東京

地域探訪 -六本木ヒルズから眺めた東京都心2018-

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約6年ぶりに六本木ヒルズの展望室TOKYO CITYVIEWを訪れました。あいにくあまり良い天気ではありませんでしたが、ダイナミックな変化を遂げる首都の様変わりした様子をつぶさに確認する事ができました。2年後に夏季オリンピックを控え、そのハード面での準備の状況も見えるようになってきました。

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中でも六本木・虎ノ門地区は大変化の急先鋒として大きく発展を遂げています。6年前には200m級の超高層ビルは泉ガーデンタワーのみでしたが、森ビルのアークヒルズ仙石山森タワー、虎ノ門ヒルズ森タワー、住友不動産の六本木グランドタワー、新日鉄興和不動産の赤坂インターシティAIR等、合計5棟に増加。

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更にニョキニョキとタワークレーンがあちらこちらに見え隠れしています。ホテルオークラの建て替えや虎ノ門パストラル跡に建設中の東京ワールドゲート 虎ノ門トラストタワー、虎ノ門ヒルズの新しいビジネスタワー、レジデンシャルタワー等、高さ180-190m級の高層タワーが続々と建ち上がっています。虎ノ門地区の極め付けは虎ノ門ヒルズのステーションタワーで森タワーを凌ぐ高さ265mのオフィスとホテルの複合コンプレックスタワーになる予定です。しかしこれらの超高層集積区の西側には更に巨大開発が待ち構えています。東京タワーに匹敵する高さ330mのメインタワーを中心に、270m、240mの子分タワーを加えたトリプルタワーが建設される虎ノ門・麻布台再開発が森ビルによって計画されています。

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六本木ヒルズから眺めると、六本木・虎ノ門・赤坂地区とひと続きのビル群に見え始めたのが、背後に連なる丸の内・大手町・日比谷の高層ビル街です。この地区も六本木エリアに負けず劣らずの勢いで切れ目なく超高層化が進んでいます。東京駅の西側は三菱地所が中心となって再開発を進めていますが、東側の八重洲やその北側の日本橋地区にも超高層ビル街が急拡大し始めています。こちらも200mを越える重量級計画が目白押しで首都の玄関が大改造されています。高さ390mと日本一のノッポビルとなる予定の常盤橋再開発はこれらのビル群の背後にニョキっと頭を出す形になります。皇居と密集する高層ビルの対比はもうニューヨークのセントラルパーク周辺の風景と遜色ありません。

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六本木ヒルズと双璧を成してきた六本木ミッドタウン。今でも圧倒的な存在感を放ちますが、足元周りに随分と子分が増えました。

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色々と紆余曲折のあった国立競技場跡に建設されているオリンピックのメインスタジアムです。もうスタジアムの形になり始めています。

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その背後にズラリと林立する西新宿。昔は副都心と呼ばれていましたが、いつの頃からか新都心にその名を変えました。しかし今はもう新都心と呼ぶにはいささか歴史と貫禄を持ってしまい、西新宿のみになっています。元祖200m級ビルが林立しているので、この方角からは分かり難いですが、西側に向けて超高層ビル群は拡大を続けています。また新宿パークタワーとオペラシティの間にポッカリ空いてしまっていた大きな空間を埋める西新宿3丁目の再開発がいよいよ始動しそうです。240mのツインタワーが新宿のスカイラインを完成させます。

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これまで副都心でありながら超高層化に遅れをとってきた渋谷は東急電鉄とJRのタッグで急速に複数の再開発プロジェクトが同時に進行中です。

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渋谷駅の新しい駅ビルとなる高さ230mの渋谷スクランブルスクエアを中心にいち早く竣工を迎え、グーグル日本法人が入居予定の渋谷ストリーム等、5棟の超高層ビルが建設中・計画中です。他にも周辺でパルコの建て替えや南平台プロジェクト、渋谷公会堂建て替え、NHK放送センター建て替え等、いずれも超高層建築を含む再開発プロジェクトが目白押しです。これらの完成で長らく超高層ビル群不毛の地だった渋谷が生まれ変わります。三宮の再開発でも神戸市の幹部が渋谷のプロジェクトを視察しています。

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他の再開発地区と比べて華やかさや話題性が低いものの地道に超高層ビルの集積を高めてかなり高度利用の進んだ街が大崎です。80年代後半にJR大崎駅前にニューシティ大崎が誕生して以来、着実に開発を進めてきました。羽田空港の航空法による高さ規制で建物の高さは150m未満に抑えられており、高さ上限一杯で横に広がる巨大ビルが多いのも特徴です。

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田町から品川に掛けて連続したスカイライン。元祖・湾岸地区です。このエリアも南に行くに従って高さ規制が厳格化していくので建物の高さが低くなっています。今後、中央部の品川車両基地跡地に建設中のJR山手線新駅の開業と共にJR東日本ご大規模再開発を予定しており、13ヘクタールの敷地に超高層ビル計8棟を建設する予定です。

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湾岸地区北側でもタワーマンションを中心とした再開発が続々と進行しています。中央に黒い塊のような建造物と無数のクレーンが立っている場所がありますが、これは晴海のオリンピック選手村です。オリンピック閉幕後には追加でツインタワーが建設され、選手村はリノベーションされて分譲マンションとして販売されます。手前左の旧東芝ビルや右端でほんの少しだけ新築ビルに隠れて顔を覗かせる世界貿易センタービル等、東京の超高層時代の幕開けや成長期を支えて見守ってきた古参ビルはいずれも200m級のツインタワーに建て替えられる予定です。

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手前の高層ビル群は恵比寿ガーデンプレイスです。この辺りはまだあまり大きく変わっていません。寧ろ背後が賑やかですね。背後のビル群は今や全国区となった川崎市中原区の武蔵小杉のタワーマンション群です。

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超高層ビルの谷間を縫うように走る首都高速都心環状線です。

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ラストは東京タワーで締めます。300m級の高層ビルがいよいよ東京の都心にも出現するようになると、このノスタルジックなランドマークは大阪の通天閣のように古き良き時代の象徴・心のランドマークとなるのでしょうか。この東京に振り向けられている投資額の1/100で三宮の抱える問題は解決し、再開発は完了するのでしょうね・・・。

https://koberun.net/blog-entry-308.html

6年前と比べてみて下さい。更に6年後にはもっとダイナミックに変わっている事でしょう。

東京の写真を見てしまうと、昨日のヴィーナステラスからの神戸はまだまだスカスカですね。



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POSTED COMMENT

  1. hk より:

    100m以上の高層ビルの高さの合計ポイントでは北海道、仙台、広島、福岡よりも多く確か横浜や名古屋と良い勝負をしていたと思うので頑張ってくれてはいると思いますが
    流石に東京の規模感には敵いませんね
    量と高さに圧倒されますー
    さすが首都!
    新規案件が続々なので羨ましい!

  2. しん@こべるん より:

    東京と比べるべきではないのですが、やはりそのダイナミックな姿には憧れを抱いてしまいますね。1/100で良いのですがね。。。

  3. 某京都府民 より:

    当然ながら、神戸と東京では人口規模や経済規模が異なるので、単純に比較することはできません。しかし、都市規模の違いを考慮しても神戸の再開発は順調に進んではいないのではないかと懸念されますね。

    さて、確かに東京は、首都であるアドバンテージやオリンピック効果などで更なる発展をしています。しかし一方で、都市のコンセプトが総花的で、どういう方向を目指しているのかイマイチよく分からないという点にも注意は必要でしょう。

    東京のコンセプトで具体的に思い出せるのは国際金融都市の構想くらいですが、基本的に大規模な金融都市は英語圏ですから決して容易ではないと思います。東京がシンガポールや香港と比べてどのように有利にしたいのか、特に何も分からないと思います。国際金融都市を官民一体で実現しようという動きも乏しく、行政側の掛け声だけで終わりかねません。首都だから特に何もしなくても自然に企業が投資してくれて発展するというような考え方は、国際競争が激しい今の世の中では持つべきではないでしょう。

    では、神戸はどうすべきでしょうか。やはり、官民一体で都市のコンセプトを探ることが重要となってくるでしょう。先端医療は有望な選択肢ですが、大阪や京都とどのように違うのかを示せなければ存在感を失いかねません。

    また、官民一体の実現には、民がどのようなことを求めているのかを官が常に理解し実現しようとする努力が必要だと思います。

    こうしたことを踏まえて、改めて神戸市都心部の高さ規制の問題について考えると、単にオフィスや宿泊施設を増やしにくいといった問題や、ビルが少ないと寂しいという景観上の問題、都市の賑わいが減るといった心理的な問題だけでは語れないと思います。要は、官と民の乖離が、どんどん拡大し続けているのです。このことこそが、今の神戸の高さ規制問題の最大の懸念事項の1つではないでしょうか。

  4. H3O より:

    この時世にこんなことを言っては何ですが、地震、今回の台風21号など天災続きで関空が閉鎖されるなど大阪はほんと大変ですが、逆に神戸は大阪からの神戸空港の規制緩和要請など、マイナスをプラスに展開できるチャンスがやってきてます。
    関空アクセスがベイシャトルなど神戸経由になることも考えてインバウンド取り込みも可能性が出てきたし、一度神戸経由を覚えたらインバウンドの観光移動が神戸起点になる期待が生まれます。

    ただこんな時に当の神戸市長は9/12に「タワーマンションのあり方に関する研究会の開催」なんてことをやるんですよね。出席する有識者もタワマン否定派ばかりの面子で結論は出ています。
    http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/09/20180906041101.html

    ほんとに経済観念に乏しい人ですからみすみす飛び込んできたチャンスを手放さないか心配です。
    なんでこの人が市長なんだろう?

  5. XYZ より:

    三ノ宮ターミナルビルが大詰めのようです!

    久元神戸市長、三ノ宮駅ビル「JRとの交渉は大詰め」 ポートライナー8両対応
    http://news.kobekeizai.jp/blog-entry-2480.html

  6. しん@こべるん より:

    東京が金融都市を目指すというのはもうどの内閣も掲げてきましたが、結局、よく分からない状況のままにのるパターンが常ですね。官が民を理解していない=ごもっともだと思います。変な独自性を出す事に拘って民が萎縮してしまっているのが今の神戸です。難題を押し付けて、さあ投資しろ!では民は動きません。このおかしな神戸を推進しているのは一体誰なのでしょうか。

  7. しん@こべるん より:

    今回の関空の件は関西全体に大きな影響がある事を認識させました。このリスクをどう今後、回避するのか。その答えに神戸空港の活用という選択肢を関西全体が選んでくれたらと思います。

  8. しん@こべるん より:

    この件は明日の記事で触れようと思います。

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