への増便受け入れを要請しました。これに対し、神戸市を含む両空港の位置する周辺自治体はこの要請を受け入れる事を表明。神戸空港には国際線を含む1日30便が、大阪伊丹空港にも国際線を含む1日40便が割り当てられる事になります。
関西空港では1日500便の離着陸があるので、その6%を補完する形になります。現在、神戸空港では規制上限の1日60便が運行している為、臨時的に発着数は1.5倍に増加します。但し、国交省幹部は現在の午前7時〜午後10時の運用時間に変更は加えないとしているようですが、神戸としては朝晩1時間ずつ計2時間の延長対応可として国交省の要請対して回答。大阪伊丹は住宅街に隣接している為、運用時間規制は固持されます。
神戸30便、大阪伊丹40便という数字は関西エアポートが算出しました。双方足して70便ですが、これらでも関空の14%程の補完です。関西空港は第2ターミナルビルとB滑走路を使用して運行を再開していますが、被災前の完全状態までに回復するのにどれ位の時間を要するのかはまだ未知数です。
運用時間の午後11時までの時間拡大については新幹線がカバー出来ない深夜帯に羽田からの需要が見込めるとして、かねてからスカイマークが希望していました。深夜帯は24時間運用が可能な海上空港のメリットを活かす有効的な利用法の一つです。
さて、国際便の就航については既存施設の中で工夫を凝らして対応しなければなりませんが、1.5倍の増便をターミナルビルがスペースキャパシティ的にこなせるかどうか。国際便の対応には入出国審査と税関スペースが必要になりますが、保安検査場が一箇所しかない神戸空港では国内線と国際線を分ける事が出来ません。国際便搭乗者は保安検査後に出国審査を受けますが、これをどう対応するのか。搭乗直前のゲートに出国審査のブースを設けるという方法も考えられますが、定刻運行には支障が出る可能性大です。入国も税関と合わせてゲート内対応するしか対応策は思い浮かびません。それとも将来的な国際線の就航可能性を考えた構造に実はなっていて、その部分が日の目を見る事になったりするのでしょうか。
また増便枠の時間帯がどこに充てがわれるのかで、キャパシティの問題が発生するのかどうかが変わってきます。朝夕のラッシュ時は保安検査内外に関わらずターミナルビル内は混雑しています。飲食店の対応可能席数も気になるところです。空いている昼間の時間帯を活用した増便であれば特に問題はないかと思います。国際便の受け入れ対応を考えると、やはり昼間と夜間という選択肢しか無いかもしれませんね。また空港と都心間のアクセスについても朝夕のポートライナーの混雑を考えると、尚更です。
井戸知事も「神戸と伊丹が関空の機能代替をしっかりと果たして関西三空港が連携できる事を示したい」と抱負を述べました。他にも今回の代替を将来的な規制緩和に対する実践的な社会実験として考えて活用すべきとの声もあります。まさにその通りだと思います。この機会をきっかけとして関西三空港の一体運用を関西全体が肩肘張らずに自然な流れで受け入れ、そして全域の発展へと繋がるように切磋琢磨していく事が出来ればと思います。
神戸空港 国際線を含む30増便を受け入れへ
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昔、近鉄で、伊勢湾台風被害の復旧とあわせて
線路幅を変更する大工事を行ったことがあり、そのときに当時の社長は
「禍を転じて福となす」という名言を残したそうです。
今回の神戸空港の増便、きっかけが関空の台風被害なので、関西経済という観点から見ると短期的には
喜んで良いのか悩みますが、あの台風が良いきっかけだったと後から言えるよう、恒久的な規制緩和に向けて動いてほしいですね。
これで国際定期便就航となればいいですが・・・
今の情勢では関空の復旧が予想以上に早いので、朝の番組で辛坊治郎さんが言っていたようにアピール止まり終わるかもです。
神戸市が国交省への回答をweb上で公開し地元の反対では無く国交省が難色を示していたことが明るみに出ましたが、神戸市自体も国交省の指示を待つのでは無く、もっと積極的に動いた方が良かったように思います。
伊丹は既に臨時便を飛ばしていますし、国際線については他の地域の会社が既に補完しており、既に遅く、今回に限っては指示を待つのでは無くもっと早く動くべきだったようにも思います。
関空自体が振り分けるのでは無く、手挙げ形式のようで、関空の第1ターミナルが21日に今月中に鉄道も再開する中で、果たして期間限定で神戸にやって来る会社があるのか疑問ですが、以前に就航の意志を示したことのあるエアアジア、元々は神戸発祥でハブ空港が深夜まで使える北九州、羽田であるスターフライヤーなど就航を検討してくれるのではないかと思っています。
どうやら運用時間も拡大されるようですね
今回の貴重な経験をいかして是非定期便として国際線が就航してほしいものです。
年単位の復旧がもし必要な事態であったならば、関西経済への影響はもっと深刻だったでしょう。阪神大震災後の神戸のように長い間、低迷を続けるかもしれません。そのリスクヘッジの為にも関西三空港の運用は本格化しなければなりません。他に流れた貨物や観光客は同じように戻ってくるかは未知数です。
> 今の情勢では関空の復旧が予想以上に早い
神戸の代替は関空の6%程なので、橋の全面復旧に至るまでと考えると、増便は実行されるのではないかと思います。
スカイマークが神戸を拠点とするように神戸に興味を持ってくれる航空会社を積極的に受け入れたいですね。今は一流である必要はありません。
このまま規制緩和を継続して欲しいと思います。
神戸航空として創業したのに結局神戸から出ていってしまったスターフライヤーが就航してほしいですね。
スターフライヤー・・・。存在すら忘れていましたが、原点回帰として戻ってきて欲しいと思います。