東京出張の際に東京タワーや六本木ヒルズに立ち寄り、現在の首都の様子を観察してきました。既に周囲をより高い超高層ビルに囲まれつつある東京タワーより、それらから少し距離を置いて立地し、より高い位置に展望フロアのある六本木ヒルズの方が客観的な視点で街の変化を確認する事ができます。
奇しくも6年毎に六本木ヒルズの展望フロアを訪れてきましたので、2012、2018、2024年との比較が可能になりました。
麻布台ヒルズは間違いなく現在の東京における象徴的な存在です。麻布台ヒルズ 森JPタワーが高さ330mと日本一の高さを誇る超高層ビルである事や建設中で完成時には270mに達する麻布台ヒルズレジデンスBが日本一高いタワーマンションになる事だけでなく、再開発によって生まれ変わった広大な敷地全体が富と権力の集中を如実に現しています。
同じ高さであっても既に過去のランドマークとなってしまった東京タワー。存在感は日に日に薄れてしまっているようです。
ただ麻布台ヒルズを除いた画角ではまだ存在感を誇示できるでしょう。
東京湾岸の沿岸に沿って高層ビルが張り付くように連なっています。芝浦から田町へとダイナミックなスカイラインが形成されてきました。
スカイラインは更に田町から品川に向けて連続性が高められています。
JR東日本が高輪エリアで進めている大規模な開発プロジェクトによって田町-品川間の高層建築空白地帯が埋められつつあります。
出現中の高輪ゲートウェイシティは、高輪の車両基地跡地約13ヘクタールにJR東日本が計画する新しい複合文化都市で、4棟の巨大超高層複合ビルで合計延床面積84.5万平方メートルが来年に生まれる予定です。
成長を続ける渋谷。スクランブルスクエアのある駅を中心に再開発が継続しており、IT企業の集積地として、訪日客の人気観光地として、進化を遂げています。2012年と比較すると、中央にランドマークが出現しています。フクラス内のタリーズで時間を潰しましたが、客の6-7割は外国人で、まるで海外のカフェにいるような感覚でした。
元祖・超高層ビル街の西新宿が東京の象徴として映し出される機会は随分と減った気がします。ビル群は拡大していますが、タワマンが多くを占めます。ただ新宿駅を中心とした巨大再開発が始動しており、復権に向けたプロジェクトが進行します。まさか新宿が脇役になる時代が来るとは。
防衛庁跡地再開発の東京ミッドタウンも一時は都庁を抜いて東京一の高さを誇るタワーだった時期がありました。
ミッドタウンのすぐ近くに完成した非常に凝った造りのタワーレジデンス。三井不動産が開発したパークコート赤坂檜町ザタワーです。「東京ミッドタウンを庭のように暮らす」をコンセプトとした44階建の高級賃貸マンションです。
この12年で、六本木から虎ノ門、霞ヶ関、内幸町、丸の内、大手町へと連続する超高層ビル群は今や前述の新宿を遥かに大きく凌駕する規模に成長し、更に膨張を続けています。
JR東京駅近くで建設中の常盤橋プロジェクトによって麻布台ヒルズ 森JPタワーをも60m上回る東京トーチタワーが出現する予定です。丸の内・八重洲のビル群の中に突出したスーパートールが登場すると、ある意味、この景観を完成させる事になるでしょう。
東京の膨張は留まる気配がありません。これだけの床が出現しているにも関わらず、空室率が何十%になっているというような事はなく、消化が進んでいます。これまでも20〇〇年問題というような大量新規供給に懸念が上がる事は幾度となくありましたが、結局は杞憂に終わり、近頃ではもうあまり聞かれなくなりました。
麻布台ヒルズを完成させた森ビルの次の開発プロジェクトは、12年前にも既に構想が噂になっていた第二六本木ヒルズと呼ばれてきた六本木5丁目西地区市街地再開発が遂に始動に向けて前進しそうです。8ヘクタールに及ぶ事業地に高さ327mのオフィス棟、288mの住宅棟を中心とした新たな複合都市が来年度に着工、30年度の完成を目指しています。
地域探訪: 東京・六本木ヒルズから眺めた東京都心2024 2012年・2018年との比較
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ミッドタウンタワーが日本一の時期は無かったですかね?
日本一ではなく東京一かと思います^_^