東京出張の合間に約10年ぶりに東京タワー展望台に登る機会がありました。東京オリンピックを2年後に控え、首都はダイナミックな変貌を遂げつつあります。今回はその様子をお伝えしたいと思います(全てスマホ撮影なので画質についてはご容赦ください)。
現在、東京で最も高いビルは中央に聳える虎ノ門ヒルズタワーです。地上52階 地下5階 延床面積244,360平方メートル 高さ255.5mで東京で初めて250mの大台を突破した超高層ビルです。ヒルズの名称が意味するようにご存知、森ビルの手掛けた再開発ビルです。右側には愛宕グリーンヒルズも聳えます。森ビルの超高層オフィスはどれもデザイン性に優れています。今、虎ノ門ヒルズを囲むように複数の超高層ビルが同じく森ビルによって建設されています。少なくともオフィスビルとタワーレジデンス等、計3棟の建物が誕生する予定で180-240mと高さもあります。
視線を左に向けると、建設中の大型ビルが2棟確認出来ます。中央が森トラストが開発している虎ノ門パレス跡の東京ワールドゲート 虎ノ門トラストタワー(地上37階 地下4階 延床面積195,653平方メートル 高さ179.95m)でオフィスとホテルの複合ビルです。白い建物の後ろで立ち上がっているのが、ホテルオークラ東京の建て替えプロジェクトで中層のホテル棟とオフィスとホテルの超高層複合棟(地上38階 地下4階 延床面積180,096平方メートル 高さ188.65m)によって構成されます。このように虎ノ門界隈では180m以上の高さを誇る高層ビルが密集化しつつあります。
西側です。オランダヒルズ、城山ヒルズ、アークヒルズ、そしてアークヒルズ仙石山森タワーと森ビルヒルズのオンパレードが続きます。足元周辺はタワーマンションが幾つか建設中です。その背後には住友不動産村が出現しています。六本木3丁目の泉ガーデンタワーと昨年竣工したばかりの六本木グランドタワーです。200mを越えるタワー群が壮観です。六本木と言えばこれまでは六本木ヒルズと防衛庁跡の東京ミッドタウンが圧倒的な存在でしたが、それも過去の話になりつつあります。写真左側の中央部には東京タワーと肩を並べる高さ330mの超高層複合ビルを中心に270m、240mのタワー計3棟が林立する虎ノ門・麻布台エリア再開発が予定されています。かつて東京初の300m越えを目指して計画され幻と消えた西新宿3丁目のプロジェクトが場所を六本木に変えて出現するような印象です。この建物は東京駅付近で三菱地所が計画する高さ390mの常盤橋再開発プロジェクトが完成するまでの束の間、日本一の称号を得る予定です。
高輪や白金方面となる南西側はまだ高層ビルの密度は緩やかです。またタワーマンションが主な高層建築物です。窓が汚く写真映りが悪かったので六本木ヒルズや東急グループが威信を掛けて開発・大変貌中の渋谷方面は残念ながら割愛します。
北東方面は主に汐留シオサイトの既存超高層ビル群の背後に更なる湾岸タワーマンション建設ラッシュが起きている晴海、豊洲方面です。このエリアの湾岸タワーは年々、大型化し180-190mというシティタワー神戸三宮クラスが続々と誕生しています。また写真の右端で切れてしまっていますが、浜松町駅周辺では世界貿易センタービルの建て替えと周辺を含めた大規模再開発が進行中で200mのツインタワーが出現予定です。他に芝の元祖ウォーターフロントでも200m級タワーか建設中の他、旧東芝ビルも200m級ツインタワーへの建て替えが検討中です。一駅南の田町駅周辺も160mツインタワーが聳え始め、品川車両基地跡地で建設中である山手線新駅周辺はJR東日本が高層複合都市を開発します。羽田の航空規制で高さは抑えられている大崎もその開発範囲を着々と拡大中です。
残念ながら展望台の東・南方面を望む部分が改修によって閉鎖中だったのでこの方面の写真はありません。
少し開発が落ち着いた品川ですが、今後、リニア新幹線のターミナル駅化が控えており、再び大変貌を遂げて行く事は間違いないでしょう。
我々が一喜一憂、狂気乱舞する三宮再開発はこの東京のほんの一部を切り取って移植するだけで終わってしまう規模です。首都の発展は無論、必要なのですが、少しでもこの投資が神戸を含む地方都市にも振り向けられればと思ってしまいます。
そんな東京を以ってしても熱気を帯びる中国大陸やアジア諸国で進行する大開発を見てしまうとそのスケールの違いに驚嘆してしまいます。神戸が東京やアジアの諸巨大都市と競う必要はありませんし、その土俵に立つことでさえもおこがましいですが、三宮の再開発反対、高層ビル反対なんてそんなマクロな視点に囚われる事なく、神戸の発展を願って欲しいものです。予定されている三宮の再開発が大開発だなんて井の中の蛙です。国内7位の150万都市としては全く物足りません。
人口減少で床が余ると言いますが、そもそも日本の住宅もホテルもオフィスも世界の標準と比較して規格が小さ過ぎます。未だに分譲マンションは70平米に3LDKを押し込めようとする。ビジネスホテルは16平米。スペース的にゆとりが取れるようになるのですから、規格からもっとゆったりとしていくべきです。カプセルホテルの時代はもうとうの昔に終わっています。オフィス床の大量供給が懸念されてきた東京が尚も床を消費できているのは企業がようやくオフィスにゆとりを求めるようになってきたからです。ゆとりのある高規格オフィスでなければ人の採用が難しくなってきたからです。日本人がスペースを犠牲にする時代は終焉を迎えます。そんな事を感じながら、しばし首都を眺めていました。
地域探訪 10年ぶりに東京タワーへ登頂!首都・東京の変貌ぶりをまざまざと実感
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東京で勤務していますが、東京との比較において神戸はおっしゃる通りと思います。
神戸なりのビジネス環境や街整備を強化し、他の地方とは異なる個性を出せられれば十分にポテンシャルを秘めた街になると思います。
神戸は海、山、異国情緒がある街なので更に進化してほしいです。
最近の東京で圧倒されたのはベタですが、東京駅前広場です。一等地の土地をあれだけ広々と贅沢に使う大胆さに驚きました。
三宮クロススクエア構想は最初聞いてもイメージが湧きませんでしたが、東京では車道の歩道化が進んでいるのですね。ゴミゴミしたイメージの新橋は花壇に囲まれた綺麗な遊歩道になり、日比谷の一部も完全に車を締め出しベンチを置いて公園のようになっています。
神戸の旧居留地の車道も、丸の内みたいにブロックを敷き詰め美装化して車は徐行でしか通行できないようにして欲しい。
葺合南54号線は発想は悪くないけど東京のそれに比べるとデザインにセンスがなかったと思ってしまいます。
東京は関西都市に比べても都会の中に緑の空間がきっちり確保されているのが良いですね(この写真でもわかります)。皇居の存在が大きいけど、それ以外も規模の大きな公園がわりと多い。六本木などでも無理やりのようですが芝生広場を作り出して都会のオアシスにしている。
神戸は土地が狭いからしょうがないのかもしれませんが。空間を大切にした街づくりを心がけて欲しいですね。そういったものが都市の厚みを作り出すと思います。
狭い神戸市の中心部の空間を上手く利用してほしいですね
だからこそ中心は高度利用は必須だと思います
京都でもないし、ヨーロッパの歴史ある都市でもないので、低層で統一する意味なんてどこにもないですしね
山なんて元町まで移動すれば思う存分見れますし
一つだけ進捗があるのは、去年12月ですが阪神高速湾岸線西延伸高速道の六アイ分岐部近くでボーリング調査やってました。
都心部などで区分所有が再開発の足かせになっております。
高度規制の撤廃ももちろん必要と思いますが、一定面積以下の土地所有に対して何らかの規制を行ったほうが良いのではないかと思います。
高層ビルを建てることで東京や大阪の真似をするのはよくないといいますが、逆に低層ビルにすることで京都や奈良、芦屋の真似をするということにならないんでしょうかね?
低層ビル街の都市は国内や国外でどれも観光都市として成り立っていて、中核都市としての位置を捨てています。
大してインバウンドの恩恵を受けていない神戸が観光都市としての魅力が薄いことは歴然です。洋風化することで観光業やっていけるんでしょうか?しかも雑居ビル街をレトロ街並みに変えることだけで…。
市長は北区の茅葺民家群を売り出したいそうですが、何か違うと思います。
このままの都市計画では瀬戸内の一地方都市としての立ち位置にわざわざ降りていくようです。
20年間首都圏で仕事をしていました。高層ビルから別の高層ビルが出来ていくのを観ていました。しかも1本で、三の宮近辺のオフィースビルすべて入居できるのではないか、と思うほどぶっとい超高層ビルです。どんどんクレーンも増えている。
神戸が取り残されるのは(神戸だけではないですが) 一極集中政策を国が進めているのだからしかたがりません。東京の国家戦略特区は超高層ビル建設推進特区といっていいと思います。いずれくる震災に備えるために耐震性のある超高層ビルにしたいのだと思います
それでも、六甲山から観る神戸市の俯瞰は、すさまじいほど収斂され、町の大きさからして不自然なほど巨大なすばらしい湾岸風景だと思います。いくら東京が高層ビル化しても、六甲山から観る神戸の町並みの異様さにはかなわないのではないでしょうか。
六甲山や摩耶山からの眺めは、香港のビクトリアピークからの眺めとそっくりです。
どちらも世界を代表する港湾都市の素晴らしい景観です。
しかし、その明暗ははっきりと分かれています。規制のないビクトリアピークからの眺めが、いかにイキイキと輝いているか
ポートタワーが見えたの見えないなどで貴重な資源をいたずらに弄び、街の経済的損失を厭わない
これが健全な街の発展に寄与すると、景観審議会の方々は、本気で考えているのでしょうか?
摩耶山さんの言う通りだと思います。
意図的に一局集中が進む東京と比べると神戸の高層ビルは数もボリュームも比較するにあたりませんが、神戸の街並みには独特のスケールがあります。
山と海に挟まれた細い帯状の土地に凝縮されたビル群は、海から見ても、山から見ても目に飛び込んできます。
また今の神戸は低層ビル群からそれほど多くない高層ビル群がまばらにニョキニョキ生えているような状況。僕はこの低層ビル群と少数の高層ビルの落差とまばら感が街の立体感を強調しているように思います。超高層ビルが増えるのは良いですが、あまりにも増えすぎるとこのバランスがくずれ立体感が弱まるかもしれません。
適度に高層ビルが増え、緑も適度に増え、もっと良い街並みになることを期待しています。
あと大事なのは、高層ビルのデザインですね。デザイン性のないアグリーな高層ビルは、取り返しがつきません。
マッキンゼーがアジア初の研修拠点にシンガポールや香港等の大都市でなく日本の新神戸を選んだ理由。
「街の雰囲気が良い、新幹線駅近で便利なのに落ち着いて自然豊か」に加えてスタートアップ事業に力を入れている点を評価されたとのこと。
だから世界に目を向ければ「今のままの都会すぎない神戸ちゃんが好き」と言ってくれる人もきっと現れることでしょう。
他都市の規模を追うよりも神戸オンリーワンの魅力を見出し磨きをかけて売り込む事も大切なのではないでしょうか。それには外からの視点意味を持つように思います。
>あと大事なのは、高層ビルのデザインですね。デザイン性のないアグリーな高層ビルは、取り返しがつきません。
同意します。JR金沢駅は低層だけど非常にデザイン性に優れて印象に残るし、金沢に来たって感じがします。JR三ノ宮駅ビルが洗練されてインパクトのあるビルになることを期待しているのですが。
バスタツインビルも今のイメージ図では見た目詰まらん無個性なビルになりそうだなと心配しています。